冱 試験
「この試験はこの、この船の船員の誰かと戦ってもらう。その戦いっプリを見て、お前を船員にするかきめる。さぁ、戦いたい者を選ぶがいい。」
それを聞いて、レグルスは少し考えてからこう言った。
「じゃあ、貴方で。」
そう言って、レグルスが指を指したのは、なんと船長だった。
「あいつ正気かよ」
「殺されるぞ、マジで」
「バカな奴だ」
そんななか笑っていたのは1人、意外にも船長 だった。
「わぁあっはっはっはっはーーーー!!!!」 「え…」
皆は唖然とした。何故なら船長がここまで の大笑いをまだ船員のほとんどが見たことがなかったからだった。
「良い度胸だな、これは点が高いぞ。」
「では早速」
「そうあせるな、もう少しで島につく、そこで試験だ」
「うぅー」
レグルスは早く戦いたいらしく、唸っていた。それから島に着くまでの間、船には不思議な空気画流れていた。
島に着くとレグルスはいそいそと平野のど真ん中でちょび髭の男を待ち構えた。
「さぁ行くぞ…」
「・・・」
先に仕掛けたのはレグルスだった。一気に船長の目の前に詰め寄ると、鎖鎌を振り上げ船長目掛けて振り下ろした。船長は避けなかった。だが周りに飛び散ったのは水だった。レグルスの目の前にあったのは、水でできた人形だった。後ろに気配を感じ、振り向くとそこに船長がいた。船長の手には水の球があった。それをレグルスの頭目掛けて投げてくる。レグルスは避けきれず当たってしまった。その水の球はただの水の球ではなく、船長の魔法で作られたものだった。その水の球が当たった瞬間、その水はレグルスの顔に張り付いて離れなかった。
「はっはー。この程度で窒息死する様なら、わしの船に乗る資格はない」
「ゴボゴボ…」
レグルスは苦しそうにもがくが、水は離れない。
「あのままじゃあ死んじまう」
そう言ってミカンバは周りの反対を振り切り、助けにいった。だがミカンバがレグルスに触れる前にもうひとつの水の球がミカンバに当たっていた。 「これはこいつの試験だ。邪魔をするな。」
二人は苦しそうにもがくがやはりどうもならない。レグルスは心が苦しかった。
(僕のせいでこの少年まで巻き込んでしまった、くそ もっと力があれば、もっと力が・・・)
1人の少年の命をけそうとし無力な自分への憎しみの感情が彼を覚醒させた。
「うあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
少年の後ろに巨大な骨の龍が現れた。レグルスと骨の龍は禍々しいオーラをまとっていた。
「我が刃の前に散れ、 はぁぁぁぁあ!!!」
「うおぉぉぉぉ?」
レグルスの刃が船長に当たるほんの少し前にレグルスはたおれた。
「ふぅ、凄い力だ」
船長はミカンバの水を消した。
「ぷふぅぁぁぁぁ」
「こりゃあ重い荷物を背負っちまったな。こやつならこの狂った世界を正せるかもしれんな。」
「ということは・・・」
「勿論、合格だ。」
「よっしゃぁぁぁぁ」
そこにいるレグルスと船長以外は飛んで喜んだ。そのなかで船長は1人考えていた。
(あの力、まさか…)
レグルス、海賊したっぱデビュー!!