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私を愛した妖魔

すみません。7.7公開予定してたのを忘れてたまま、続きを書かずに迎えてしまいました<m(__)m>

今月中に付けそうと思っております。

 「本当に、この絵しか見てなかったんですね?」 よほど他の絵は見られたくなかった様で、まじな顔で念を押して来る彼女に、ここで信用を失ったらせっかくの出会いが台無しになると思い、

 ❝偶然開いたこの絵があまりに素敵だったので 心に焼き付いたんです❞

 「運よくこのページで開いたんですね。」

 ❝素敵な絵に 他のも気になったけど 勝手に見てはいけないので 決して見てませんよ❞ 正直、他のはどんな恥ずかしい絵描いてたのか、やっぱり見てみたかったと思ったりもしたけど、でもやっぱりこれでよかったんだと思った。

 「ごめんなさい。私凄く失礼な態度とった様な気がする。」

 ❝この絵に 吸い込まれてました❞

 「もうやばい絵見られたと思って、パニクッてただけなんで・・・」 コメントを送信するのに多少時間かかった為、放送主の言葉とかみ合ってなかったが、

 ❝あの絵だけで 物語の世界を感じた気がします❞

 ❝気にしてません❞

 「そんなに云ってもらえると。何か照れちゃいます。」

 ❝けど ずっと憶えてました❞ 早く伝えたくて、急いで矢継ぎ早にコメント打って送信していた。

 「よかった。あの、褒めてくれてありがとう。何か、凄く嬉しい。あ、あのどんな物語感じますか?」 そう云われて、想像力を働かせるまでもなく、その絵に感じたままのコメントを打っていた。

 「題名は、『私を愛した妖魔』って云うんです。平安時代に恋人同士だった2人が、生まれ変わって現代で再会するんだけど、彼の方は人間ではなく・・」

 ❝妖怪に愛され 恋におちた女性 人と妖怪の壁を超えた深い愛❞

 「妖魔に転生していて、彼女の方は前世の記憶がなくて、それでも2人は又愛し合うっていうファンタジーなんですよね。ああ、やっぱり分かります。何か1枚の絵だけでそれだけ分かってもらえると、めちゃ嬉しいなあ。」

 ❝僕は 妖力を持った女子高生の話を考えてます❞

 「え、まじで?」

 ❝偶然です❞

 「え、それも何か凄いですね。何か縁が有りそう。」

 ❝この放送までは この絵のこと忘れてて 僕は僕で自分の話考えてました❞

 「それって、どんなお話しですか?」

 ❝まだ構想中です❞

 「そうなんですか。でも、楽しみです。又出来上がったら教えて下さい。」

 ❝瑠璃華さんの漫画の内容はどんなですか?❞

 「それ云っちゃうとネタばれになるからなあ、って云っても、リスナーは今カケフさんだけなら、むしろ聞いてもらいたいなあ。」 ということで、『私を愛した妖魔』のあらすじを、静止画面を切り替えながら、紙芝居の様に教えてもらった。


 ---〔暗い異空間を、愛する人を抱きかかえながら、追手の赤い光を振り切ろうと飛行している絵〕前世の記憶のない彼女をさらい、異空間に連れ込んだところを陰陽師らに見つかり追われ、やがて行く手を阻まれたところに金色の救いが現れる。それは、生きとしもの全てを救わんとする弥勒菩薩みろくぼさつだった。弥勒は、瑠璃色の光の方へと妖魔を導くのだった。

 〔手を繋ぎながら宙に浮いている様な男女の絵 = 初めに目にした静止画面〕瑠璃色の光は時空を超える扉の様になっていて、2人は現代の京都で目覚めるが、妖魔だったはずの彼は、人間の姿に戻っていた。彼女の方は姿は変わっていなかったが、不思議なことに空を浮遊する力が備わっていて、2人で京都の街の空を旅する。

 〔車が行き交う道路で、2人は、それぞれ幼い子供を抱きかかえている絵〕地上に降りた2人は、自分達が人の目には見えない存在だと気付く。そんな折、大型トラックにはねられそうになっていた幼い兄妹を間一髪、事故前に飛び込んで助ける。それを皮切りに、2人の奇想天外な正義の奮闘が始まる。クールな彼と、ちょっとおっちょこちょいな彼女が、自分たちの不思議な力を使って、色んな人達を助けたり、余計なお節介をしたり、笑いと涙の日々が続く。

 〔京都の上空で、2人の目線の前に人の姿をした妖怪?が立ち塞がる。〕2人の息も信頼感もうんと深まったある日、2人の前に、妖魔時代の彼とライバル関係だった妖魔が現れる。その時彼は、ライバル妖魔の新たな野望に勘づく。

 〔咲き誇る桜の木の下で、彼女のお腹を愛おしそうにさする彼の絵〕彼女を守りながら戦う日々の中、2人の愛は増々深まり、やがて愛し合った2人の愛の結晶が、彼女の胎内に宿る。


 「今のところ、出来てる原作はここまでなんだよね。その前に、平安時代の過去話とか、妖魔の彼にさらわれる前の彼女の話とかも入れたいし、まだまだ先が長くて、なのに筆が進まなくて、そんでもって何かヒントになることないかと、この放送始めたんだよね。」

 ❝仏教徒なんですか?❞

 「そうなんだよねえ。て云うか、そんなに熱心な仏教徒って訳じゃないけど、日本の家なら大概そうなんだけど、うちも家が仏教だし、何より大好きだったお婆ちゃんが子供の頃に、よく仏様の話聞かせてくれたからかな。気が付くと、作風がいつもそんな感じになってたんだ。」

 ❝だから お寺の多い京都の大学に?❞

 「うん、それも否定出来ないね。お婆ちゃんの教えはめっちゃ優しくて、いつも私を守ってくれる気がするんだ。」 気のせいか少し涙声に聞こえた。

 ❝お婆ちゃんと一緒に暮らしてたんですね❞

 「この前七回忌だったの。お婆ちゃん亡くなる前、私の手握って、何度も私の名前呼んで、どんな人でも、人の気持ちの分かる優しい人になるんだよって、まじで弥勒様みたいだった。だから、人の気持ちの救いになる漫画家になるんだって、ごめんなさい、何か凄い涙出て来た。」

 ❝ごめんね 辛いこと思い出させて❞ 彼女のすすり泣く声をしばらく聞いた。

 「ごめんなさい。凄いメンへラな放送になっちゃった。でも、もう大丈夫。あのね、お婆ちゃん酷い喘息ぜんそくだったから、呼吸苦しいのに、最後の最後まで、可愛い孫の私に必死でメッセージくれてさあ。だからね、お婆ちゃんの期待裏切ったらばちが当たるし、きっと見守ってくれてると思うし・・」

 ❝そうだね❞

 「もうすぐお盆だし、又お墓参りするんだ。」

 ❝実家は京都から遠いんですか?❞

 「四日市って知ってますか?」 四日市ぜんそくという大きな公害病の出た町として知っていた。

 ❝三重県❞

 「そう、だからペンネームは、三枝瑠璃華。」

 ❝三の枝と書いて みえ?❞

 「どうしてそれを?」

 ❝スケッチブックに名前 外側に❞

 「あ、そっか、なるほど。」

 ❝瑠璃色の光だから?❞

 「そう、これもお婆ちゃんに教えてもらったんだけど、位の高い仏様の中に薬師如来様って、何でも治してくれるお医者様みたいな仏様がいて、そのお薬師様の光が瑠璃色なんだ。子供ん時、いつかお婆ちゃんの病気が治ります様にって、子供心に瑠璃色が大好きな色になったんだ。そんで、このペンネームしかないって。読者の心に瑠璃色の華を届けられる漫画家になるんだって、意気込みだけは一丁前な訳。」

 ❝あ、もう29分❞ この放送は通常30分で終わる。

 「あ、ほんとだ。もう時間ないね。ていうことで、ありがとう。何か今日は描けそう。学校の課題も一杯あるし、又いつか放送するね。」

 ❝こちらこそ ありがとう おつです❞ 送信ぎりぎり間に合ったところで放送が終了した。

 7月末日、前書きの約束を辛くも守れました。ドタバタで申し訳ありません。<m(__)m>

又、何度も見にきて下さった読者様、本当にありがとうございます。<m(__)m>

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