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反則

セシリア、振り回されてる…?


「結婚相手を探していましたか?」


「いいえ?結婚は別にしなくてもいいかなと思っていたので…。でもお父様、お母様のことを考えると、結婚してもいいかなとも思っていましたけどね」


小さい頃から、「良い人と巡り会えるといいわね」といわれて来たから。ま、結婚は出来たらでいいやーぐらいにしか思ってなかったのですけれど…。


「その程度の思いだったので、とりあえず会場の壁際から目立たないように周りの方々を観察していましたわ…」


それが何か…?というような感じで言い切ってやりました!

別に私が結婚相手を探すために社交界に行っていようが行っていなかろうが関係ないじゃない。


「では、求婚者がいれば結婚するつもりだったのですね?」


「ええ、お父様の判断も含めてですけど」


ダルトン家の情報網は、何気なく素晴らしいものなのです。あまり、社交界に出ていないからと言ってなめてはいけません。

我が家に不利益を被ろうとするような人はすぐに見破られ、それ相応の対処がなされます。内容はさまざまですが…。


「なら、私とならオーケーですね!!お父様からの許可もほら、取れているわけですし…」


公爵様は、ピラピラと顔の横で婚姻届をひらめかせています。うー、なんだか揚げ足を取られた気分ですわ…。


「ね…?」


あぁ、もう!!だからその子犬みたいな目止めてよ!キラキラした縋るような目は本当に苦手ですわ…!!

そして、ゆっくりと私に近づき、目の前間で来ると腰を曲げて、顔を私の耳元まで持ってきました…。??何で?


「ね…?……いいだろう?」


先ほどとは違い、すごく甘い声で囁かれると脳が痺れたかのような…。頭が痺れて…。


「結婚…してくれますか?」


「…は……い」


「やった!ありがとう。では、お家に帰りましょうか?」


またまた、クルッとリードされてターン。ん……?頭がぼーっとして働かない。顔も火照ってる…。声が……とんでもなくいい声ですわ。耳の奥が震えるような感覚で。


「はい。着きましたよ」


と言って家のドアを開けてくれる公爵様。何をやってもきまってます!!


「お帰りなさいませ。公爵様、お嬢様」


………。


「遅くなってしまいましたか?」


「いいえ、大丈夫ですよ。旦那様も奥様もそれはもう嬉しそうに、先ほどの部屋でお待ちになっております」


「そうですか。それは良かった!僕たちの結婚が決まって、落ち込んでしまったら悲しいからね。そうだろう?セシリア」


………!?えっ、何が?ハッとして前を見ると、公爵様とロックがこっちを見ています。んん?一体どうしたの?何の話?

というか、手を回されている腰の所でトントンって合図されてなかったら、ずっとどこかの世界に飛んで行ったままだったかも…。


気づいたら、リビングのドアのまえだし…。こんなぼーっとして部屋に入ると、シリルに何て言われるか分からないわ…。良かった、思考が戻って…。


「大丈夫か?セシリア」


はぅ!!まーた、公爵様は耳元で!!しかも、名前のとこだけ囁くようにするとは…。反則ですわ!


考えとは裏腹に、顔が熱いですわ…。あぁ、もう、本当に反則よ〜!!



公爵様、すごい技!!

天然かな…?わざとですかね…!?

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