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書類


「嫌ですか…」


「は………い……」


言っちゃった……。

お父様、お母様。ごめんなさい!!だけど、私にはこの人と結婚する事は無理です…。やっぱり、一生独り身でも良いですわ!!自由ですもの。


それでも。あぁ、これからどうなってしまうのかしら…?公爵様の申し出を伯爵家が断ったなどと貴族の方々に知られたら、ダルトン家は…どうなるのかしら…。まぁ、ダルトン家自体あまり良く思われてはいませんけれど。家の方より、お兄様や、シリル、ルーシーもいずれは結婚する事になるのに……。


「そうですか…。残念です」


ハッとして顔をあげると、少し残念そうな公爵様。まぁ、この方もあまり期待していなさそうですものね。ワケがワケなだけに…。(というか、結婚相手が見つかれば奇跡ですわ!!)だからこそ、勘違いだったとは言え、私の了承を得てあそこまで喜んでいたのよね…。


そう思うと、私がものすごく悪いことをしてしまった気がしますわ。それに、残念そうな公爵様の顔を見ていると、鳴きそうな子犬のような目に見えてきてしまうのですもの…。あぁ、ぜひともその顔止めて頂きたいわ………。どうして私が罪悪感を覚えてしまわないといけないの!?


「でも、すみませんがあなたの意見はもう尊重する事は出来ないのです。あなたには悪いですが、もうこの話は済んだことになっていますし」


済んだこと?それっていったいどういう事なのかしら…?


「?あの…?」


「あぁ、えっと、昨日のうちに、必要な書類は私の元に届いているのですよ…。結婚するために必要な物がね。お父様がそれはもう丁寧かつ、張り切って書かれてありましたよ」

微笑みながら言われましたが、何と言われました?書類がどうのこうのと言っていましたよね?あの…書類とは何でしょうか…。


「婚姻届ですよ。これを王宮に提出するとめでたく夫婦になります!」


婚・姻・届!?そんなの出したら終わりじゃないの!!


私たちの国では、離婚は認められてるけど、そうそう出来るもんじゃない。私はよく知らないけど、手続きがややこしいんだって。


しかも、貴族は王様に祝福の言葉を頂くから、余計に離婚しにくいとくるのですよ!!


晴れやかな笑顔で言うことではございませんのよ…。公爵様……!!双方同意のラブラブなカップルだったらいいのですけれど、私たちはそんな間柄ではないですから。


「…返してくださいませんか…?」


「嫌です」


ニッコーっと笑う公爵様。この笑顔なんか腹立つわ。返してって言ってるのに!!キッと公爵様を見ると…。


「いやいや、睨んでるつもりですか…?そのような目をされても、返すつもり無いですからね」


えぇーー!?頼んでるんだから返してよー!!


「私もいろいろと大変なのですよ。周りに結婚しろ、結婚しろと言われ続けて…」


いや、そう言われるでしょうとも。誰もがそう思うと思いますよ公爵様。お顔が良くて、そのぐらいの年ならね…。


「ついに、結婚相手候補という方々まで連れてきてしまいました。私は興味を持てずに、その方々と話もろくにせず…といった感じで2ヶ月粘ってみたのですが、候補の人数が0にはならなかったんです。まぁ、彼女たちは親のプレッシャーがあったから帰れなかったのでしょうが…。公爵家に嫁入りすると社交界での地位も変わりますからね。」


ふんふん。可哀想ね…その候補の方々は。すっごくストレス溜まったんじゃないかしら…。


「でも、彼女たちには申し訳ないですが、全員家に返しました。私は私だけのことを考えてそうしたのです。そしたら、周りの何人かが心労で倒れてしまいました。さすがに、少し反省して、上辺だけの花嫁を探すことにしたんです。そうして、見つけたのがあなただ。社交に出ても、いつも1人で会場をただ見つめているあなたを。」


私の目を公爵様の、夜空をくりぬいたような青色の目が真っ直ぐに見つめてきました。


「あなたは、他の女性と違って、結婚相手を探しには来ていなかった。そうですよね…?」




皆さん、久しぶりに更新です。長く間が開いてしまいました(´・ω・`)


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