お散歩
さてさて、少し結婚話の裏側が見えてきますかね?
今はもう、日が傾き太陽が沈んで行くところ。遠くの夕焼けはいつも通りキレイですわ〜!!そして、私の前には、ゆっくりと町の方へ向かって歩いていく公爵様。はーぁ…。お兄様たちで見慣れてるけど、美しい光景が背景のイケメンさんはやっぱり絵になりますわ!
超が付くほどのイケメンな公爵様が何かを考えているようなお顔で、夕焼けの空をバックに歩いているのだから、当たり前か。
外に出てから、取られていた手を外されてお一人で前を歩いて行かれてますが、私はついて行けばいいのでしょうか?出来れば、別行動を取りたい…(お客様だから、一人にしてはいけないけれど…)
ていうか、付き合ってとか言ってた割に、私のことなど気にもしていないんじゃ…?話があるなら、一緒に歩こうとしますよねー?まぁ、少し離れて歩いたらいいか。ちょっと、放っておいても大丈夫ですよね!!
その間に昨日からの出来事とかの整理をしましょうか…。
えーっと、まずは…。突然の結婚話。しかも、公爵様と!!その公爵様のことはあまり知りません。知ってることは…。
イケメンさんで、身長高くて、年が思ったより若いってことかな!!
ちょっと待って!!これってぜーんぶ見た目ですわ!!他に何かあったかしら……。あっ、名前!たしか、アから始まったような…。ア、ア、あー?
思い出した!!アレックス・ラシュトン様!!
うん。基本情報すくなっっ!!
あ、あとやたら声が良い!!聞きほれてしまうような少し低めの落ち着く声色。
これも、聞いただけじゃないの……。
はぁ…やっぱり、これはマズいですわよね?このままいくと、旦那様になるお方の事なのに…。
ドンっ!!
「キャッ」
えっ!?ふと気づいて目を開けると、視界は真っ黒!
「えっ?」
「大丈夫ですか?」
直接、額から伝わってくる、公爵様の声と振動。ってことは、ぶつかっていったってことかしら?
「本当に痛いところとかありませんか?」
くるっと回って私を見る公爵様。
「大丈夫ですわ」
「そうですか…。あの、セシリア嬢にお話ししておかないといけないことがあります。その前に………なぜこの話を了承していただけたのですか?…あなたにとって、あまりに突飛な話でしょう。」
えっ?ここで素直に、たまたま出来そうもなかった結婚が出来て、両親を喜ばせられるし、そもそも断れないからーなんて答えられないですわよね…?
「貴族には、よくある話だと思いますが…」
と答えておきましょうか。うん、無難ね!!
「まぁ、それもそうですね。では、実際私と会って嫌だと思いませんか?結婚で嫌々一緒に暮らしていくのはキツいでしょうから」
えっ?結婚生活…。想像もしてませんでしたわ。私の両親のような甘ーいものにへならないと思いますが、嫌ということもありませんし…(ていうか、無に近いのですが)
「えぇ、大丈夫ですよ」
「そうですか…。じゃあ、すみませんが本題に入らせてもらっても…?」
あぁ、お話はこれからでしたのね…。どんなことなのでしょうか。多分、歩きながら考えていたのってこれよね……。き、気になりますわ!!
「はい」
よし!!はやる気持ちを抑えた声を出せました!グッジョブ私!!
「では…。私はあなたと結婚しますが、仕事の関係上、仕事の事などいろいろなことを、秘密にしておかないといけないことがあります。ここまで大丈夫ですか?」
うんうん、それで?と、私はコクコク頷きました。
「そして、私には愛しく思う人がいるのです。私は彼女が大切なので、あなたと結婚したからと言って、二股のようなことはしませんから、安心して生活してください。」
…………は?
え………?
「あなたは、生活の場所が変わるといった感じです。あと、他には体面的なものがあるので、社交界には私と参加してもらわないといけないですが…」
……………………。
思考停止状態でポカーンと聞いてます。聞いてますが、頭のなかの処理速度が0に近いので反応できません!!もともと、私の相槌なんて期待していなかったのか、公爵様はそのまま続けてますけどね…。さて、どうしましょうか。
また、変なところで切った感がバシバシします!ごめんなさいm(_ _)m
次もまだ、公爵様のお話続きます。
長いけど我慢してあげてくださいね…!!