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ホームレス箱ムスメっ

作者: 真琴

どうもこんにちは。あちきの名前は小春、メスです。

どこぞの吾輩とは違いやす。名前は今、自分でつけやした。由来なんて難しいものはありやせん、あちきが生まれた日が小春日和だったとおっかあさまに聞いたからです。この調子で名字は「ひより」にしちまいやしょう。

ひより小春。うむ、悪くない。

自己紹介は終了でよろしいですかい?



「ほんとかわいいー♪」

「どこから来たのかなこの猫ちゃん」



あちきは今、箱の中にいます。

家、ハウスなんて可愛いもんじゃありやせん。段ボールとやらです。素材は紙です。正直隙間風どころか屋根というもんがないのでひっきりなしに風がやってきて居心地はマックスに最悪です。

だいたいあちきは見せもんじゃありやせん。プライベートタイムを不躾に覗かれて気分が言い訳がないです。

それに何処から来たのとな?無責任な飼い主さまが勝手にしたことであちきの意思は関係ありやせん。育てられんとこの段バールにあちきとあちきの兄妹をつめこんで外に放り出しやした、そんだけのことです。一歳になった誕生日のことです。

ついでに言っときやすが、一緒につめこまれた兄妹はとっくの昔にこの箱から飛び出して外の広い世界に飛び出していきやした。自分が可愛がってくれそうなところはもうサーチ済みだと言ってやした。

あちきは移動が面倒なので此処にいるだけです。此処にいれば水は川とやらで十分で、食べるもんも少し可愛く演技するだけでたくさん貰えやす。



「ほーら子猫ちゃん、チョコパイ食うか?」

「猫って肉食でしょー?餃子があるじゃない、それあげたほうがいいでしょ」



かと言ってチョコレートやネギという中毒物質は求めていやせん。まだ命は惜しいお年頃です、お引き取り願いたいもんです。

そんなこんなで段ボール生活が続いていやす。



***




そんなこんなな生活がかれこれ一週間になりやす。毛並み外の空気に揉まれているせいかも人間さまを欺くには少々厳しくなってきやした。そろそろ自力で食べるものを捕獲しないと飢え死にしてしまうやもしれやせん。

あちきが箱から出る日も近いことでしょう。



「……」



そう思った手前からまた見物人間さまです。

猫のあちきが見ても結構なお手前の顔のお方です、とりあえず旦那(仮)と呼びやしょう。本日分の腹ごしらえ、営業スマイルとやらを装備しときやしょう。



「にゃあぁ」

「……」

「ふなぁ……」



何でしょう、ちょっとというかとても居心地が悪いです。

無言で見つめるだけで何がしたいんですかい旦那(仮)。これはおこぼれをもらえる期待薄かもしれやせん。



「にゃ……!?」

「んー……」



おいおいおいおい。今度はあちきを抱えてなんですかい。

あちき見るのはいいんですが、じろじろ見られるのは勘弁してほしいんです、お腹の部分の毛がストレスかなんかか知りやせんがごっそり抜けて、こう無表情に見えて恥ずかしいんですぜ。

一応あちきも女子(おなご)の分類なんです。



「にゃぅ~……」

「お前、うち来るか?」



これはあちき的に想定外です。

ぐーたらな箱ムスメも嫁ぐことができるようです。

「箱ムスメ」ーはこむすめ

名詞。箱に入っている女性のこと。箱の形状・材質などに特に規定は無い、また女性であれば年齢・種族は問わない。



はじめましての方ははじめまして、知ってる方はまた書きました。旭日千冬と申します。

何がしたかったのかよくわからないことになりましたが、書いていて楽しかったです。私が書くものはそんなのばっかりです。



上記の言葉は旭日千冬が勝手に作った言葉です。本気になさらないでくださいね(汗)

最後まで読んで頂きありがとうござました。

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