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桃色の羽した蝶蝶

作者: 折原伶也

あと二ヶ月もすれば桜の季節

お願いだから誘ってくれるな 花見には

舞い散る花びらがお前の目には

どううつっているのかは知らないが

俺には桃色の羽した蝶蝶にー

桃色の羽した蝶蝶にしか見えないから

ヒラヒラとおちていく神秘的な蝶蝶は

俺にとっては悲しみだ


自己像の不安定が孤独感を生む

悪魔のような空虚感に襲われる

外見と内心との隔たりが 自己嫌悪と比例する

「本当の想い」は伝わらないから

大切な人でさえ俺を知らない

大切な人でさえ俺を殺してしまう

嫌われないように 嫌われないように

いつのまにか自分すら忘れて

形のない絶望が現れる

妄想へと逃げ込んでも

社会で生きていく以上は現実を知るから

描いた夢も悲しみへと変わりゆく


俺もおちてきた気がするよ ヒラヒラと

俺もおちていってる気がするよ ヒラヒラと


地面に積もった桃色の羽した蝶蝶を

雪のように地面を覆う蝶蝶を

手ですくうと溢れこぼれる屍を

俺はどんな表情をして見つめればよいのだろうか


俺には舞い散る桜の花びらが

ヒラヒラとおちていく ヒラヒラと消えていく

桃色の羽した蝶蝶にしか見えないから

花見には誘ってくれるなー


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― 新着の感想 ―
[一言] 初めまして! 読ませて頂きました。 どこか幻想的で、それでいてもの哀しい感じを受けました。素敵だと思います。 これからも頑張ってください。
2013/01/24 21:48 退会済み
管理
[良い点] 詩的な印象を受けました。文章の流れが心地よかったです。
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