帰りにお豆腐を買ってきてください。
姫梨さん回。(作者も)驚きの新事実
放課後。はい、また刀吏さんは寝ています。学習しませんね。
ガラッ
姫梨が入ってくる。刀吏に近づくと揺らし始める。
「刀吏!ちょっと起きなさい!」
刀吏は面倒くさそうに顔を上げる。辺りを見回し、何だもう放課後か・・・と呟くと横にいる人物を無視
し教室から出る。後を姫梨が着いてくる。
「待ってよ!刀吏!」
「なんですか。」
チッ、と舌打ちをし、振り返る。後ろには刀吏の予想どおり、金髪碧眼の少女が立っていた。
「なんですか、じゃない!何で昨日来なかったの!?私達待ってたんだよ!?」
「約束なんてした覚えありませんけど?」
「屁理屈を言わないで!怒ってるんだよ?」
まるで、プンプンと擬音が付きそうな怒り方をしている姫梨を見て、諦めたように溜息を吐き昇降口へ
向かう。
「ちょっと!待ちなさいって!」
姫梨が叫ぶ声を聞きながらも、無視し早足で歩き出す。刀吏の頭の中には今日の夕飯と妹さんの事しか
無かった。そのまま昇降口を出て家に向かう。その時刀吏の携帯にメールの受信のお知らせがなった。
『お兄ちゃんへ、帰りにお豆腐を買ってきてください。 妹。』
((そうか、今日の味噌汁は豆腐か。))
と、ホクホクした顔で考え、商店街へ向かうのだった。
*
一方の姫梨さん。刀吏に無視されて、落ち込んでいます。
その物憂げな表情は夕日に照らされ、更に美少女を引き立てています。
「はぁ・・・・・・。なんで、刀吏は気づいてくれないのかな・・・」
どうやら刀吏さんの事を考えているそうですが、どんな事で悩んでいるのでしょうか。
「私はこんなに、好きなのになぁ・・・・・・」
答えてくれましたが、この独り言を信者に聞かれたら刀吏さんが殺されそうですね。
というか、姫梨さんは刀吏さんが好きなそうです。ならあのしつこさも理解でき・・・・・・理解できないですね。
刀吏さんは妹さんを構う事で精一杯ですし、叶わなさそうですが。作者が言っているので間違いありません。(←メタァ)
ガバッっと勢いよく顔を上げ、両手に力を込める。
「よしっ!頑張るぞ!」
と、意気込んで携帯を取りだしました。電話帳から刀吏の名前を探す。
メールを開き文字を打つ。
送信完了、の文字を見て、携帯をしまう。時計を見たら五時過ぎ。
「急いで帰らなくちゃ!」
と、座り込んでいた廊下から去って行った。
*
刀吏は商店街に向かって歩いていた。
ブーブー
刀吏の携帯のバイブレーションがなる。
((また、里緒かな。買い物の注文とか、お菓子とか。))
携帯のメールを開くと
『また明日、フクロさんを探しに行くので付き合って下さい。姫梨。』
との、文字。それを見た刀吏さんは顔をしかめる。どうしよっかなぁ、と考えながら歩き出す。
「・・・・・・行って、みるか。」
姫梨さん、の恋どうなってしまうのでしょう。
この先、どうなってしまうのやら。