・・・やめないよ。
やっと!出てきた噂のフクロさん!
「よい・・・・・・しょっと!」
門を無事に?乗り越えた姫梨達。向かうは屋上です。校内に入り、急いで屋上まで上がる。先頭を走っ
ていたシーランが勢いよく扉を開ける。
外にいたのは先ほどから怪しげに姫梨達を観察していた人物がいた。
「だ、誰!?」
「僕から言うと~キミ達の方が誰?何だけどな~」
怪しげな人物を見て信者3人は警戒し、姫梨を守るように前に出る。それを見て、怪しげな人物はぷく
く、と笑い
「いや、何でそんな睨ん・・・・・・ぶふっ、に、睨んでんの、ふっ・・・・・・あはっ」
必死に笑いを堪えているが姫梨達を馬鹿にしているのは見え見えで、信者が怒り出す。
「ふ、ふざけているのか!貴様は!」
あはははは、と笑いながらしゃがみ込む。
「ね、ねぇ!貴方、もしかして、フクロさん・・・・・・だったり・・・・・・?」
「も、もしかしなくても・・・その通りだけど・・・何かよう?」
その言葉を聞き、全員が固まる。
((な、なにかよう?って・・・え!?この人が殺人鬼!?・・・・・・うそ!))
「え、ええと、なんで殺人なんてしてるのかな?やめようよ、犯罪だよ・・・・・・?」
怪しげな人物・・・・・・フクロさんが目を見開く(顔は見えないけど)。
「・・・・・・・・・なに、言ってるの?・・・やめないよ。もし、止めようとしてるなら、殺すよ・・・?」
先ほどよりも幾分か低い声で話し、持っていたナイフを姫梨に向ける。
「人の命を奪うことは犯罪なんだよ!私のパパが警察なの・・・一緒に、行こう?」
姫梨が信者の間から前に出て、手を差し伸べる。
「うるさい黙れ!!死ね!」
フクロさんが思い切りナイフで姫梨を切りつける。
「キャア!」
寸前のところで輝が姫梨を引っ張り、攻撃を避ける、が姫梨の手には長い傷が付いた。
「大丈夫?」
「あ、ありがとう、輝」
フクロさんは、気にせず姫梨に切りかかろうとするが校門のところに人影があるのを見つけ、素早く屋
上から飛び降りる。
「まって!」
姫梨が呼びかけるが反応は無い。
「し、死んじゃったの?」
「いや、死んではない。奴は、脅威的な身体能力があるようだな。屋上から飛び降りても死にもせず走
って逃げるなんてな」
ハンカチを使って姫梨の手当てをしていた吉成はその言葉を聞き、ふと疑問を口にする
「でも、何で行き成り逃げ出したんだろう?」
「あれ、見て。校門に男がいる。見られちゃやばいと思ったんじゃない?」
と言う輝の言葉に全員が校門を見る。
「あ!刀吏だ!」
「ふん、そいつが役にたったという訳か」
刀吏は辺りを見回している。
*
刀吏は辺りを見ていた。
((あの子はどこだ・・・・・・?何か悪い事でも起きたか?))
悪い事なら今さっき学校の屋上で起きてましたよ。
「おにーちゃん!何でこんなところにいるの!?」
奥の角から黒髪の可愛らしい小学生が走ってきた。小学生にしては背が高いが。
「おお!里緒!良かった!・・・なにも無かったか?」
「大丈夫だよ~お兄ちゃんは心配症だなぁ」
「ならいいけど、早く買い物して帰ろう?」
うん!と元気良く返事をして刀吏の手を握る。刀吏は少し驚いた表情をし、手を握り返し行こうか、と
言い方向転換し、商店街へと歩いて行った。ロリコンかよ。
ご覧頂きありがとうございます!今回は少し長くなったんではないでしょうか。
引き続き、読んで下さるととても嬉しいです!