◆⑥『人魚姫』◆
あなたは人魚姫です。
ある日、海面に上がると、
豪華な船の甲板で船員の人たちと笑顔で談笑する王子を見かけ、
人魚姫(自分)は一目惚れしてしまいます。
後日、王城の近くのとある浜辺で愛犬と戯れる王子を発見。
あなたならこの後、どうする?
ーー。
人魚姫(自分)「…。」
離れた岩陰からそっと王子と愛犬を覗き見る。
王子「ん?誰かいるのか?…女の子?
どうしてそこにいるんだ?こっち来て話さないか?」
人魚姫(自分)を見つけると、優しく声をかけて手招きする王子。
愛犬「ワフワフッ♪」
王子の愛犬も駆け出し、人魚姫(自分)のそばを
クルクル回ってじゃれついてくる。
人魚姫(自分)「あ…わっ…」
動揺し、赤面して慌てて王子の愛犬から逃げ、
海の中へ首まで浸けて岩陰から恐る恐る様子を見た。
王子「ごめんごめん。こら、戻っておいで。」
愛犬を窘め、呼び戻すと愛犬を撫でながら人魚姫(自分)を見る。
王子「怖がらせてごめん。もう大丈夫だから、こっち来て話さないか?」
人魚姫(自分)「あ、あの…その…ごめんなさい。
今日はもう、帰らないと…。また…明日…来るね。」
顔を赤らめて恥ずかしそうにそう言うと、さっと岩陰の奥へと消えてしまった。
王子「あっ、待って!!…行っちゃったか。…『また明日』か。
…楽しみだな。」
次の日…。
早く着きすぎたのか、浜辺に王子と愛犬は見当たらない。
暇なので岩に腰掛け、得意な歌を歌う人魚姫(自分)。
王子「…なんて綺麗な歌声なんだろう…。」
浜辺に着いた王子はぽつりとそう呟き、その歌声に聞き惚れてしまう。
王子「綺麗な歌声だね。こっちへ来て、もっと聴かせてくれないか?」
人魚姫(自分)に近寄り、優しく手を差し出す。
人魚姫(自分)「あ…。…ええと…そう!用事あったんだった。
ごめんなさい、もう行かないと…。また…明日、来るね。」
自分には魚のような尾ひれしかなく、足の無い人魚姫(自分)は、
浜辺へと招こうとしてきた王子には答えられず戸惑い、
結局また、言い訳をして帰ってしまう。
王子「…はぁ。今日もまたすぐ帰ってしまった。
でも、今回も『また明日』と約束してくれた。
…また、明日が楽しみだな。」
そうして、毎日毎日…
人魚姫(自分)は
『浜辺へ来ては少しだけ歌い、その後、王子と少し話しをするだけ』
という、ちょっとした秘密の逢瀬を繰り返し続けます。
王子は毎日、人魚姫(自分)の歌を聴けるのを楽しみに過ごしました。
そんなことを何十回と繰り返したある日。
このまま自分の秘密を隠し通したままでいたくないと感じた人魚姫(自分)は、
意を決して、王子に『自分は人魚姫で、下半身は尾ひれで足がない』のだと、
思い切って真実を明かした。
しかし王子はそんな人魚姫(自分)の手を優しく取って見つめ…
王子「君がどんな姿だろうと構わない。
毎日僕に会いに来て、素敵な歌を歌ってくれる…そんな君が大好きなんだよ。
これからもずっと、僕のそばにいてほしい。
そして…これからはもっと、こうやって君に触れさせてくれ。」
人魚姫を見つめたまま、その手を自分の方へと引いて人魚姫を引き寄せ、
優しく愛を囁いた。
人魚姫(自分)「あ…。……はい。私も…そばに…いたい、です。…王子様。」
恥ずかしそうに顔を赤らめながら、小さく頷く。
そうして二人は、人間の王子と人魚姫という異種族でありつつも、
ありのままの姿のまま、互いを認め合い、愛を育み、幸せに暮らしました。
ーー。
…魔女の薬で足をもらって、痛みを伴いつつも王子に会いにいく。
そんなどこかにあるような話はどこにいったのかって?
偽りの姿で恋愛をしてどうするの?
ありのままの姿で好き合ってこその恋愛でしょ? ね♪
⇒結果:異種族恋愛の成立。毎日育む愛と偽りのない姿が、二人を結びました。




