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【書籍化進行中】極貧男爵家に転生したので、チートスキル【石の王】で最強の領地を作る  作者: 星海亘
奇跡は起こすもの

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 馬車で3日間掛けて辿り着いたのは、ヴァルト男爵領の南隣にある領地──エーベネ子爵領の領都ラパン。

 馬車の乗り心地はお世辞にも良くなく、エーベネ山脈を超えるときは揺れが相当酷く、アーロンは気持ち悪くなって最悪の馬車旅だった。


 今向かっているエーベネ領の領主家であるエーベネ子爵家は、ヴァルト男爵家よりも歴史は浅いが、由緒あるお家柄で、気位が高い当主が多い傾向にある。

 今代の当主もそのきらいがあるようで、ロベルトが今代のエーベネ子爵に、「お宅の領地の十神教会で息子が祝福を受けるから、一家総出で向かうのでよろしくね」的な内容を長ったらしい貴族らしい文章で手紙にしたためて送ると、その返事が「お宅の領地には教会すら無くて可哀想だな、貧乏って本当に大変だなw」という内容を長ったらしい貴族らしい嫌味な文章で返してきたという。

 その手紙を見たロベルトは、「エーベネ山脈がうちの領土だったらなあ」と、悔しげに呟いた。


 エーベネ領とヴァルト領の境はエーベネ山脈の麓だ。

 エーベネ山脈はエーベネ領。その向こうがヴァルト領という区切りだ。

 エーベネ山脈には炭鉱がある。ヴァルト領には炭鉱のようにお金になる山脈がないのかといえば、ない、というか分からない。

 ヴァルト山脈という山脈はアルディージャ村の北、ヴァルト森の向こうに聳えているのだが、その前に広大な森が広がっており、森には凶悪な魔物がうじゃうじゃいる為、迂闊に入れないのだ。

 ヴァルト山脈自体にも伝承によればドラゴンが住んでいるという。

 恐ろしすぎてヴァルト森には誰も近寄らない。


 エーベネ領側の森、アルディージャ森と呼ばれている森は比較的安全なので、狩人や木こりがよく入っている。寒冷地なので針葉樹くらいしか生えていないが、動物もいるので、狩人や木こりの貴重な収入源となっている。

 ヴァルト森から魔物は出てこないのかといえば、出てこない。

 300年間、魔物が出てきた記録はないし、代々の当主の日記にもそれらしい記述はない。アーロンがソフィアに強請って聞き出した情報だ。


「ここだな」


 ロベルトに抱っこされてアーロンは十神教会に入った。

 十神教会では10柱の神々を信奉している。

 火の神、水の神、風の神、木の神、雷の神、土の神、光の神、闇の神、時の神、空間の神という10柱の神々だ。


 因みに、この神々以外にも創造の二神がいるのだが、この2柱の神、世界を創造して、10柱の神々を産み出してから長い眠りに就いてそれ以来音沙汰がないので、ほぼ信仰者がいないらしい。

 という説明を修道士から聞きつつ、一家は司祭の元に案内された。

 初老の優しそうな男性が神々の像の前にある祭壇の近くに立っている。


「司祭のコルベと申します」

「ヴァルト男爵のロベルト・フォン・シュタインです。こちらは妻のソフィア、息子のアーロンです。今日は手紙に書きました通り、息子の祝福の祈りをしていただきたくて」

「ええ、手紙もいただておりますから、準備はできていますよ」


 コルベはビー玉サイズの光が当たる場所によって色が変化する虹色に輝く石を取り出した。


「ありがとうございます」

「では、御子息に」


 コルベから虹色の石を手渡されたロベルトは、アーロンの手に握らせた。


「父上、これは?」

「これは聖なる石、聖石と呼ばれる石だ。祝福の祈りに必要なんだ」

「そうなんだ」

「さあ、始めましょう」


 ロベルトはコルベの前にアーロンを降ろした。

 コルベは聖句を紡ぎはじめる。


「──十神よ、どうかこの幼き童に祝福を。【祝福の御手】」


 虹色の光が聖石から放たれ、アーロンに吸い込まれた。

 聖石は色が抜けて透明になった。

 不思議な知識がアーロンの頭に入ってくるのと同時に、アーロンの目の前に半透明の板──ホログラムウインドウが現れた。


[固有スキル【石の王】を取得しました]


 目を瞬かせるアーロンを見て、司祭は頷いた。


「固有スキルを取得できたようですね」

「司祭様、ありがとうございます」


 ロベルトはお金の入った革袋と透明になった聖石をコルベに手渡した。


「いいえ、私は当然のことをしたまでです」


 コルベは受け取りつつ、微笑んだ。

 修道士が水晶を持ってくるのを見ると、頷いた。


「さあ、最後にステータスを見ましょう」


 コルベの言葉を聞いてロベルトはアーロンを抱き上げた。

 コルベは水晶を受け取ると、アーロンの前に持ってきた。


「さあ、アーロン様、手で触ってみてください」

「はい」


 アーロンは水晶に手を触れた。

 ホログラムウインドウが現れた。


アーロン・フォン・シュタイン 人族レベル1 男 3歳

スキル︰剣の才 弓の才 風の適性 水の適性 光の適性

固有スキル︰石の王

シークレットスキル︰ガイド


(ガイドなんてスキルがあったんだ……)


 アーロンは驚きつつ、ガイドについても自分の中に知識があることを確認した。


「アーロン様、固有スキルはどんなスキルでしたかな?」

「?」


 アーロンは首を傾げた。既に固有スキルの知識はあるからだ。


「固有スキルに手を触れると説明が出ますぞ」


 アーロンは普通は知識を得られないのか?と疑問に思ったが正確には、知識を得ても上手く言葉にできない子供が多いからステータスを見るのだ。

 アーロンは固有スキルに触れた。


石の王︰石に関するありとあらゆることができるスキル。


 アーロンは説明するより、実際にやってみるのが良いと思って手のひらを出して言葉を紡いだ。


「【石生成】」


 アーロンの手のひらに小さな石が生まれた。


「これがぼくのスキルです」

「成る程、石を生み出すスキルですか……」


 ご愁傷様です、という表情でコルベはロベルトとソフィアを見た。

 ロベルトとソフィアは微笑んでいた。

 息子が何であれ無事に固有スキルを得たからだ。

 この両親はできた親だとコルベは思いつつ、お辞儀をする。


「以上で終了となります。ありがとうございました」

「「ありがとうございました」」


 一家は領都ラパンに一泊して、翌朝早くに出発した。

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