第8話 ミア
「魔物を倒したら魔物は消えて、たまにアイテムドロップするよね?」
「うん。スライム倒したらキレイな魔石が出るよな!」
「あ、あれはただのビー玉だよ。何の価値も。や、まてよビー玉自体がドロップ品でポイント交換になるって事なのか?」
「なんだそれ?ビーダマ?」
「ま、それは置いといて、何かしらで使えるものが形として出てくるなんて都合が良過ぎない?」
「いや、当たり前だから別に何も思わないんだけど。ピスタの前世ではドロップは無かったのか?」
「そこが思い出せないんだよなぁ。たぶん魔物すらいなかったと思う・・・。LV10になれば思い出せるのかなぁ。」
「魔物がいない世界かぁ。良いなぁ。」
「(その代わり人同士で殺し合いしてた様な。兄ちゃん怖がるからやめとこう。)ん、まぁ平和が良いよね。」
僕とカシュウ兄ちゃんは今の平和な生活を崩さず、いかに洗脳の目から逃れて普段の生活に溶け込むかを模索していた。
まぁ普通に畑仕事をして生きてれば教会に人とは学校以外であんまり関わらないんだけどね。
その学校で事あるごとに同級生が僕に絡んでくるのはもはや鉄板となりつつあった。
翌日
「また来たよ。クレリーって奴。どうする?俺がガツンと言おうか?」
「ほっとこうよ嫌味言われるだけだし。先生に目をつけられても困るし。」
「ピスタは優しいなぁ。じゃ帰りにまた寄るわ!」
そう言ってカシュウ兄ちゃんはその場から去る。
程なくしてわざわざこっちにやって来たクレリーと取り巻き3人。ドゴルは最近見ない。
「おや、ピスタ君じゃ無いですか?」
取り巻き3人もそれぞれに
「あークソ弱ピスタか。」
「ドゴルがただじゃ置かないぞ!」
「次こそ、のされるからな!今からビビってチビるんじゃねーぞ!」
と話してくる。
またクレリーは
「バカな君に言ってもわからないが、僕はINTが10もある。村長の息子に許されたステータスだ。ドゴルですらも頭では僕に勝てないんだよ!!」
僕が「はいはい」と言おうとした時、別の声が聞こえた。
「ステータスで人を決めたらいけないんだよ!」
そう言い放つ女の子は僕より背が高くて顔立ちの整った女の子だった。
「はん!ん?、、、と、ところで君は誰なんだ?」とクレリーが聞いた。
怒っているのか顔が赤くなってるのに気づく。
「私はミア。今日から学校なの!」
僕を庇ってくれたミアちゃんは同い年の子供だった。
取り巻きの1人が
「あー、クレリー。コイツの親は教会の教えを否定して更生労働してきたマクアダ家の子供だよ。あんまり関わらない方がいい。」
クレリーは「そうか。」と呟き、
「ピスタ君も更生労働させられ無いようにきちんと学ぶんだね。ハハハ!」
と矛先をまた僕に変え去っていった。
それよりも僕はミアの発言が気になったんだ。
「ありがとう、ミア、僕はピスタって言うんだけど。」
「ひゃっ!え、うん。知ってる。」
ん?知ってる?
「え、そうなの?」
LUK極振りで悪目立ちしたか!?
「あ、えとね、ステータスで人を決めちゃいけないってどう言う意味なの?」