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第5話 白の教団

その翌日。

早速昨日蒔いた種を見に畝に寄ってみた。

おっ!もう双葉が出てるぞ!早いなぁ。

僕は傷つかない様にやさしく触りながらステータスで状態を確認する。


【タポポンの双葉】【成長促進*2】

・発芽率1%の貴重な双葉(LUK補正により51%にup)


ここでLUKが活きてくるのか!!やったぜ!僕は喜びながらもこの後の事を考えて溜息が漏れ出た

「ふー。」


週の始まりから3日間10歳から15歳の子供対象に教会の人が学校を開いているんだけど、


10歳でステータスの話を親がして、使い方や基礎知識、一般常識を教会で学ぶらしい。


教会はその他に、生徒を使って奉仕活動という名の肉体労働をしたり、税金の徴収だったり、村の取り決めを任されていたりして基本村長は無力だったりする。



しかし想像通りの展開にまたため息が再び出てしまう

「はぁ。」

教会に着くと4人ほどの10歳児に囲まれた僕は今から何をされるのか予想がついていたんだ。最後の一人にトイレの扉を閉められまずは悪口で罵られた。


「おぃ!ピスタ!無能を晒してる様だな!お前は今から俺様の子分になれ!」

ガキ大将のドゴルは昔から僕が相手をしなかったせいかすぐにつっかかって来た。


僕はトイレのドアを背に右手で触れつつステータスを開く。

お、やっぱり見かけ通り蝶番がサビて木も腐食してる。こんなドアに壁ドンでもしてみろケガしちゃうよ!

「まって!ここはあぶ、」

言い終わる前にドゴルは僕の顔の横に勢いよく手を突き出し

「うるせーよ!!」と大声で壁ドンしてしまった。

ドアドンか?


すっと横に避けた僕とは違う方向にドアがゆっくりと倒れる。

止まるはずの腕は蝶番を破損させ、腐食した木に手がずっぽりと貫通した状態でなおも進む。

そして、ドゴルは手が抜けず便器にドアごと直行。

「うわーーー!!」

無駄にPOWに強化ポイントを振ったのが災いしたのかな。


結果、全員大慌てでドゴルを引きずり出すも便器に直行して汚れた右手を見て塵じりに去っていく取り巻き達。


残った僕は泣いているドゴルに手を差しのべた。

「まぁ、なんだ。良いことあるよ。ピュリファイ。

キュア。気分的に汚いな、も一回、ピュリファイ!」

浄化と治癒の魔法をかけてあげるとウ◯チで汚れた手や服が瞬く間に綺麗になり2回目で肌艶まで良くなった。


日常魔法として取った【浄化】スキルはLUKを強化50にした時、スキル進化で【清浄化】になり

クリーンと言う魔法に加え、もっと綺麗にしてくれる魔法ピュリファイを取得したんだ。


みんなには内緒だよ。


その後、授業が始まり読み書きを練習する為に紙を貰う順番待ちをしているとドゴルの取り巻きだったクレリーがやって来た。

この金髪もドゴルに隠れて人の文句を常に言っている奴だ。


「ピスタ君はLUKに全振りしたんだろ?バカだなぁ!何のスキルも発現しないと神父様が言っていたぞ!バカめ!」


言ったな!この短い文章の中で2回もバカって言ったな!でも気になる事があるから一旦こちらから質問しまーす!

「スキルの発現ってステータスに表示されるって事?」


「何言ってんだ当たり前だろ!

?POW(力) INT(知力)SPD(素早さ)VIT(体力) そして無能のLUK(運)この割り振りによって取得できるスキルが変わって来るんだよ!


学校初日の君が知らないのはしょうがないが、暫くは【浄化】と【属性】あと【投石】ぐらいしか覚えられ無いだろうな!ハハハハ!!」

周りの取り巻きも笑い出した。


「確かにそれは覚えたけど。なんで??」


僕の取得した誰でも取れる数少ないスキルはクレリーの言う通りだった。

これが一般人には超ウケるらしい。


「バカか!?【投石】スキルなんでゴミカスキル取る奴どこにいるんだ!!ハハハハハ!!!

LUKしか強化していない君には来年まで何一つ覚えられるスキルが発現しないんだよ!!」


いやー、一般情報を聞けた、良い情報だったよクレリー君。詳しく言うとウソの情報だけど。


だって【投石】スキルも【浄化】同様にLUKによって進化して【遠投】になったから石じゃなくても投げられるし、スライムがドロップするビー玉でも木が貫通する威力になっちゃったんだもん。当然強すぎてお蔵入りだよね。


「ホントに表示されているスキルしか取れないのかい?」


そんな事は無い事を僕は知っているけど敢えて聞いてみる。


「は?何言ってるんだ!?先生!この新人に教えてやってください!」

新人って。お前もだけどな。


口論を聞いていたであろう紙を配っていた教会の先生は一瞬手と笑顔が止まりこちらを見て紙を差し出しこう言った。

「君はどうしてそう思ったんだい?」


「えぇ・・・っと。」

「いいよゆっくり考えて言葉にしてごらんなさい。」そう言いながら僕の頭を撫でて来た。


僕は接触したことをいい事にステータスと心で唱える。すると教会の先生の情報が表示された。

いや言い直そう。

全て表示されてしまった。


普段僕らが取得する一般スキルの他にこんな事が表示されていた。


【神父の皮を被る者】【白の教団125966号】

スキル【洗脳】【慈悲】【無慈悲】【統治】【身代わり】

状態 【魂の束縛】【監視】【疑惑】【作り笑い】【嘘】


これは前世の記憶が警鐘を鳴らしている。

紛れもなく








ヤバい奴だ。





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