第3話 何のスキルやねん
僕は昔からふと自分ではない何かの知恵や知識を思い出すことがあった。
小さい頃からあったし違和感なんてものは無かった。
ステータス画面を操作する事だって既に覚えていたんだけど、肝心の
「どうして知っているのか?」が人に言えないから説明できず10歳を迎えたんだ。
そしてその成長途中の6歳の頃から今日までにポイントをつかって実は【投石】では無く
【前世の記憶】と言う子供なら興味しかないスキルに合計45 SPも注ぎ込んでしまったんだ。
既に【前世の記憶】のスキルLvは9である。
残りの5SPは般的な生活スキル
【水属性】Lv1に1SP
【光属性】Lv1に1SP
【闇属性】Lv1に1SP
【浄化】 LV1に1SP
【投石】 Lv1に1SP と割り振った。
ここまで知られたら父さんには殺されてたかもしれない。
あぶねーあぶねー。
畑の土を尖った木で二人並んで土を掘りながら畝を作りつつおしゃべりする。
兄ちゃんはPOW(力)とVIT(体力)を均等に上げてるから僕より作業が早い。
「ピスタは賢いからさぁ、もし父さんに決められても自分でよく考えてなりたい仕事を選んで慎重にポイントを割り振るかと思ったぜ。」
「ごめんね。父さんと母さんは農作業が楽になると思ってたから少し落ち込んでたけど親不孝かなぁ。」
僕では待てない重さの石を見つけたから兄ちゃんに声をかけて畑の外に放り投げてもらった。
「10歳でそこまで考えれるなら親孝行だと思うぜ。
ま父さんに言わなくて正解かもな。
で、貴重なポイントを使って嘘までついて取ったよくわからないスキルの名前なんだっけ?」
「あー恥ずかしいから誰にも言わないでね。」
コレに関しての詳しい話はまだ他の人に言ってない。
「【前世の記憶】ってやつ。」
「あはは!!訳わっかんねーぜ!」
「いやほんと何のスキルやねん!!ってツッコミ入れたくなるよね!!」
「やねん?ツッコミ?!なんだそれ?」
「あ、前世の記憶が出てきたよ。」
「やっぱおもしれーわ!!!俺もいつかそれにしようかなー!!」
「使いどころ無ければ勿体無いよ。」
「ところでいつからどうやってそのスキル取ったんだ?」
「6歳だと思う。」
「早いなぁ!って事はピスタは既に6歳で文字読めてたのか?」
「なんかね朧げながら読めてたんだよ、その時からアレ僕って何者?みたいな。前世って言われて違和感なかったし。」
「へー。ステータス!そもそも俺のスキル欄には無いからなぁ。なんでピスタはLUK50なのにスキルが現れてるんだ?。」
「ふふふ、兄ちゃん。君は秘密を守れるかな?」
「お、おぉ。」
「気づいちゃったんだけどみんなステータスの上の方を見つめてて手前にあるキーボード使って無いよね?」
「きーぼーど?って何だ?」
「まぁステータス開いておへその前を見てみてよ。」
「ん?あぁ、ステータス。こうか?うわっ!!なんだ?これ!?これがさっき言ってたのか?」
「そうそう。じゃ、とっておき教えるよ。左の【CTRL】と【F】を同時に押してみて。」
「わけわかんねーけど、・・・こうか? !!なんかスキル一覧の上に空欄と変なマークが出てきた!!」
「それを人は虫メガネと言います。じゃあおへその前のキーボードでどうしようか、とりあえず【タヌキ】って入力してみようか?」
「た ぬ き っと、こうかな?で?」
「虫メガネを押します。」
「あ、このマークね。」カシュウ兄ちゃんは手を伸ばし虫眼鏡を押した。すると、
「うわっ!!」と奇声を放つ
「型抜き
タヌキ狩人
タヌキ商人
タヌキソバ職人
タヌキ専門罠師
タヌキ寝入り
どっ、どう言う事だ!?」
「びっくりした?1番上の空欄は実は検索画面なんだよ!」
開いた目をこちらに向けて
「ケン サクガ メン?なんだよそれ!!!!」と盛り上がる。
「僕なんて暇があればここでどんなスキルがあるか探してるよ!」
「これって俺が選べることのできる【スキル】なのか!?!!!出現しなくても良いのか?
へ~~だからピスタはぼーっとしながら寝てる事が多かったんだな。」
「ばれましたか!あはは!!!
でも気づいた事があるんだ。表示されてるスキルは押すとどんなスキルなのか説明があるんだけど、」
「あ、【火属性】とかの俺にも見えるスキルは説明あるよな、火属性魔法ファイアが使えるって書いてたわ。」
「でも、検索で見つけたスキルは全く説明が無い。一か八かの博打って事だよ。検索のコツは3文字以上だよ!2文字以下のスキルって無いのかな?」
「3文字ね。そうかぁ、博打ねぇ、どんな内容か知ることができたらなぁ。あ!そうだ俺も【前世の記憶】取れるかなぁー!!えっと、ゼンセっと・・・。」
安全先生?
座禅説教??
前線基地破壊工作員?
ん?俺には出てこないぞ。」
「えー兄ちゃん前世無いの!?」
「そうみたい。残念だなぁー。でもピスタの特別スキルって事だろ!ケンサクがめんと言い、やっぱ俺の自慢の弟だぜ!!」
こうしてその日、僕ら兄弟はバカみたいに盛り上がりながら畝を作り上げたのでした。
ちなみに岩の下に小さな種を見つけたけど、これは当たりじゃないか?まぁLUK全振りのおかげかな。






