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第1話 どっちも0だよ!

誕生日。それはこの世に生まれ1年を生き抜いた証。


そして

僕のいるこの世界にとってはもの凄く重要なポイント付与の日。


「ピスターご飯よー!」

と母さんの声


「はーい!今行くよー!」


「わぁ!今日はメチャクチャ美味しそうな夕ご飯だね!えっ!何?!これお刺身?!」


「ピスタ!今日はお前の誕生日だろ?!父さんと海まで足を運んでさ!魚釣って来てやったんだぜ!で、オサシミって何だ?」


「うれしー!!兄ちゃんが釣ったんだ!!スゴイ!!お刺身?えっとオサシミってなんだっけ?」


僕の大好きなカシュウ兄ちゃんは面倒見のいい12歳の頼りになる家族だ。


父さんと母さんが二人して奥からやって来た。パンにはロウソクが刺さっていて10本ある。何やら文字が書かれた赤い旗も立ってるぞ!


「えっ!えっ!??!」

10歳らしく僕は頬を上げ驚きを交えながら心から喜んでいた。

なんだ10歳らしくって笑


そうすると家族はみんなして歌い出した。

「パッピーバスデー ピスタ ×2

パッピーバスデー デア」


「バースデー ディアね!」

「ピスタの作った歌は一体どこの国の言葉なんだ?」

歌の最中、兄ちゃんは母さんにこっそり聞いていた。そこ!集中して歌うんだ!!


「ディア ピスタ〜〜。

パッピーバスデー ピスタ〜!!おめでとー!!!」


「父さん!母さん!兄ちゃん!!ありがとう!!」

パンと刺身は合う気がしないけどね!!



夕飯を楽しく食べ終わると父さんが真剣な顔で僕に話しかけて来た。


「実はお前に伝えたい重要な話があるんだ。」

そう言ってパンに刺さっていた赤い旗をクルクル回しながらこっちを見つめる。


カシュウ兄ちゃんが横でウンウンと頷いていた。


微笑む母さんが

「ピスタ目を閉じてごらん。」と言ってきた。

続いて父さんが

「そのままこう言うんだ。

【ステータス】」


僕は言われた通りに言葉にした。


「ステータス。」


すると目の前に空っぽの四角い長方形とその下にはズラッと並んだ文字列が浮かび上がる。

左に五角形があり右上には数字が書いてあった。

かなり手前、おへその方を見るとキーボードも見える。キーボードが何かと言われるといまいち分からないんだけど。


父さんが自慢げに説明を始める。

「ピスタ。驚いてるな、フフフ。10歳そう、ちょうどお前の歳になると強化ポイントとスキルポイントがそれぞれ50ポイントずつ貯まる。」


「へー!」みんな見えてたんだ!僕はそういう意味で逆に驚いた。今日まで隠してたのかな?


「あまり小さな子供にステータスを教えると適当にスキルを取って、取り返しのつかない事になるから親がいれば10歳で教えているんだ。」


「そうなんだ!」&まじか!?


「そして遂に!今日ピスタは50ポイントの強化ポイントとスキルポイントが貯まった!!」

家族全員が拍手をする中、僕はこう言った。


「ないよ。」

「え?」兄ちゃんしか聞こえてなかったのか反応したのは一人だけ。


両親に伝わる様に笑顔でもう一度言おう。

「貯まって無いよ。」


父さんは続けながら

「そのポイントで強化し、ええええええーーーー!!!」

同じ様に母さんと兄ちゃんが声を上げる。息のあったコミカルな家族に感謝。


「え?マジ?ピスタ、も一回見てよ!右上の方数字書いてるよね?強化50 スキル50って!」

確かにその文字を最近教えてもらったけど。・・・焦りながら僕をみる家族達。


再度目を瞑りステータスと言った後確認した数字を見て元気にこう言った。


「どっちも0だよ!」

短編書こうと思ってたのに意外にも長くなっちゃった。

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