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恋心

作者: 蓬田灯子

挿絵(By みてみん)



初めて出逢った時からピンときて、この人が運命の人……と感じる人がいると聞く。


しかし、私は本当に最初の出逢いから恋愛的な何かを全く感じなかった。

ただ、安心して話ができる人だと感じただけ…。

毎日顔を合わせる中でも、何か特別の感情が働く訳ではなく、何気ない会話をするだけの存在だった、彼。



…しかし、出逢って1ヶ月半を過ぎた頃からであろうか。

相手が好意的な言動を滲ませるようになってきた。しかし、それが嫌悪ではなく、むしろ、嬉しい感情に浸る自分がいた。



「……まさか、だったな…」



もう、"恋" なんてするとは思っていなかった。

他にも毎日顔を合わせて話をする存在はたくさんいるのに…、なぜ、彼をそのように想ってしまったのか、わからない。


外見が好みだったか?

…いや、全く好みではない。

しかし、今では格好いいなと思ってしまっている。


声が好みか?

…いや、これも該当しない。

むしろ、苦手な声色。

しかし、今は好きになっている。


服装はどうか?

……あまりにも個性が強くて、私好みではなかった、が、今では彼に似合っているから素敵だと感じる。


言葉使いは?

…とても丁寧で、親切で優しい。

しかし、言葉使いだけで私の恋愛感情は動かない。


私の好みとは、だいぶかけはなれている彼。でも、好きになってしまった。

今では、私に会うと、頬を少し染めて話す姿が何とも微笑ましく、かわいい。

先日控えめに、



「あの…、次のお休みに一緒にお出かけしませんか?

 ……あっ、せっかくの休日でお出かけなんてしたら疲れてしまいますよね……すみません……」



そう言ってあたふたしている彼を見ると、とても愛おしくなってしまう。

私よりも8つも年下であるからであろうか。

身長は私より16cmも高いのに、小動物のように見えてしまう。


私は、一度離婚を経験している。

もう、"恋" なんてするとは思っていなかった。

心のどこかで、独りで残りの生涯を生きていこう…と、思っていた。

この先、彼とどんな未来が待っているかなんて、まだわからない。

焦らずゆっくり、流れに身を任せていくのも悪くない…そう思えた。




(終)





読んでいただき、ありがとうございます(〃´ω`〃)

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