旅の途中
冒頭だけ読んでいただければ、後のものは物語にそこまで影響しないので飛ばしていただいても大丈夫です
俺たちは遺書を渡すためにカイト達の故郷の村に向かっていた
何でもハティ以外のメンバー4人は同じ村の出身らしく何よりパーティーリーダーのアルトさんが
『もしこの中の誰か死ぬとしたらそれは後衛のハティじゃなくて前衛の僕たちのほうが人数も多いし可能性が高いだろ?だからここの宿屋に俺たちの遺書を預けておこう』
と言ったそうでふるさと、シトズというところの宿屋に預けてあるそうだ
この子たち覚悟決まりすぎていないか?カイトなんか幼馴染が死んでいる、仲間の一人が死んで逃げ出した俺とは違って二人は強いんだなと思いながら道を歩く
「はぁ、はぁ、今日はここで休みませんか?川もあってちょうど良いですし」
「わかった」
疲れた様子のハティそう短く返しカイトと一緒に野宿の準備をするテントを立て終えたら次は食事の準備だ
幸い近くに川があるのでそこの魚を取ってご飯にしようと思う、保存食も一応あるにはあるのだが新鮮な魚の方が良いだろうと言う判断である
役割分担をしカイトは薪集め、ハティは魔法を使って火起こし、そして俺が食料集めだ
早速俺は川へと向かった
岸の方から川の中を見つめ10匹の魚の群れを見つけた
俺は一気に近づくと川の水と魚を横から叩くようにして岸へとぶっ飛ばす
この方法はかつての仲間から教えてもらったものだ
魚を一、二匹取っていちいち岸に戻るなんてめんどくさいだろと言われ教えてもらったのだが少し楽しくなってしまって10分で30匹も取ってしまいもう一人の仲間から
『こんな量、どうやって食べるのよ!』
と怒られてしまった、結局は燻製にしたのだが5日間も魚の燻製を食べつける事になった
そんな苦い経験を思い出していると漁する姿を見ていたらしいハティを見つけ
「今日の夕食の分と、明日の朝食の分はこれで足りそうか?」
と尋ねると
「....は、はい、大丈夫だと思います」
そう返ってきたので、もう少しやりたかったなぁなんて思いながら今日の漁を終わりにする
「熊が魚をとるみたいだった」
そんなハティのつぶやきは川の音にかき消され誰の耳にも入ることがなかった
見返したときに全体的に暗めだったので急遽日常回みたいなのを入れてみました