星明り達の目覚め
見られた回数などを作者が見れるという機能を知り、見てくれている人がいるということを知り急いで投稿しています。
「どうだい、僕たちのパーティーに入るつもりはないかい?ほんの一週間の付き合いだけど、もう君は僕たちのパーティーになくてはならない存在なっているんだ」
「ほんとにいいんですか?助けていただいた上にパーティーにも入れてもらえるなんて...」
「よし、それじゃあ決まりだ。他のみんなも異論はないよな?」
「もちろん、私の他に女の子が来てくれて嬉しいわ」
「これでもっとにぎやかで楽しい冒険になるな」
「騒がしいの間違いだろ」
リーダーのアルトが尋ねると三者三様の言葉が帰ってきた
「じゃあみんなの同意も取れたということで、これからよろしくねハティ!それと僕たちのパーティーに入るときの通過儀礼って言ったら大げさだけどやってほしいことがあって」
「な、なんですか危ないことならできませんよ」
「違う違うそんなことじゃないよ、ただもし自分が死んでしまったときのことを考えて遺書を書いてほしいんだ」
「遺書を?なんで?」
「もちろんその遺書を使うことがない方がいいんだけど、そのほうが............
その言葉の先を聞く前に目を覚ましてしまった
随分と懐かしい夢を見た、これは私がこのパーティーに入るとき歓迎会もこめて酒場に行った時の話だ、どうしてこんな夢を見たのだろうそう思いながらハティは欠伸をする
というかここはどこなんだろう?見知らぬ天井に見知らぬ部屋どうやら私はソファーの上で寝ていたらしいそれに魔力切れと傷のせいで体中あちこちが痛む、そういえば私達は昨晩ナイトウルフの群れと戦っていたはずだでもどうしてこんなところに?なぜだか分からないが思い出せない
そんな見知らぬ空間に唯一見知っている人物がいた、パーティーメンバーのカイトだ
足は包帯でぐるぐる巻きにされており、そこら中に傷を手当した後が見える
杖もついておりおそらくは骨折したのだろう
「おはようハティ」
「カイト、どうしたのその傷?ここはどこ?他のみんなは?何があったの?」
「.....僕にもわからないんだ、目覚めたらこんな状況で家主の男の人がいて何があったのか聞いたんだが君が起きてから話すっていっていたんだけど.....」
ガチャ、とタイミングよくドアが開かれ恐らくここの家主で私達を治療してくれただろう男の人が現れた
「二人共目覚めたか.....寝起き早々で悪いが事情を説明したいから付いてきてくれないか?特に君骨折していて歩きにくいだろうがすまない、大事な話なんだ」
「「わかりました」」
言われるがまま男の人について行き外に出た
「っえ?」
「どう....して」
外に出て私達が最初に見たのはきれいに横に並べられたパーティーメンバーである、テーナ、リバトン、そしてリーダーであるアルトの死体だった、その後目に入ってきたの30を超えるであろうナイトウルフの死体で埋め尽くされ地獄のようでもあり美しくもある赤色に染まった平原だった
あまりにも衝撃的すぎて声を出そうにもかすれて出すことができず体は冷たくなり、音も臭いも何もかも消え去りそれでいて何故か冷静であり得ない速度で脳が回転しこれは夢、現実じゃないなど自分を守るような考えが永遠と流れている。
だが思い出してしまった、私達はナイトウルフの群れに襲われ負けて死にそうになったところをこの男の人に助けてもらったということを
眼の前で傷ついたアルトを助けようとしてなれない回復魔法をかけていたことを
「すまない、俺がもっと早く助けに入っていればこのメイスの男は助かったかもしれない、すまない俺のせいだ俺の足がすくんでさえいなければ、すまない....」
「......お前か?お前だお前が助けなかったからアルトが死んだんだ、お前のせいだ!」
カイトがそう言って男の人を責め立てている、カイトも本当はこの男の人が悪いなんて思っていないはずなのに、でも私もカイトみたいに責め立てたら楽かな?でもそんなことをしても何も変わらない、でもそれならばこの行き場のない憤りはどうしたらいいの?でも..でも...でも......
気づいたら私はカイトの袖を握って泣いていた、そんな私を見たカイトも怒りで塗りつぶしていた感情が私が泣いているのを見たせいで溢れ出たのか泣きくずれてしまった
そんなわたしたちを見て男の人は唇を噛み、力を込めすぎた握りこぶしからは血が出ていた
「大変お見苦しいところをお見せしました」
「僕も取り乱してしまって、本来恩人であるはずのあなたに何なことを口走ってしまい本当にすいませんでした」
15分ほど泣いて私達は冷静になり男の人に謝っていた
「.......俺がもっと早く助けに入れば助けられたことは事実で、俺が同じ立場なら同じことをしている、あなた達の仲間を助けられなくて本当に申し訳ない」
そういった男の人はひどく私達の気持ちに共感しているようで、少なからずこの男の人が同じような辛いことにであってきたことがうかがえる
気持ちの整理をつけるために私達は仲間の死体を埋めることにした、二人で掘っていたら時間がかかると男の人も手伝ってくれたため、日が真上になる前には全て埋め祈りを捧げることにした
「「あなた達が導かれた星に幸福が訪れますように、星を統べる慈愛に満ち溢れた月が終わりを照らさんことを願って」」
祈り終えた後、冷静になりふと考える仲間を失いリーダーまでも失った私達はどこへ行けばいいのだろう
街に戻りまたすぐに仲間を探さなければならないのだろうか、でもそんなにすぐに切り替えられるほど私は強くなかった。