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1 失意の男

自己満小説なので好きなときに書き好きなときに投稿します



「「「お前は英雄にしかなれない」」」


「...っ、またこの夢か」


2年ほど前からよくこの夢を見るようになった

この言葉が俺の頭から離れない

この言葉をいった者たちは種族も地位もバラバラだが共通点がある

俺の敵として立ちはだかったということである


「もう今日で二年になるのか」


二年前のある日とある事情で俺は逃げた自分を知っている人、街、かつての仲間からも

それ以降誰も来ない辺境に住み自殺する勇気も出ないまま死ぬために生きている

こんな卑屈なままいたらだめだとわかっているが、かといって踏み出す勇気も出ない

右も左もわからない暗夜の中にいながらも”もしかしたら、明日なにか変わるかもしれない”というか細い星あかりのような希望を願がっている自分にますます嫌気が差す。

そんな自分に言い聞かせるようにされども嘲笑しながら呟く


「お前はすべてを置いて逃げたんだ、誰も助けになんか来ない」


そうだこれは戒めだ、迷い仲間を死なせてしまった自分への

そう思い、また無為な一日を過ごすために寝なければと毛布を被ったとき不意に遠吠えが聞こえた

魔獣同士の争いとも思ったが金属質のものがぶつかり合う甲高い音が聞こえるためどうも違うようだ


「戦闘音?」


こんなところに人が来るなんて珍しいと思い好奇心に駆られ癖でいつも持ち歩いている剣を持ち外に出た

すると家から出て少し先の草原で冒険者達が戦っているのが見えた

5人パーティーのようでうち二人は倒れていて血が流れすぎている恐らくもう死んでしまったのだろう、残っている3人も満身創痍だ

一人は魔法職の少女で防壁を前衛の二人に敵の攻撃のタイミングに合わせて発動し守っている

前衛の二人は片手剣使いとメイスを使っている男二人組だ、しかしもはや攻撃ができておらず防御しかしていない

対する敵はナイトウルフと呼ばれるオオカミ系の魔獣で群れで行動し気高く決してあきらめない不屈の精神ためたとえ一人になったとしても襲いかかってくる、この厄介とも言うべき性質のせいか南区の新人冒険者の死因の原因の48,2%はこの魔獣が占めている


......このままだと負けるな


正義感に駆られ助けようと思い、足を踏み出そうとしたとき


”なんで私の大切な人を助けてくれなかったの......”


昔言われた言葉が心をえぐった

無責任な言葉だと思うかもしれないがが理不尽なまま大切な人を奪われた女性の顔を思い出すと否定することもできなかった

見たところこのパーティーは俺が来るまでに二人死んでしまっている

ここで助ければまた同じようなことを言われるのではないのだろうか、また同じことを繰り返すのか、そう思うと助けに行こうとする足がすくんで動けなくなる

刹那、ナイトウルフが仲間の死体を投げ、2体が一気に距離を詰めた

一体のナイトウルフは魔法使いが杖で殴り退かせるがもう一体は仲間を投げられたことに動揺して足が止まってしまったメイス使いに五本指で何かを掴むような形で爪を合わせ右前足で心臓のあたりを突いた

慌てて魔法使いの少女と片手剣使いが駆け寄るが胸のあたりから滝のように血が流れ痙攣している、心臓は免れたが血管をやられてしまったようである


"自分が助けに行かないから死なせてしまった"


そう思った瞬間、自分の中から音や温度、疲労、直前まで感じていた脱力感、眠気そのすべてが消えた、代わりにあるのは体が内側から冷えていくような感覚と焦り、自分に対する怒りだ

それでいて視界はクリアで、懸命になれない魔法で治療を施す魔法使いと泣きそうな顔で恐怖を押し殺して剣を構える男、一人ずつ弱らしていくつもりなのか余裕そうな表情で二人を見下すナイトウルフのリーダー仲間の士気をあげるためかそれとも勝ち誇ったのか遠吠えをした、それに連動して他のナイトウルフも一斉に吠えた

それらを見た瞬間、過去の記憶が蘇る




自分の周りには鎧を着た男たち、ずっと興奮状態なのか目が見開かれ焦点が定まっていない

その男たちが持っている剣には血がついている

俺はその男たちを睨みつけながら殺された仲間の遺体を抱く、そして一際鎧が豪華な男が口を開く

「■■■■■■討ち取ったりー」

「オォォーーー」

共鳴するように周りの騎士たちが雄叫びを上げた





気づいたときには剣に血が、周りにはナイトウルフの死体が転がっていた

かろうじてリーダーと思われる個体は生きていたが全身血だらけで左前脚がなくなっている

最後の一体になっても襲いかかってくるという性質通り勇敢にもこちらに飛びかかって来るが左前脚を失っているため動きは遅く、剣を横に薙ぐだけで倒せてしまった

視線を感じて後ろを見ると生き残った二人の冒険者が朦朧とした目でこちらを見てくる


「....たす、けてくださりありが.....」


魔法使いの少女が礼を述べようと口を開くが疲れと助かったことによる安堵からか言い終わる前に眠ってしまった

すると朝日が顔を出す、どうやら一つの群れを壊滅させるために夜通し戦っていたようだ

横に転がっているメイス使いの男の死体を見ると罪悪感に苛まれる

その目はなんで助けてくれなかったんだとこちらを攻めているようにも感じる

被害妄想だとわかっているが俺が助けなかったせいで死んでしまったことは事実だ

目覚めた二人から何を言われるか、それを想像するだけで動けなくなる

このままここに放っておいて逃げようかそんな考えが頭をよぎる

しかしふたりとも怪我をしていてここで寝かせておくのは良心が痛む

.....仕方ないか

長く迷った末に俺は二人の怪我の応急手当をするために担いで家へと向かった


ーーーこの二人の冒険者との出会いが無意識のうちに願ってしまっていたか細い星明りだということを失意の男はまだ知らない


行き当たりばったりで書いているので途中途中変更するかもしれません


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