プロローグ
初投稿です。
この本はある英雄の後日譚だ
とはいってもまずはその英雄の活躍を知ってもらわないと話にならない、というわけでまずは多くの詩や伝承で語り継がれている内容からおさらいという形で書いていこうと思う。
英雄が少年だった頃、故郷はかつての魔王に焼かれ地図から消えた、家族を失い一人生き残った少年は絶望する。そんな少年を励ましたのは同じように他の村から避難場所に来ていたヨシフ=ヒースだった。この二人の少年は魔王を討伐することを誓った、これが今も多く語りつがれている英雄譚の序章である。
少年達は青年になり誓いのとおりに冒険に出る、途中王都でエルフの里を追い出されてきたエルフの女魔法使いと出会う、王都で様々ないざこざを解決したこの3人は意気投合しともに北の大陸へと旅立っていった。
途中雪のように火山灰や石が飛び交う死の村や300年間誰も立ち入ることのできなかった東の島国、ものが空に落ちる街など様々な場所に訪れた、このように訪れた場所に共通点など全くと言っていいほどなく人類がいない荒廃した所も多いがこの町や村には必ず3人が訪れたことを伝える石碑や像が残っている。
もしこのあたりの詳しい話を知りたいのであれば「英雄達の軌跡」という本を見るといいだろう
だが本にすると全32巻ともなる長い長い旅なので何を一章や二章としどの程度ここを話すかは土地や吟遊詩人によって変わっている
だが一章や二章は違えども終幕はどれも同じで、大まかな内容は3人は無事に魔王を打ち倒し、人と魔人が手を取り合い平和な今の世界が誕生した。というものである
そして後日譚で語られる内容も様々で、邪龍との対決や騎士長リターが起こしたクーデターをしずめた話など色々あると思うが終わりは一緒で
『こうして魔王を打ち倒した3人の旅は終わりを告げた、一人は死に、一人は賢者に、一人は英雄となることによって』という終わり方だ。
だが本書で言う後日譚とは一般的に語られている後日譚の2年後の話だ、英雄としてたくさんの人々に知られ、感謝されている彼だがその実彼の本名を知っているものは少ないそれは単に人々が彼を英雄と呼んでいるからにほかならない。
よって私は英雄としてではなく一人の人間ユロイ=ヘードとしての後日譚をここに書いていくことにする。
レフ=ヘルソン著 「英雄と呼ばれた男」より抜粋