カノジョ(仮)29
人類が人型兵器で戦争をするようになって半世紀。
豪州での作戦を終え、中立の立場を表明している、カネで爵位を買って貴族階級になった「俗物」ジ・ロン家が所有する巨大宇宙ステーションに入港して修理と補給を受けている宇宙巡洋艦アレックスコード。クルーも短い休暇を与えられていた。
人型兵器のエースパイロット・ナナミ君のカノジョ(のふりをしていた)腹黒ヒロイン・ミナミちゃんは、上流階級の、痴れ者たちが集まるパーティーに出かけてしまった。
その仮面の人は入れない舞踏会に、ナナミと最年少の大佐アメリア・ローゼンバーグ副長がのりこむことに・・・
ドーム球場のような天井をのぞけば地球と変わりないドーナツ型ステーション内。
今の時間は人工的に夜になっている。
(いとしの准将さま、いずこに・・・)
会場を探しまくるミナミちゃん。Gカップの胸がさらに盛られてるドレス姿で。
ダンスフロアに人だかりができていた。
「社長」
「あれは」
着飾った秘書2人を腕にぶらさげた、無精ひげがマイブームのスターム社(電動マッサージ機から宇宙戦艦まで製造販売している)の社長が、
「うちで特注で作った巡洋艦の副長さん、だ」
幼女にしか見えない12歳のアメリア大佐がフィギュアスケートのペア競技のように宙を舞っていた。
「いっしょに踊られてるかわいい少年は?」
秘書ライトさんの質問に、社長が、
「同盟軍の人型Xの操縦者『鬼、悪魔、人でなし』が彼だよ。エースパイロットは、ロリコンになる傾向があるようだ」
チークタイムになると、
「ナナミ少尉・・・」
アメリアが、
「ナナミさん、わたしが大きくなったらお嫁さんにしてくれます?」
「おっぱいが大きくなったら、ね」
(おわり)