表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

9/47

9 市場探索

「おお……」


 いつもの通り食料市場で食料を買い込んだ後、装備品や色々な道具が置いている市場へとやってきた。

 大体食料を買った後、残金がほぼなくなってしまう為ここには寄らないようにはしていたが、今回は別だ!


「色々あり過ぎて凄く迷うな……防具とか買ってた方が良いかな……?」

「イニシヤ―!」


 隣の店でノティアの声がした。

 いつの間にあんな所に!


「おお、どうした?」

「見て! このゴーグル凄いんだよ! 自分の顔が綺麗に映ってる!」

「ん……珍しいゴーグルだね」


 ノティアが持っていたのはスキーゴーグルの様な形で、レンズ部分が綺麗に反射しており覗き込む俺達の顔が湾曲しながらくっきりと映し出している。


「坊主! 凄いのはそこだけじゃないぞ? つけてみな!」


 ゴーグルを見ていた俺達に店員が話しかけてきた。


「いや、つけたら買わないといけないかもしれないよノティア……」


 俺はノティアに耳打ちしたが時すでに遅しだった……


「おおお! 凄い! ねえイニシヤもつけてみて!」

「お、おう……」


 一人がつけたらもう一緒だろう。俺も装備して見るか……。


「お……おお!? 辺りが明るく見えるぞ!? どうなってるんだ!」


 俺の知っている普通のスキーゴーグルは、サングラスの様にむしろ暗くなるというのに、このゴーグルは視界が明るくなる!

 明るい所を見ると少し明るすぎるが……。


「ちなみにここで明るさは調整できるぞ! 横のボタンを押せば見やすい明るさに自動調整されるぞ!」

「いや……これめちゃくちゃ便利じゃねーか……すげえ欲しいけど高いんだろ……?」

「一つ500万Gだ! それでもかなり安いんだ。必要な素材がたまたま安く手に入ってね……来月あたりから値上がりするそうだが……」

「てことはおっちゃんが作ってるのか?」

「いや、この主要部分……ゴーグルの部分は作れねえ。これは冒険者から買い取ったもんだ」

「なるほど……」


 500万Gか……機能を考えれば結構妥当な気もするが……

 というかノティアが欲しそうに眼を輝かしてるんだよな……


「なぁおっちゃん! 二つ買うから二つで600万Gにしてくれよ!」

「ほう。商売上手だなぼうず! だがそれは無理だ。精々800万Gってとこだな」

「じゃぁ間を取って700万でたのむよ! それなら買う!」

「うーん……しょうがねえなぼうず! それで売ってやるよ!」

「有難うおっちゃん!」


「わーい! 有難うイニシヤ!」


 そうして俺達はそのゴーグルを2つ購入する事になった。

 俺達が潜るダンジョンは下に行けば行くほど視界が真っ暗になる。松明片手に戦うのは結構厳しいと思っていたので、こいつがあればかなり楽になるだろう。


「んじゃあ帰るか……ん?」


 帰る間際、俺はジャンク品コーナーに置いてある一本の筒がふと気になった。


「この棒は一体……」


「ん? なんだその棒は……」

「え、この特価品の所に入ってたよ?」

「うーむ……見たこともねえな誰かがそこに捨てていきやがったんだろう」


 店員はルーペで見たり軽く叩いてみたりしているが、何かが起こるような気配はない。

 だが、何となく俺はこの棒に特別感を抱いていた。


「その棒要らないなら俺に頂戴!」

「ああ? 構わんよ! 高い買い物してくれたおまけだ! 何にも使えそうにないけどな!」

「有難うおっちゃん! また来るね!」


 そういって俺達は店を後にした。この棒……一見ただの鉄の棒に見えるが異様に軽い。何となく不思議な感じがしてならないんだ。


「ノティア……そのゴーグルをつけてると誰だか分からないね……」

「えへへー。これ、本当に軽いし最高だね! イニシヤも一緒につけようよ! お揃いだよ!」


 ノティアはそういって無理やり俺にゴーグルをつけてきた。

 今は明るいから装備する必要はないんだけどな……


「にしても少し買いすぎたかな食料……ちょっと休憩しようぜ!」


 そういって俺達は近くの噴水の場ところで腰を下ろすことにした。


「ふうー」


 改めて見ると、この街は結構発展してるよな……家の作りはレンガの様な石がベースで、俺達の村の様に木でできた小屋は基本的にない。

 家も綺麗に並んでいて……なんていうかイタリアチックな街並みだ!


 そんな事を考えながら俺はさっき貰った筒をいじっていた。


――シュゥゥゥ


 む、突然筒が光りだしたぞ……?

 文字も浮かび上がってきた……えっと、[個人識別番号合致、システム作動します]……?


 すると、突然筒はステータス画面のようなパネルを吐き出し、そこには取り扱い説明書というテキストがあった。

 早速それをタップし、説明書を読んでみた。


・・・

・・


「イニシヤ? さっきから何見てるの?」

「すげえ便利だこれ!」

「え?」


 この筒の名前はデバイスシリンダーと言う機械だった。

 これには次元倉庫と言う機能があり、このデバイスシリンダー(通称デバシー)からタブレットを引き出し、その上にアイテムを置き名称登録することで収納ができる。量は結構入るみたいで、原理とすれば収納した物をエネルギーに変換して粒子レベルで保管するやらなんやらするらしい。


 早速俺は背負った大量の食糧をこのデバシーに収納して見る事にした。


・・・

・・

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ