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42 聖地

――3日後


「はっ……はっ……」


 イニシヤは目標に向かって、ひたすら森を駆けていた。


 最初の洞窟からかれこれ3日経ち、その間6回程雨に打たれ雨宿りを強いられた。


「もうすぐ着くはずなんだが……」


 イニシヤがそう呟いた時、気がつけば森から抜け出していた。


「森から抜け出した……と思ったけどこの場所だけ綺麗な正円でくり抜かれている感じなだけか……」


 イニシヤの言った通り、ここはあくまでも森の中だった。

 この抜け出した場所だけ、綺麗に木が無く、地面も石畳になっている。

 中央には泉があり、その水は清く澄んでいる。


「……なんだろう。この場所だけ空気がまるで違う」


 ここは聖地に間違いない。そう思わせられる程の雰囲気を醸し出していた。


「……この泉の中で極地・開放をすればいいんだな……」


 極地開放を泉の中で行う。この行為は正解なのではあるが、誰かに教えられたわけでは無い。

 1000レベルに達した者にだけが感じ取れる、何かが……正解へと導いていたのだ。


――チャプ……


「冷た!」


 水位は膝下程でそこまで深くは無い。

 イニシヤは中心へと移動し、ゆっくりと腰を下ろし、座禅を組んだ。


「ふぅ……さぁどうなるやら……」


 イニシヤは一息ついた後、覚悟を決めてスキルと発動した。


――極地・解放!!


・・・

・・


「意識はハッキリしている。またこの場所か……でも……」


 前回は薄暗い真っ暗な沼だったのに対し、今は清く澄んだ泉が足元にある。

 身体も拘束されていない。


「……あれは俺が前に倒した奴の残骸……」


 泉の渕に、真っ黒の水晶玉が転がっていた。

 以前見た時よりも瘴気が溢れており、禍々しさが増している。


「……」


 イニシヤはそれを拾い、泉に放り込んだ。


――シュゥゥゥ……


「あれ……なんかやばい雰囲気……?」


 水晶玉からどす黒い何かが滲み出ている。それは、透き通っていた泉の水を黒く染めていった。


――チャプン……


「これは……」


 泉の水で浄化された水晶玉はゆっくりと泉から浮き上がった。

 先程と同じ水晶玉とは思えない程に、真っ白に光り輝き神々しい物となった、


「ありがとう……何千年もの時を越えて……この時を待っていました」

「え……水晶玉から声が聞こえてるよな……?」

「その通りです。こちらへ来てください」


 そう言われ、イニシヤは水晶玉の方へと近づいて行った。


「貴方は……?」

「私は、1000レベルに達した者を引き上げる為の存在……よくぞここまで辿りつきましたね」

「まさか水晶玉が上限を解放してくれるとはな。さっきのは試験みたいな物か」

「それは違います。私は上限解放を行うだけの存在。スキルを唱えた時点で上限解放の条件は揃っているのです」

「いや……だって。死に掛けたぞ? 極地・開放をした後にさ。てかあんなの大半の奴が死ぬだろ……そう思えるほどの試練だったよ」

「……」


 水晶玉はしばらく沈黙した。


「……分かりました。貴方は我々を救ってくれた……全てを話しましょう」

「救った……?」

「ええ、我々は人類の進化を手助けする存在です。しかし、呪いによってそれは困難になっておりました」


 水晶玉はそのまま語り始めた……。

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