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41 レアモンスター

 イニシヤは洞窟の奥へと進んでいく……。

 相変わらず一切魔物の気配は無いが、それはさっきもだった。


 気配がないまま、突然うめき声を上げた魔物……すぐに出現するとは考えにくい。


――コト……


「さぁ、美味そうなパンとスープだぞ……来い……!」


 イニシヤは先ほど魔物が現れた時の状況を考えた。

 そして、パンとスープの匂いにつられたのだと考えたのだ。


・・・


「来ない」


 数十分待ったが、一向に魔物の気配はしない。

 金属音ももちろん聞こえず、洞窟の奥へと吸い込まれていく風の音だけが響き渡る。


「場所を変えてみるか」


 イニシヤは更に奥へと入って行き、パンとスープの設置を試みた。

 だが、一向に現れる気配無い。


「冬季な事もあってか、寒いなこの洞窟……魔物も現れないし、今日は諦めて、ここで一泊しよう……」


 今日の所は諦め、イニシヤはその場で野営の準備を行った。


――パチパチ……


「しかし、良く燃える木だ」


 イニシヤはさっきと同様火を起こし薪をくべた。

 燃やしている薪は外に大量に生えていた黒い木だ。

 

「雨が降る前にしっかりと伐採しておいて良かった」


 そうして、一息つこうと寝転がったその時……。


――キンッ! ガチャン!


「――ッ!」


 イニシヤはすぐさま起き上がり、金属音を立てながら上から降ってきた魔物を避けた。


「なんだ今……壁から浮き出すように現れた……? 視認できるその瞬間まで気配もなく……」


「グルルルル」

「いつの間にこんなに……!」


 気がつけば、大量のシャドウアメジストウルフがイニシヤの周囲を囲むように、現れていた。


「もしかして、この焚火が嫌なのか……!」

「グォォォ!!」

「考察してる場合じゃないな!」


 イニシヤは飛び掛かってくるウルフを避けながら、ワイドクイックジャッジメントの構えを取った。


「これを全部倒せば……!」


――ワイドクイックジャッジメント!!


――チュドン……


 イニシヤはウルフをうまく誘導し、全員を枠内に入れスキルを発動させた。


 その瞬間、洞窟は光柱により、とてつもない光に包まれ、目が開けられない程になった。


――シュゥゥ……


――――

レベルアップ

イニシヤ

880 → 1000

――――


「経験値うめえええ!」


 一体倒すだけで、大量の経験値……それが複数体となれば一気にレベルが上がるのは必然だった。


「これ、ノティアやステイシー達とも来たいな。めちゃくちゃ美味しい狩場だ」


 この大量の経験値を持つ魔物のおかげで、イニシヤは一瞬にしてレベルを上限まで引き上げる事が出来た。


「レベル問題は解決した。明日からはダッシュで目的地まで行こう」


 そうしてイニシヤは再び横になり休憩した。

 だがその際、寒いのを我慢し、焚火は消す事にした。


・・・

・・

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