31 翌朝
――翌朝
「ん……あれ、俺は……」
目が覚めると辺りは明るかった。
どうやら寝てしまっていたみたいだが……。
「いっ……頭痛がひどいな……てかステータスはどうなっているんだ……」
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名前:イニシヤlv1
クラス:クイックキャスター
ステータス平均:60
転生特別効果
・経験値10000倍
スキル
クイックボール(ファイヤ・アイス・ウインド)
特殊スペル
・クイックサーチ(相手のステータスを参照できる)
・カウントジャッジメント(自身と相手のINTを参照する。INTの差分、低い方がダメージを受ける)
→手で円を作り、その円に15秒間収めることで発動する
――――
「変わらず……か」
経験値の倍効果……10000倍から増えないな。
これもここが上限何だろうか……。
「あ、イニシヤおはよう」
「ああ、ノティア、おはよう! それにステイシーも……」
「朝食の準備が出来ましたわ」
「有難う……」
そのまま食卓につき、朝食をとりはじめた。
「……なぁ、俺、昨日の記憶がハッキリしてなくてさ……どうなってた……?」
極地・解放……人間性が欠落するとはどういう事だったのだろうか。
とりあえず今は綺麗さっぱりリセットされており、欠落しているとは……感じていない。
「えっと……」
ノティアとステイシーは顔を見合わせた。
「……?」
「イニシヤ、あのスキルを使った後、全身から黒い瘴気が出てた……」
「まじか……!」
「遠目で見るとその姿はまるで、人型の魔物……だったけど、姿は変わってなかったよ。髪の色がより深い黒色にはなっていたかなっ」
「成程……人間性の欠落ってのは姿の事かしかし、記憶が無いのも怖いな……コントロールできなければ使えない……」
「イニシヤ、本当に全然記憶が無いの?」
「ああ、申し訳ない。記憶は無いが……なんていうんだろう。感情というか感覚? だけは残っている」
「感覚?」
「そうだな……こんな事を言うのも変だけど、なんか……満たされる感覚と、惜しい! って気持ち? すまん! ごちゃごちゃだな」
「ふーん……」
「姿が変わるほかに何かしてた? 俺……物を壊したりとか……殺そうとしたりしてないよな!?」
すると、ステイシーは俯き顔を真っ赤にしていた。
「いや、特には何もしてないかな? きっと時間が短かったからだよ。 徐々に時間を延ばして試してみようねっ!」
「そう……だな!」
そんな会話をしながら俺達は朝食を済ませた……。
・・・
・・
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「さて……今後の予定なんだけど……」
俺達は今後の流れを会議した。
当分はこの3人のレベル上げに注力する形となるだろうけど……。
「ミーナさん? ちゃんと聞いてますか?」
ミーナは机に顔を伏せて何か言っている。
「レベルを抜かされたら、もう先輩風を吹かせられないですよ! ブラッドゾーンの経験値を根こそぎ手に入れるなんてずるいですよ!」
「ふふん。ミーナ、今度からわたくしの事を先輩と呼んでもいいですわよ?」
「うわーん!」
「うわーんて……こら、ステイシー! 先輩とか後輩はレベルなんて関係ないよ。もしそうなら俺は二人を月初は先輩、月中ほどで後輩ってよばにゃならんぞ」
「泣かないでミーナ! ぼくにとってミーナはずっと変わらない存在だよっ!」
「うう、ノティアちゃん……!」
「いやでもそれって……」
「うん! お菓子くれる人!」
「ですよねー」
「とにかく! 話を戻すよ。今後の事を一緒に考えてくれ」
そうして俺達の作戦会議は午前中から昼にかけて行われた。
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