26 その後の予定
――最上級ダンジョン 最下層
「上機嫌ダナ。ダーロス」
「ワカリマスカ? やっと大きな力の所在を特定デキマシテネ……案の定、素晴らしいモノデシタ」
「ならばすぐにトリニイクノカ?」
「急ぐ必要はありません。素晴らしいと言えどヒトが使う分には何の脅威にもナラナイデショウ」
「ソウカ……」
「デスガ、念のため中層辺りを守衛してもらえマセンカ?」
「ホウ……?」
「ワタシがここの最下層に居る事は既にキヅカレテイルデショウ。中層辺りで勝手にシナレテワコマル……もしその辺りに来た場合、捕らえてクダサイ」
「ワカッタ」
・・・
・・
・
「ん……」
目が覚めると、いつのも俺の家の天井が見えた。
「イニシヤ!!」
ノティアが飛び付いてきた。
「ここまで俺はどうやって……」
意識がまだはっきりとしない。
だが、自分でここに来た記憶はない……。
「ミーナが運んでくれましたわ」
「ミ、ミーナ……」
ベッドの横にはミーナ、ノティア、ステイシーが居る。
「昨日ブラッドゾーンが出現していた場所で、貴方を発見しました……応急処置をした後、ここへ運びました!」
「そうだったんだな……ありがとう」
てことは顔とか全部見られてるんだな……。
「本当は騎士団の医療施設に運びたかったんですが……あまり人目に触れたくなかったですよね……?」
ミーナには色々と勘付いていそうだ……自分から聞こうとしないけど、気になっている様子は見て取れる。
「そうだね。本当に助かったよ。おかげで今はライフが全快してるよ!」
「イニシヤ! 帰ったら教えるって言ってた事、聞いてもいいかしら?」
「……分かった。ミーナもよかったら一緒に聞いてくれ。俺の事を……」
「ええ、もちろんです!」
そうして俺は自分の特殊スペルや経験値が10000倍になっている事……代わりにレベル1に戻る事……細かく二人に説明した。
・・・
「ちょっと待ってください……理解が追い付きません……」
「はわわわ……」
二人とも混乱しているようだ。無理もない。あまりにも異常な効果と代償だろうしな。
「しかし、あの光の柱はやはり貴方だったのですね。改めてお礼を言わせてください! 本当に有難うございました……!」
「いや、いいって!」
「しかし、多様は禁物ですね……特にワイドはとんでもない敵が潜んでいる時返ってくる量が危険すぎます……」
「理解が早いな……俺もあの時、まさかそんな事になるなんて……」
そう言った瞬間、あの時の状況が脳裏によみがえった。
「う……」
「大丈夫!? イニシヤ!」
「ああ、ごめん、ちょっと倒れる前の事を思い出してね……」
「お水持って来るよ!」
・・・
「ぷはぁ……ありがとう」
「落ち着いた?」
「ああ、俺の事は今話したけど、本当に聞いてほしいのはここからだ……」
俺はもう一度水をぐっと飲み、改めて話始めた。
「何故スペルが返ってきたか……理由はあの時あの場所にとんでもない魔物が紛れていたんだ……」
「とんでもない魔物……!」
「クイックサーチで見たのだが……名前は[闇の道化ダーロス]……俺達の村を壊した張本人だ。分身ではなく本体だった」
「僕の……仇……!」
「そいつのレベルもみたんだが……1200だった」
「1200……?!」
「この世界はいつでも滅ぼせると言っていたよ。俺はそれは虚言でも何でもないと思う……現に世界1位のレベルより遥かに高い……」
「そんな……」
全員が青ざめた顔をしていた。
1200という途方もないレベル……奴一人で全人類を消す事も出来るだろう。
「だが……そんな事はさせない」
「イニシヤ……」
「レベル1200……俺はそれに届く可能性はあると思っている。1カ月間、最高効率で魔物を狩れれば……」
俺は3人に頭を下げた。
「その為には月初の時点でなるべくレベルの高い仲間が欲しい! 最初から高レベル帯で狩りが出来ればその分早く成長できる! どうかその手伝いをしてほしい」
3人は顔を見合わせすぐに答えた。
「当たり前じゃない。そうと決まれば今月から頑張るわよ!」
「私ももちろんお手伝いします! 世界が滅びる可能性があるのに放ってはおけません!」
「イニシヤ、そいつは僕たちの仇だよ? 一緒に殺そうねっ!」
「皆……! 有難う! とにかくまずは3人のレベルを上げて行こう。もう隠す必要はない。全力で俺のスペルを活用する」
「おー!」
そうして俺達4人パーティーはここから本気でレベル上げに専念する事になった。




