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15/47

15 仇

――――

名前:シャドウウォーカーlv100


ステータス平均:90


スキル

・シャドウソード

瘴気の漂う剣で斬りかかる。

――――


「シャドウウォーカーですよ……! 2体もですか。確か、レベルは100前後ですね」

「ぼくが構えるよ!」

「よし、こっちへ来る前に一発魔法を入れる!」


 イニシヤはそう言って、人差し指と親指で円を作り、その円を風船を膨らますように吹いた。

 すると、すぐに火の玉が掌に生成された。


「撃つぞ!」


――クイックファイヤボール!


 真っ直ぐに放たれた魔法はシャドウウォーカーに着弾し、一発で消滅させる事ができた。


「え……?」


 一瞬で死んだ敵をみて、ミーナは目が丸くなっていた。


(しまった……そりゃ即死するよな。400もレベルに差があるし……)


「ウォーカーを一撃で……なんという火力ですか……! 火の魔法、ファイヤボールに見えましたが、魔方陣を描かずに撃ってましたよね……?」


「今のがクイックキャスターの技なんだ。指で丸を作ってそこに魔力を溜めて発動するんだよ」

「魔方陣を書かなくていい上に威力も高い……素晴らしいクラスですねクイックキャスター! 羨ましいですよ……!」

「あはは。ありがとう! でも今のはたまたま致命打を与えられただけ……次は一撃で倒せないかも。あと次撃つのに少しクールタイムが必要だから……」

「もう一匹は頼んだって事ですね! 任せてください!」


(とりあえずミーナの戦闘センスも見ておきたいから俺はお休みだ)


「ミーナさん少し待って!」


(ノティア)――ディフェンスオーラ!

自身と自身の近くに居る仲間に対して、防御膜を貼る。


「これは……! 有難うございます!」


「グォォ!」


~~シャドウソード!


 ウォーカーは剣で斬りかかってきた。ノティアはそれを盾で受け切った。


「ノティアちゃんナイス!」


 ミーナはそう言ってウォーカーに飛び込んだ、


(ミーナ)――ビートスタンプ!

垂直に武器を振り下ろす。武器とその周辺の大気を大きく振動させ相手を怯ませる。


 ウォーカーは手を広げ硬直した。

 ミーナはそれを瞬時に確認し、次の技へと移行した。


「もう一回!」


(ミーナ)――ブーストスラッシュ!

手に闘気を溜め、高速で相手を斬り付ける。


――ザンッ!!


 次の技も綺麗に決まり、ウォーカーは消滅した。


「おお……鮮やか!」

「凄いよミーナさん!」

「ふふん。名前だけの隊長じゃないのです!」

「じゃぁ今日はガッツリレベル上げだ!」

「おー!」


 その調子でイニシヤ一行は1階を狩場として、どんどんと魔物を狩っていった。


・・・

・・


「ふう……今日は頑張りましたね」

「うんうん! レベルも上がったね!」

「お疲れ様。二人とも!」

「ところで、この階段を降りたら地下二階なんでしょうか?」

「まぁ降りて行く階段だし、そうじゃないかな?」

「なるほど……ではいずれこの下へも行きましょう!」

「そうだな! もう少しレベルを上げたらいけるだろうし!」


――カンッ……カンッ……


「階段から音がしますね……」


(何かが登ってくる……階層を行き来する魔物なんて居るのか……?)


 階段は曲がりくねっている為、そいつの姿は見えない。だがイニシヤ達はその階段の先から目を離す事ができなかった。


――ガシャ……


 階段の壁部分に手が掛けられた。


――ゾクッ


 その手は木の枝の様に細い。


「ミーナ! ノティア! 下がれ!!!」

「え?」


 イニシヤは声を荒げた。


「オヤ……こんな所にヒトガいるトハ」


「闇の道化……! 何故こんな所に!!」


 イニシヤは迷いなくクイックジャッジメントの構えを取った。

 光の柱を使った正体がバレるなど考える余裕は無かったのだ。


(今度は一撃で倒れてくれよ……!)


「ナンデスカ? おまじないか何かデスカ?」


(イニシヤ)――クイックジャッジメント!!


(発動まで3秒! 余裕で間に――)


――チュドン!!!


「イニシヤ!!!」

「かはッ……そんな……ッ!」

(俺の方がINT値が低いのか……ッ!?)


 技発動後、光の柱が出現した。

 だが、光の柱のダメージを受けたのはイニシヤの方だった……。


「オヤオヤ。自爆デスカ。何がしたかったのヤラ」

「お前は……!!」


 ノティアは恐ろしい表情で闇の道化を見つめていた。


(イニシヤ)――クイックサーチ!



――――

名前:闇の道化(分身)lv600

ステータス平均:600

スキル

・シャドウスパイク

瘴気の槍を身体のどこからでも出現させる。

――――


(600……!)


「ミーナ! ノティア! 逃げるぞ! こいつには絶対に勝てない!」

「よくもお母さん達を……!」

「ノティアちゃん! 聞こえましたか! 逃げますよ!!」

「よくも……!」


(駄目だ……完全にキレてしまってる……! くそ、どうすれば……!)

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