1 また最初から。
「……」
静寂な夜、空気は非常に澄んでおり、無数の星が見える。
(やっぱり最後の日はこの丘に限るな……)
黒い髪、瞳の少年は無表情でただ空を見上げる……
――スッ
少年は自身の右腕に軽く触れると、空中に四角いパネルが出現した。どうやらステータス画面のようだ。
――――
名前:イニシヤ(15歳)
LV:520
転生特別効果
・経験値9990倍
クラス:クイックキャスター
即時詠唱に長けた職業。
ステータス:数値(補正値)
STR:100(x90%):物理の威力
DEX:100(x300%):命中率・器用さ
VIT:100(x110%):HPの総量
INT:100(x1100%):魔法の威力
AGI:100(x990%):移動速度や攻撃速度
使用可能スペル
火 水
特殊スペル
・クイックサーチ(相手のステータスを参照できる)
・クイックジャッジメント(自身と相手のINTを参照する。INTの差分、低い方がダメージを受ける)
→手で円を作り、その円に3秒間収めることで発動する
――――
「やっぱり今日もここだったのね! イニシヤ」
「ノティアか……毎回、この瞬間はここで過ごすようにしているからな」
「ぼくもここに居ていい?」
「ああ、いいぞ」
少年と同い年ほどの紫の髪、瞳でロングヘアーのノティア。さらさらの髪からはふわっといい香りがする。
「また明日から頑張らないとね……」
「そうだな」
「なんで、イニシヤだけこんな事になっちゃったんだろうね……」
「さぁな。きっと神様の手違いか何かなんだろうな」
時刻は丁度深夜12時になった。その瞬間、イニシヤの身体が光り始めた。
「始まったな」
「イニシヤ……」
――シュウウウウ……
神々しく光り輝き、イニシヤの身体は粒子となって上空へと消えていった。
そして、少し待つとイニシヤの消えた場所に大きな光の球が現れ、その中からイニシヤがまた現れた。
「お帰りイニシヤ!」
「ああ、ただいま」
そのままイニシヤは自身のステータスを確認した。
――――
名前:イニシヤ(16歳)
LV:1
転生特別効果
・経験値10000倍
クラス:クイックキャスター
即時詠唱に長けた職業。
ステータス:数値(補正値)
STR:100(x15%)
DEX:100(x45%)
VIT:100(x30%)
INT:100(x100%)
AGI:100(x90%)
使用可能スペル
火 水
特殊スペル
・クイックサーチ(相手のステータスを参照できる)
・クイックジャッジメント(自身と相手のINTを参照する。INTの差分、低い方がダメージを受ける)
→手で円を作り、その円に15秒間収めることで発動する
――――
「どう? イニシヤ」
「安定の10倍増だね。10000倍だってさ」
「きりがいいね!」
「あはは。そうだな。まぁ、1か月後にはまた増えちゃうけどな?」
「でも! さぼり過ぎたら減っちゃうんだから気を付けるんだよ?」
「おう。それだけは避けるよ。とりあえずレベル500以上にすれば10倍以上は上がるという事は分かってる。また500まではレベル上げを頑張るとするよ」
「そういえば、ぼくもこの前レベル45になったよ!」
「おお! おめでとう! 何か技は覚えた?」
「ううん。今回は特に何も閃かなかったよ……」
「そか、まぁ44の時に閃いていたし、連続では閃かないんだろうなきっと」
「そうだよね!」
「とりあえず遅いし、帰ろうか」
「うんっ!」
丘の上で少し話した後、俺達は自分たちの住む家へと帰る事にした。