行き違う思い
場所は変わってここはモンゴルのとある軍事施設そこでは地球に残された異星人の遺産を分析し、オーバーテクノロジーを手に入れる為に今まで手に入れた、
遺産の分析を進めていた。
そこでは、こんなやり取りが行われていた。
「ガリハット大元帥正気ですか。日本から遺産反応が出たとはいえ、いきなり日本に総攻撃を仕掛けようだなんて正気の沙汰とは思えません。お考え直しを。」
それを聞くとガリハットと呼ばれた肥満気味の大男は部下である小柄な黒人のアマレット元帥を怒鳴りつけた。
「何を行っているのかね。君は。もし奴らが遺産を手にし、それを使いこなせるようになってみろ。日本はまた、あの大日本帝国時代に逆戻り、いやそれ以上の恐怖政治が始まるぞ。今度こそアジアいや、世界を征服するぞ。あの国は。そうならない為に私達は日本に先制攻撃を行うのだ。わかったかね。アマレット元帥。」
それを聞くと、アマレット元帥はガリハット大元帥の言葉に怯むことなく、こう言い放った。
「お言葉ですが、大元帥。いつの話をしておられるのです。日本はあれから変わりました。
現に一年前の人類の勝利は日本が有ってのものです。特にあの日本人の青年、彼の尊い犠牲がなければ我ら人類は侵略者に敗北していたでしょう。とにかく私は反対です。そもそもなぜ一度は地球の命運の為に共に命をかけて戦った戦友の国を滅ぼさねばならぬのです。これでは我らはあの侵略者と一緒ではないですか。」
それを聞いたガリハット大元帥の顔が真っ赤に染まった。今にも湯気でも噴き出しそうなほどおこっている。
ガリハット大元帥は威圧的な言葉でアマレット元帥の言葉を一蹴した。
「言葉を慎みたまえ、アマレット。君こそ、いつの話をしとるんだね。もう人類の脅威が去った今、日本とは仲間ではない。現実を見るんだ。アマレット、お前がそんなのでどうする。戦場ではその甘さが命とりになる。ましてや、国の命運を握るであろうプロジェクトに私情を挟むなど言語道断である。ましてや君は元帥だ。この国のことだけ考えていればいいんだ。」
そういうとガリハット大元帥はアマレット元帥を突き飛ばし、施設から出ていった。アマレット元帥は痛む体を起こして大元帥に向かって叫んだ。
「モンゴルの為なら他はどうなってもいいって言うんですか。」
ガリハット振り返りは蔑んだような目でアマレットを見るとこう言った。
「当たり前だ。それくらいの覚悟がなければ大元帥は勤まらんわ。」
そういうと、ガリハットは行ってしまった。その時、アマレットは思った侵略者の侵略は終わっていないのではないかと、侵略者の遺産とは、力に取り憑かれた人間を侵略者にしてしまう兵器なのではないかと。