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この作品には 〔残酷描写〕 が含まれています。

魔女さんの日常2

作者:亜美
こんにちは。私は『主人公さん』です。
私こと『主人公さん』のお家は村の隣にある森の先にあります。村、森、『主人公さん』のお家、です。サンドイッチです。私はサンドイッチが大好きです。

森にはたくさんの動物が住んでいます。
例えばウサギ、キツネ、イノシシ、更にはクマまで。本当にたくさんの種類がいます。
ところで私は無職さんです。
つまりお仕事をしていません。なので毎日とても退屈です。でもただ過ごしてもつまらないしダメ人間になりたくないので近くの村人のお手伝いに行きます。
とはいえ非力な私に出来るのはせいぜい子どもの遊び相手とかお掃除とか後は村人がお夕食になる獲物をその森で狩ってくる事くらいです。クマを狩ってきた時は皆さんはとてもびっくりしてましたが大げさなのです。因みにクマは美味しかったです。ぜひ、オススメします。

というわけで今日も皆さんのお役に立つため、美味しそうな獲物を狩ってこようと思います。

「おや、『魔女さん』。今日もお手伝いかい?偉いねぇ〜。まだ若いのに」

突然後ろから話し掛けられました。
私はびっくりして持っていた猟銃を落としてしまいそうになりました。ゆっくりと振り返るとそこには狩りが大好きなおじさんがいました。

「こんにちは。はい。今日は風邪で寝込んでいる奥さんの為にスタミナ料理と薬草を取ってくるよう頼まれました。旦那さんはお仕事で忙しいそうなので」

「本当に偉いねぇ。断ってもいいんだよ?わたしが若い頃は親の手伝いなんてやったことなどなくてねぇ。いつも外で遊んでいたよ。毎日ウサギを追いかけたり鳥を撃ったり…。あの頃は若かったし一日中やっていたよ」

「そうですか。でも今も充分お若いと思いますよ」

そう言うととても楽しそうに笑ってありがとう、と私にお礼を言いました。私はなぜお礼を言われたのかわかりませんでしたがどういたしまして、と答えました。

「そういえば獲物がまた減ってきたなぁ〜。もしかしたら村人じゃないのが入ってきているのかも。『魔女さん』、もし見かけたらもうここで狩りなんてしないよう注意しておいてくれないかい?」

「はい。構いませんよ」

私はにっこり笑ってそう答えました。それから少しだけ狩り好きな村人さんの息子さんのお話をした後、お互い怪我をしない事を願い別れました。
それから私は狩りを再開しました。

今日の成果はウサギ2匹でした。もちろん風邪によく効く薬草もたくさん取ってきました。
充分過ぎる成果だと思います。なので新鮮なうちに頼まれたお家まで届けに行き許可をもらって家に上がらせていただきました。そして食べれるように処理をした後、調理に取り掛かりました。

私は風邪でも食べやすいようスープにしようと思いました。
私は皆さんのお手伝いをしなくてはならないので体調には人一倍気をつけています。なので覚えている限りでは風邪などひいた事がありません。でも村のお子さんが風邪をひいてしまった際にお手伝いに向かうのでやり方はよく知っています。
私は風邪をひいた奥さんにスープと薬草を飲ませ寝かせました。そしてなるべく音を立てないように部屋を出て行きました。

その後は公園のお掃除です。
最近は子どもがあまり産まれなくて遊ぶ村人さんが少ないですが孤児院の院長さんにも頼まれた事ですし掃除はしています。やっぱり寂れた公園は嫌ですものね。

私は鼻歌を歌いながら箒で落ち葉を掃きます。季節は秋なのでたくさん、たくさん落ちてます。
秋はたくさんお手伝いができるので好きです。
冬も雪かきのお手伝いができて好きです。春も村に唯一つある学校の準備のお手伝いができるので好きです。夏も子ども達が元気に遊べるように水浴びができるように整備するお手伝いができるので好きです。
結局、私はすべての季節が好きです。


***


夜になりました。
私はお昼に会った狩り好きな村人さんにお願いされた事をしなければなりません。私は森で静かに村人さんじゃないのを待ちました。ずっと、ずっと。
だんだん目が慣れてきました。少しだけど森の様子が伺えます。闇夜の森はとても静かです。物音一つしないのです。でも微かに何かの気配がします。それはきっと動物達です。私は猟銃を持って常に周りを警戒します。

暫くすると遠くの方に火が見えました。
村人さん達は夜はぐっすり寝ています。動物さん達も火が使える者はいません。なので私は村人さんじゃないのが来たのだと思いました。
私は普通にその火に歩いて向かいます。
だんだん声が聞こえてきました。

「へへへ…。ここの森は獲物が多くて助かるぜ。しかも近くの村は平和ボケした連中ばかりだ」

「おい、油断するな。あの村は変な噂が流れているんだ。なんでも魔女が出るとか」

最初に聞こえた声は能天気そうな少年のような声。次に聞こえたのは神経質そうな低い男性の声。どうやらこの二人のようです。

「魔女〜〜??そんなのオトギバナシの存在じゃないっスか。先パイ、そんなもん信じてんスか?」

「いや、俺も信じてるわけじゃない。ただ警戒しろと言っているんだ。あの村は時々人がいなくなる。それも都合がいい時に。だから怪しいんだ」

「それがこの森に他の連中が手を出さない理由〜〜??バカバカしいっスね」

能天気そうな村人さんじゃないのは一つだけ猟銃を持ってるみたいです。神経質そうな村人さんじゃないのは猟銃一丁とサバイバルナイフを持っているようです。

「だがいなくなった村人を殺しているのがその魔女の仕業というのが噂なんだ。なんにしてもあの村には間違いなく殺人鬼がいる。お前みたいな能天気な奴はすぐに殺されるぞ」

「大丈夫っスよ〜〜。サツジンキもオトギバナシの中だけっスから!先パイは心配性っスね」

私は背中に背負った猟銃を足下に置いた。
注意するだけですから猟銃は必要ありません。腰にあるパースエイダーは護身用です。私も生物学上、女性なので不安なのです。
私は茂みを出て村人さんじゃないのの前に出ました。

「こんばんは。私は『主人公さん』です。貴方方が無断でこの森の動物を狩っている方々ですか?」

「「?!」」

突然現れた私に村人さんじゃないのはとても驚いた様子でした。でも私が女性だとわかると能天気そうな村人さんじゃないのはヘラヘラと笑い出しました。
私はその笑顔ににこりと笑って返しました。何を笑ったのかは知りませんが笑顔には笑顔で返さなければなりません。

「おい、オンナ。もしかしてあの村の住民か?随分可愛いヤツが注意しに来たんだな」

「お前は黙っていろ。…ああ。そうだ。俺達がこの森で狩りをしている者達だ。だがそれだからなんだ?狩りをして何が悪い?なぜわざわざあの村に許可を求めなければならない?それに…女、お前一人で止められるのか?」

能天気そうな村人さんじゃないのは私に意地悪そうな笑みを浮かべ神経質そうな村人さんじゃないのは油断なくそう訊いてきました。

「はい。貴方方が何をしようと私は別に構いません。許可を求める必要もありません。けれど私は一人の村人さんに貴方方を注意するようお願いされたのです。私は注意しにきただけなのですよ」

私は素直に答えました。
すべて事実なので笑ったまま、表情をまったく変えずに淡々と言いました。その様子に神経質そうな村人さんじゃないのはむっと顔を強張らせました。何か彼の気に触ったようです。

「注意か。それはご苦労な事だな!だがそれを俺達が本当に言う事を聞くとでも言うのか?!お前はもっと自分の立場を考えた方がいい」

「はい。貴方方もご苦労様です。お気遣いには感謝します。ですが私は頼まれた事は断れないので無理にでも聞いてもらうしかないのです」

そう私は神経質そうな村人さんじゃないのに告げてもう一人の、能天気そうな村人さんじゃないのにパースエイダーの銃口を向けました。そして流れるように引き金を撃って銃口からは僅かに白い煙が漏れました。能天気そうな村人さんじゃないのはバタリと倒れて動かなくなりました。

「お…お前…!」

「私は注意しにきただけです。なのでそんなに睨まないでくださいよ」

まるで仲間の仇のように神経質そうな村人さんじゃないのは私を睨みました。私は彼がなぜ、そこまで怒っているのかわからなくて首を傾げました。

でも今の私はとても幸福だと思いました。
だって村人さん達の役に立っているとこの瞬間だけは肌で、神経で、心臓で、脳で、心で、感じるのですから。私は本当に幸せ者です。

神経質そうな村人さんじゃないのは何を言っているのかわからないと言った表情で私を見つめました。私はその瞳を逸らさずにじっと見返します。

「…こ、殺してやるっ!!!!」

その晩、二発の銃声と共に二人の命は失われました。私は残った肉体をバラバラにして森のあちこちにばら撒きました。こうすればより多くの動物が肉を食べる事が出来るのです。その肉で飢えていた動物も元気になるかもしれません。頼まれてはいませんが私は動物の役にも立てたのです。

動物達の役にも立つと私はもう一つの仕事をするために隣の村まで行きました。そして翌朝にはいつも通りシャワー浴びてベットで寝てしまいました。
幸せな気持ちで寝るってどんなご褒美より勝る事はないですよね。私は彼らはもう二度とあの森で狩りをしないだろうと思いました。


***


次の日の朝。
公園にはたくさんの子どもが遊んでいました。昨日、落ち葉を掃除しておいてよかったです。また落ちてしまっていましたが昨日掃除したせいかそれほどではない気がします。寂れた公園は賑やかになりました。
私がいつものように掃除をしているとにこにこ笑った孤児院の院長さんがやって来ました。

「『魔女さん』。本当にありがとうございます。貴女のお陰です。子ども達もお友達が増えたと喜んでますよ。この公園も暫くは賑やかになると思います」

「はい。そうですね。私も頼っていただいて嬉しいです。もっとお役に立てるようたくさん頑張ります」

私は拳を握りしめて意気込みました。
そんな私を見て院長さんは目を丸くした後、笑ってから、

「そんなに意気込まなくていいんですよ。『魔女さん』は充分わたくし達の役に立っています。とても感謝してますよ。だから少しは休んでも誰も文句など言いません」

「いいえ。私は皆さんを少しでもお手伝いできればと思っていますしそれが私の何よりの幸福です。私はありがとう、の一言でなんでもできる気がするのです」

にっこり笑って私はそう答えました。
そうです。私にはそれが何よりもどんな事よりも幸せな事なのです。人はそれを至福というのです。

「そう言ってもらえると嬉しいですわ。ありがとうございます。それからこれからもよろしくお願いします」

「はい。任せてください」

そして私は今日もお手伝いを頑張るのです。
掃除に狩りに薪割りに病気の人のお世話。更には子どもの遊び相手まで。そして殺人鬼になったり誘拐犯にまでなります。すべては村人さん達のため。どんなお手伝いだってします。
だってそれは素晴らしい事だから。

「そういえば隣の村で子どもが数人消えたそうですよ。こちらの村では増えたのにね。わたくしも気をつけなければなりませんわ。ねえ、『魔女さん』」

「はい。そうですね」

私はにっこり笑ってそう答えました。
さあ、掃除を再開しましょうか。たくさん、皆さんのお手伝いをするために!




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