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にワン

 この世界には二種類の人間がいる。


 すなわち、犬を飼っている人間と飼っていない人間。

 いや、違うな。

 犬を飼うことができる人間と、飼うことができない人間。


 俺は後者だ。

 残念ながら、飼うことができない人間だ。

 なぜ後者なのか。

 答えは簡単だ。

 今のアパートがペット禁止だからだ。

 犬はおろか、鳥も小動物も飼うことが許されない。

 金魚もメダカもダメという徹底ぶりだ。

 俺の住んでるアパートの大家さんはよほど生き物が嫌いらしい。


 ともあれ、そこから導き出される結論はというと。



 俺も犬が飼いたい――……。




「はあ……」

「どうしたんですか、神無月さん。朝からため息なんかついて」


 午前9時。

 いつものように本屋「カタコル」に出勤してきた俺が、昨夜作ったワンちゃんコーナーの前で黄昏たそがれているとフリーターの高梨くんが声をかけてきた。

 101匹(推定)のワンちゃんたちがつぶらな瞳で俺を見つめている中、俺は答える。


「それがさあ、聞いてよ高梨くん。今朝ねえ、素敵な出会いがあったんだよ」

「素敵な出会い?」

「そう、すごく素敵な出会い」

「え? それなのに、なんでため息ついてるんですか?」

「だってさあ、すごく素敵なひとだったんだもん。あの顔が忘れられなくてさあ……」

「ええ!? も、もしかして神無月さん……」


 ひゃあと高梨くんが両手を口に当ててニヤつく。


「なんですか、なんですか? もしかして恋しちゃったってやつですか? 恋のため息ですか?」


 恋のため息……。

 言われてみれば、そうかもしれない。

 さっきから、ピスタちゃんに会いたくて会いたくてたまらない。


 コクン、とうなずくと「うっひゃあ」と高梨くんがさらにはしゃいだ。


「ついに! ついに神無月さんにも春が来たんですね! 女性にはまったく興味がない人だと思ってたのに」

「女性……。女性か……。言われてみれば彼女、メスだったな」

「メ、メス!? いやいやいや、神無月さん。それは相手に失礼でしょ」


 わけのわからないことを言う高梨くん。


「え、なんで?」

「なんでって、女性に対してメスなんて……。それに、普通は見ればわかるじゃないですか」

「いや、見ただけじゃわかんないよ。俺だって素人だもん」

「し、素人って……」

「俺にとって判断基準は『ついてるか』『ついてないか』だからな。思い出してみれば、彼女ついてなか……」

「ちょ、ストーップ!!」


 慌てて止めに入る高梨くん。

 なんなんだ、いったい。


「か、か、か、神無月さん、朝からいったい何やってるんですか!?」

「何って、いつものランニングだよ。早朝の砂浜で」

「ランニング中に、その、ええと……、ついてるかついてないか確認するような事やってたんですか?」

「そんなあけっぴろげに、どれどれ? なんて見ないよ。思い出してみたら、そういえばついてなかったなあって話」

「いったいどんな格好してたんですか、その女性ひと……」

「どんなって、裸に決まってんじゃん」

「ぶほっ」


 思わず、といった顔で鼻を抑える高梨くん。


「ち、ち、ち、ちょっと待ってください。僕の思考回路が追いつかないんですけど……。その人、裸で何してたんですか?」

「何って、散歩してたんだよ」

「は、裸で?」

「裸で。別に変じゃないだろ?」

「え? あ、ああ、そういうもんなんですか。早朝の砂浜ってずいぶん開放的なんですね。知りませんでした」


 高梨くんはなぜかドギマギしながら

「今度、僕も裸で行ってみようかな」

とつぶやいていた。

 なぜにお前が裸で行くんだ。警察に捕まるぞ。


 それはさておき、俺は続ける。


「で、俺が砂浜をランニングしてたら、いつの間にかついて来ててさ」

「その女性がですか?」

「うん、そのメスがね」

「ちょっと、言い方!」


 いきなり怒り出す高梨くん。

 なんなんだよもう。わけわかんない。


「その……えーと、女性がね、隣を走ってたわけよ。あまりに可愛いから撫でようとしたら、かぷかぷ噛んできてさあ」

「噛んできた? 見ず知らずの神無月さんにですか?」

「うん、そう。見ず知らずの俺に」

「はあ、変な人ですね、その人も」

「そうか? 人懐っこくて可愛かったぞ」

「人懐っこいっていうか、危ない人ですよ、完全に」


 まあ、確かにあれで成犬だったら危ないかもな。


「とにかく、噛まれた俺は、それでものの見事に撃沈よ」

「神無月さんってそっちのがあったんですね……。意外だなあ」


 そっちのってなんだ、そっちのって。


「……で、何歳くらいの方なんですか?」

「何才? ううん、どうかなあ。まだ赤ちゃんだったしなあ」

「は?」

「見たところ、生後半年くらいじゃなかったかな?」

「ちょ、ま、え……?」


 高梨くんがこめかみをおさえながら「ええと、ちょっと待ってください」と言う。


「すいません、神無月さん。僕もうお腹いっぱいなんですけど。ええと、アレですか? もしかして、恋した相手って、女の子の赤ちゃんですか?」

「うん。あまりに可愛くてね。思わず結婚して! って叫んじゃったよ」

「うおおいっ!!」


 変な叫び声を上げる高梨くん。

 さっきから彼の様子がいちいちおかしい。

 そんなに俺の犬好きが気持ち悪いか。

 

「神無月さん、もしかして、年下好みですか? っていうか、年下すぎませんか?」

「なんだよ。可愛いじゃないか、赤ちゃん」

「いやまあ、赤ちゃんは可愛いですけど……。それで親御さんの反応は……?」


 高梨くんが恐る恐る聞いてくる。

 親御さん?

 ああ、飼い主さんのことか。


 そこで、ハタとその時の情景がよみがえる。

 そうだ、ちょうどそのタイミングで飼い主の如月さんが現れたんだった。

 思い出したと同時に、恥ずかしさで胸がいっぱいになる。

 やっぱり聞かれてたかなあ、あれ。

「結婚して」って。

 けっこう大声で叫んじゃったしなあ。

 聞こえてたよなあ。

 でも、何も言ってこなかったしなあ。


 聞こえてなかった……と思いたい。


「……特になにも」

「なにも?」

「うん、なにも。でもまた会わせてくれるって」

「す、すごいですね。親公認ですか。僕が親だったら、二度と会せませんけどね」

「なんだと、このやろう!」


 俺は高梨くんの頭を脇の間に挟み込んだ。

 そしてグイグイと腕で締めあげる。


「わあ、何するんですか!」


 頭を締め付けられながらパンパンと腕を叩く高梨くん。


「さっきから失礼なことばっかり言いやがって。どうだ、参ったか」

「参りました! 参りましたから放してください!」

「ふんだ。失礼なことを言う罰だ。もっと締め付けてやるー!」

「ギブギブギブ!」


 二人でじゃれ合っていると、建物中に響き渡る音量で店長の怒声が飛んできた。


「ゴルアァ、てめえら何サボってやがる! さっさと開店準備しやがれボケナス! 開店時間まであと10分しかねえじゃねえか、このカス!」


 見れば、カウンターの向こう側からヤクザの組長……じゃなくて店長が今にも火を吐き出しそうな顔で俺たちを睨み付けていた。


「恋だか米だか知らねえが、それ以上ふざけてっと海へたたっこむぞ!」


 がああああっ! と大口を開ける店長に、俺たちは

「へ、へい! スンマセン!」

とチンピラの子分のような返事をしながら散らばったのだった。



     ※



 午前11時。


 店内は盛況だった。

 いや、盛況というのは本屋での盛況という意味であって、お祭りのようにエンヤエンヤ言ってるわけではない。

 それでも、午前中だというのにお客さんの数はかなり多かった。


 まあ、この本屋「カタコル」はこの辺りではわりと大きめの本屋だし、近隣にも数店舗あるほどの人気店だ。

 毎日、新作が入ってないか見に来る常連客もいる。


 ここの人気の秘密はなんといっても本の種類の豊富さにある。

 普通の本屋では取り扱っていないような本を独自のルートで仕入れて販売したりしているのだ。

 実際のところ、店員である俺もすべてを把握しきれてはおらず、中には「どこから仕入れてんだよ」とツッコみたくなるようなコアな本まで置いてある。

 きっと、俺の知らないところで組長……じゃなくて店長の闇ルートが張り巡らされてるに違いない。


 ともあれ、高梨くんはレジ、俺と店長は売り場整理やら品出しやらでてんやわんやだった。



 そんな中、俺は昨夜作ったワンちゃんコーナーに目を向ける。

 俺の渾身の癒され売り場。

 さぞかしお客さんがこぞって癒されているだろうと思っていたのだが……。


「だ、誰もいねえ……」


 ぴゅう~と木枯らしが吹いているかのごとく、閑散としていた。


 なんで?

 どうして?


 店内にはたくさんのお客さんがいるのに、まるで俺の作った売り場だけぽっかりと穴が開いていた。

 100均で買った動物風船が寂しそうに佇んでいる。


「あのう……」


 その時、一人の女性が声をかけてきた。


「はい、いらっしゃいませ」


 マニュアル通り、ニコヤカに対応する。

 声をかけてきたのは、30歳くらいのきれいな女性だった。


「ペット関連の本を探してるんですけど……」


 ペット関連と聞いてピンとくる。


「もしかして、犬ですか!? 犬ですよね!? すいません、今奥のコーナーに行ってまして……」

「いえ、犬じゃないんです」

「あ、じゃあチワワですか?」

「いえ、チワワでも……。ていうか、それも犬ですよね」

「もしかして、トイプードル!? くううう、可愛いですよねえ、トイプーも」

「だから犬じゃありませんて! あの、カピバラの育て方の本ってあります?」

「カ、カピバラ……?」


 予想外の名前が出てきた。

 はて、あっただろうか?

 確かにペットコーナーは種類が豊富だが、そんなマニアックな本があるとは思えない。

 しかし、ないとも言い切れないので

「確認してきますね」

と言い残してペットコーナーへと向かった。


「カピバラ、カピバラ……」


 か行で探していくと、『サルでもわかる! カピバラの飼い方』という本がきちんと陳列されていた。

 さすがは店長。

 カピバラ人気を見越して前もって仕入れていたのか。ていうか、飼う人いるんだ。


 すぐさま本を持って行き、女性に見せる。


「こちらでよろしいでしょうか?」

「わあ、あるんですね! さすがカタコルの店員さん!」


 いや、仕入れたの俺じゃないんだけど。

 女性は「ありがとうございます!」と言って嬉しそうにレジへと向かっていった。

 なんだろう、複雑な気分。

 店長に目を向けると、なぜかドヤ顔された。



 それからそのまましばらく売り場整理を続けていると、今度はヒョロッとした男性のお客さんが声をかけてきた。


「あのう……すいません……」

「はい、いらっしゃいませ」


 男性はおどおどしながら尋ねてきた。


「ちょっとペット関連の本を探してまして……」


 今度こそ犬か!? 犬だよね!?

 そう思い、「犬のコーナーでしたら……」とすすめると予想外の名前が飛び出した。


「あの……、ワニの育て方って置いてありますか?」

「ワ、ワニ……ですか?」


 ワニだったらないこともない。

 意外だが、ワニを飼っている人はけっこう多い。

 だが、なんだろう。逆にこの男性がワニに食べられやしないかと不安になる。


「少々、お待ちください」


 ペットコーナーに行き「ワニの育て方の本」を持って男性の元へと戻った。


「こちらでよろしいでしょうか?」


 本を差し出すと、男性は顔を輝かせてそれを手に取った。


「ああ、これですこれです! よかった。これで食べられそうにならなくて済む……」


 もう食べられそうになってたんかーい!

 思わず心の中でツッコみを入れながら、レジへと向かう男性を見送った俺は、再度ワンちゃんコーナーに目を向けた。


 やっぱり、誰もいない。

 なんでだ。

 カピバラやワニは飼ってる人はいるのに、なぜ犬だけ。

 

 時代はもうワンコではないのか……。 



 ガクンと肩を落とすと二人の女性客がワンちゃんコーナーへとやってきた。


「ほわあっ!」

と喜び勇んだ俺は、少し遠くから本の整理をしながら様子を伺った。 

 遠目からではよくわからないが、仕事中なのだろうか。二人ともスーツを着ている。

 そしてそのうちの一人が育て方の本を手に取り真剣に読み始めた。


 あれ?

 あの姿、どこかで見た気が……。

 でも、どこで……。


 うーん、と記憶をたどっていると背後から老婦人が声をかけてきた。


「あのう、本を探してるんじゃが……」


 おしゃれなスカーフを首に巻いたオシャレな老婦人だ。

 杖をついて立つ姿がどことなく気品漂っている。


「はい、何をお探しですか?」


 尋ねる俺に、老婦人は答える。


「ヴェロキラプトルの育て方って、置いてあるかのう?」

「は、、はい………?」

「ヴェロキラプトルの育て方」


 聞き間違いだろうか。

 6500万年前に絶滅した恐竜の名前が出てきた。


「ヴェロキラプトルの育て方……ですか?」

「今、飼っておってのう」

「ええと、し、少々お待ちください……」


 俺はニコヤカな笑顔を残しつつ、そそくさとペットコーナーへと向かう。


 なんなんだ、さっきから。

 カピバラとかワニとかヴェロキラプトルとか。

 この町はサファリパークか。

 ていうか、ヴェロキラプトルってなんだよ。

 恐竜飼ってんのかよ。

 ドラ〇もんの映画かよ。

 

 そんなツッコミ満載でペットコーナーの棚を見ると、ウサギやウマに混ざって「ヴェロキラプトルの育て方」がなぜか陳列されていた。


「あるのかよ!」


 思わずツッコむ俺に、すぐ近くで売り場整理をしていた店長がなぜか親指を立てていた。


「はは……」と俺は乾いた笑い声をあげ、とりあえずその本を持って老婦人のもとへと戻る。


「こちらでよろしいでしょうか?」


 そう言って差し出すと老婦人は顔を輝かせて受け取った。


「おう、それじゃそれじゃ。まさか置いてあるとはのお」


 激しく同意。


「ありがとねえ」と言ってレジに向かう老婦人を目で追っていくと、数人のお客さんがレジカウンターに並んでいることに気がついた。

 俺は慌てて稼働していないレジに入った。


「お待ちのお客様、どうぞ」


 そう言って次のお客さんを通した時、俺は目が点になった。

 スッと前に立ったのは、今朝会った如月さんだったからだ。


 いや、今朝会ったで“あろう”如月さんの姿だった。

 スーツ姿にポニーテール。

 メイクもバッチリで、まるで別人のようだった。

 なんだかキャリアウーマンという感じですごくかっこいい。


 しかし声をかけようと思ったものの、今の俺はここの店員だ。

 しかもレジの真っ最中。

 とりあえずレジに集中しようと如月さんが差し出した本を手に取った。


 ええと、1冊目はワンちゃんの飼い方の本……。あ、ワンちゃんコーナーにいたのは如月さんだったのか!

 くうう、声をかければよかった。

 ピスタちゃんのために勉強してるんだなあ。


 それともう一冊は。

 ん……?

 BL本……?

 え? この人、腐女子なの?

 チラリとスーツ姿の彼女を見ると、何やら真剣な表情をしながら俺を見つめていた。


 あ、ああ、そうか。

 あまり詮索はしてほしくはないのか。

 まあ、自分が腐女子だって公言したくない人、世の中にはいっぱいいるしな。

 俺はつとめて冷静に対応した。


「二点お預かりします、こちらの商品カバー掛けられますか?」


 尋ねると、如月さんはコクンと頷いて俺から視線をそらした。


 え……、なんで?

 なんか怒ってる?

 めちゃくちゃドライなんですけど……。

 何も言ってこない如月さんにドキドキしつつ、俺はそそくさとBL本にカバーをかけて金額を告げた。


「二点で1550円になります。ポイントカードは宜しいですか?」


 尋ねると如月さんはフルフルと首を振った。

 あくまで俺に話しかけてほしくないようだ。


 お、俺……、何かしたっけ?


 もしかしてワンちゃんコーナーが気に入らなかったとか……?

 もっと可愛い本仕入れろよ、とか……?


「え、えっと……お作りしますね」


 恐る恐る俺はそう言って500円ごとに1個押すポイントカードにハンコを三個押し、本を入れた紙袋と一緒に差し出した。


「二千円お預かりします。450円お返しします」


 とりあえずお釣りを落とさないよう、手を添えてきちんと手渡してあげる。

 如月さんは何も言わず、黙って受け取ってくれた。

 よかった、触れるところまでは拒否られてないようだ。


「またのご来店をお待ちしております」


 ドキドキしながらも、いつもの営業スマイルを見せながらそう言うと、如月さんは

「は、はぃ……また来ますっ」

と言って頭を下げた。

 とたんにまわりからクスクスという笑い声が聞こえてくる。

 如月さんはカアッと顔を真っ赤に染めながらそそくさと帰っていった。


 その後ろ姿を、俺はポカンと見送る。


 そして気が付いた。

 そうか。彼女は怒っていたわけじゃなかったんだ。

 BL本を買ってたから恥ずかしかっただけなんだな。

 俺は心から安堵のため息をついた。

 

 よかった、拒否られてたらピスタちゃんに会わせてもらえなくなるところだった。


 ホーッと胸をなで下ろしている俺に

「おい兄ちゃん、はやく会計しねえか」

と次のお客さんに怒られたのは言うまでもない。




こちらは神無月視点になります。

同じく如月さん視点もございますので、ぜひご覧ください。

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