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いちワン

 小学1年生の頃だ。


「大きくなったら何になりたいですか?」と聞かれて俺は「犬」と答えた。

 クラスのみんなは笑っていたが、先生は笑わずに「なれたらいいね」と優しい目を向けてくれた。


 俺は犬が大好きだった。

 好きで好きでたまらなかった。


 クラスのマドンナ・真由美ちゃん。

 明るくて可愛くて優しくて。

 俺の初恋の相手はそんな真由美ちゃん……の飼っているダックスフントだった。


 真由美ちゃんと散歩している姿に一目惚れして、思わず

「好きです」

とダックスフントに告白してしまった。


「え、キモ……」

と言われたことを今でも覚えている。



 中学なって、俺は同じ質問を担任の先生からぶつけられた。

「将来、何になりたいですか?」

 俺は迷うことなく「犬」と答えた。

 クラスメートたちは笑っていたが、担任の先生は苦笑まじりで「なれたらいいね」と言ってくれた。



 高校にあがって2年目には同じような質問を担任から投げかけられた。

「進路希望先はどこですか?」

 俺は即座に「犬」と答えた。

 担任はまさか本当の「犬」のことだとは思わず、真剣に「犬……? 犬……?」と首をひねっていた。

 よって、俺はしばらく「進学希望先、犬」と用紙に記入していた。


「真面目に考えなさい!」と言われたのは高3になってからだった。



 中学・高校と続けていた陸上部で上位の成績をおさめていた俺は、推薦で犬とはまったく関係のない体育大学へと進学した。


「将来、どんな相手と結婚したい?」

 

 同じ科の仲間たちとそんな会話をしている時も、俺は「犬と結婚したい」と言っていた。

 仲間たちはみんな笑っていたが、それが本気だとわかると少し距離をおかれた。

 そして二度と、俺の前でそういった話はしなくなった。



 そして現在。

 俺は、犬とはまったく関係のない職場で働いている。



     ※



「ということで、今からこの小説コーナーを『ワンちゃんコーナー』に変更します」


 夜の10時。

 目の前のカートには、山のように積まれたワンちゃん雑誌の数々。

 写真集に、育て方の本、犬を題材にした漫画などなど。


 そう、俺は今、本屋で働いている。


 閉店後の売り場づくりをこれから行うところだ。


「あの、神無月かんなづきさん。怒られませんか?」


 おどおどと声をかけてきたのは、フリーターの高梨くんだ。

 家計を助けたい。そんな理由で大学を辞め、職を探しながらこの本屋で働いている。


「怒られるって何が?」


 しゃがみこみながら紐で束ねられたワンちゃん雑誌をするすると紐解いて尋ねる俺に、彼はさらにおどおどしながら答えた。


「だって、ここって入り口から一番近い一等地でしょ? 勝手に変更なんかしたら何言われるか……。それにここって普通は新発売の小説が並ぶっていうのが基本だと思うんですけど」


 俺は「ふう、やれやれ」とあからさまに肩をすくめて立ち上がる。


「高梨くん。今の人間社会で求められているものって、なんだと思う?」

「求められているもの?」

「そう。求められているもの」


「さあ……」と頭をひねる高梨くん。

 やはり、20歳の若者には難しい質問か。俺もまだ24だが。

 俺は一冊の写真集を手に取り、ドヤ顔をしながらその表紙を見せつけた。


「それはね、癒しだよ高梨くん。ほら見てごらん。このワンコのつぶらな瞳。あどけない顔。これに癒されない者など、あろうものか!」

「はあ、確かに癒されますけど……」

「だろ!? めっちゃ癒されるだろ!? 思わず犬になりたくなるだろ!?」

「いや、そこまでは……」

「はあ、ヤバいよなあ、このポメラニアン。おま、この顔で頭をグリグリしてくる姿を想像してみ? 鼻血が出るぞ」


 そう言って、改めて手に取った写真集を見直す。

 その表紙を飾るのは、1匹のポメラニアンだ。

 きょとん、とした顔でつぶらな瞳をカメラに向けている。

 ヤバい、よだれが出てきてしまう。

 結婚したい……。


 思わず現実を忘れて見惚れていると、高梨くんが聞いてきた。


「あの、神無月さんって犬飼ってるんですか?」

「え? なんで?」

「だってワンちゃんコーナー作るくらいだし。ものすごく好きそうだから」

「うん、好きだよ。大好き。愛してる」

「あ、愛してるって……」


 なんだよ。

 おかしいか。


「じゃあ、飼ってるんですか?」

「……ない」

「え?」

「……飼ってない」

「ええ、飼ってないんですか!? こんなに気持ち悪いほど好きなのに!?」


 気持ち悪いってなんだ、気持ち悪いって。


「実は今住んでるアパートがペット禁止でさあ。飼いたくても飼えないんだよ。飼えるアパートは、この辺りじゃ高くてちょっと手が出ないし」

「そうなんですか」

「そうそう。独身貴族っていってもね、入社2年目の社員だとそんなもんだよ? はあ、就職先間違えたかなあ。もっと犬と触れ合えるところに行きたかった」


 ため息をついていると、不意に高梨くんの表情がピリッと変わった。


「ん? どうしたの?」


 口をパクパクさせながら人差し指をツンツン突き出している。

 どうやら俺の後ろに何かあるらしい。

 声には出さないが「後ろ後ろ」と言っている。


「なに? 後ろって」


 くるりと振り向いた瞬間、俺はチワワになった。


「おい、神無月。てめえ何やってやがんだ」

「て、て、て、店長……! お疲れ様しゃーす!」

「お疲れ様しゃーすじゃねえんだよ。お疲れしゃーすじゃ」


 パンチパーマに、ティアドロップのサングラス。

 がっしりとした体型で黒いスーツを着た中年の店長は、どこからどう見ても「その筋」の人だ。

 これでここの本屋の店長というから恐ろしい。

 ていうかなんでここにいるの?

 もう帰ったと思ったのに……。


「忘れ物したから戻ってみたらよお、なんなんだこのワンコロの本の山は」

「え、えと……。仕入れました」

「仕入れただあ!? 誰が?」

「自分が……」

「何のために?」

「癒しのために……」

「誰の?」

「お客さんの……」


 むしろ、俺の。


「どうやって?」

「この一帯をワンちゃんコーナーに変えて……」

「ざけんじゃねえぞ、てめえ! 返品もきかねえ本をこんなに大量に仕入れやがって! どうしてくれんだ、このやろう!」

「きゃいん!」


 首根っこを掴まれてブラブラと引きずられる俺。

 身長175㎝の俺をまるで子犬のように扱う店長は、まさに大型のブルドックだ。

 いや、ブルドックなんて可愛いもんじゃない。

 この人の場合はクマだ、クマ。ツキノワグマ。

 もしくは、でかい牛。


「てめえ、さっきから聞こえてんだよ! ブルドックだのクマだの言いたい放題言いやがって! 誰が牛だ!」

「ぎゃあああああ……! パワハラ! パワハラ反対!」


 コブラツイストを決められながら、俺は何度も「ギブ」を繰り返した。



 結局、店長は怒鳴るだけ怒鳴って帰っていった。

 もちろん店の一等地にワンちゃんコーナーを設けることは許されず、それでも、返品のきかない本を大量に仕入れた俺のために、店の奥まった場所にひっそりと置くことを許してくれた。


「ひゃっほう」と意気込んで売り場づくりを始める。

 高梨くんも「よかったですね」と言ってくれた。


 わけのわからない「でまかせ太郎の口だけ人生アドバイス百選」という本を隅に追いやり、ポメラニアンが表紙の写真集を1冊スタンドで立てて、そのまわりにこれでもかというくらいワンちゃん雑誌を山積みにする。

 そして、真正面にでかでかと「ワンちゃんコーナー」というPOPを設置。

 さらに100円ショップで買ってきたワンちゃんの形をした動物風船を固定した。


 まさに珠玉のコーナーだった。


 今にも101匹くらいのワンちゃんが本から飛び出してきそうな雰囲気を醸し出している。

 101匹のワンちゃん……。

 ヤバい、想像しただけでヘブンに召されそう……。


 と、そんな妄想していると高梨くんが声をかけてきた。


「あの、神無月さん。もうあがってもいいですか? 夜中の11時なんですけど……」

「え? あ、ああ、ほんとだ! 遅くまでありがとう。帰っていいよ」

「はい、お疲れ様でした」


 そう言って頭を下げて事務所に引きさがっていく。

 そういえば、とふと思った。

 ここの雑誌類の陳列はほとんど彼がしてくれた。

 本当に、きれいに丁寧に。

 俺はといえばPOPを描いたり動物風船を作ったりしていただけで、ほぼ何もしていない。


 申し訳ないな、と思った俺は帰り支度を終えて店を出ようとする高梨くんに1枚のポストカードを手渡した。


「これ、感謝の気持ち。つまらないものだけど、受け取ってくれ」


 それは、俺が密かに集めている犬の写真のポストカードだった。

 ゴールデンレトリバーの子犬が寝そべっている、なんとも可愛らしい一枚だ。

 俺のかけがえのない宝物だが、仕方がない。頑張ってくれたお礼だ。家にはまだ5枚あるしな。


 高梨くんはそれを受け取ると

「あ、ありがとうございます……」

と嬉しそうに礼を言った。

 若干、顔が引きつってるのはなぜだろう。


 高梨くんが店から出ていくのを見送ったあと、俺も「よし」とつぶやいて店を出た。



     ※



 翌朝、俺は近所の浜辺をランニングしていた。

 中学の頃からの日課で、朝5時から6時まで毎朝欠かさずランニングをしている。

 別に、運動不足とかそういうわけではない。

 単なる趣味だ。


 引き締まった身体がつくりあげられていると実感するあの快感がたまらない。


 筋トレ全般が趣味ともいえるのだが、走り込みは一番楽しい時間だった。

 地味に筋肉を動かすよりもはるかに気持ちがいい。

 ほとばしる汗が爽快だった。


 朝焼けがきれいな海辺の砂浜。

 この場所をランニングコースに選んでいるのも、自然の美しさと同時に足腰を鍛えるためだ。

 砂の負荷は足腰にきくし、アスファルトの地面より安全だ。

 だから俺は毎日この浜辺を走っている。



 誰もいない静かな砂浜。

 白いTシャツに黒いハーフパンツをはき、いつものように走っていると、何やらひょこひょことついてくるものの気配を感じた。


「……?」


 なんだろう、と視線を送った直後、俺はあまりの衝撃でつんのめってしまった。


「はおっ!!」


 ザアッと前のめりに倒れ込む。

 大量の砂が一気に汗で湿った白いTシャツの中に吸い込まれていった。

 しかし、身体中に感じる砂の気持ち悪さよりも、俺は目の前にいる「それ」に目を奪われていた。


「きゃん!」


 それは柴犬の子どもだった。

 大きな黒い瞳、ふさふさした茶色い毛、ちょこんと上にあがった尻尾。

 そして思わず抱きしめたくなるまん丸い体。


「な、な、な……」


 目を覆いたくなるほどの可愛さだった。

 柴犬の子どもは、倒れ込んだ俺の顔を覗き込むと「クゥン」と鼻を押し付けてきた。


「ふおおおっ!?」


 思わずガバッと起き上がると、一瞬その子犬はビクッと身体をのけ反らせた。

 しかし、すぐにまた近寄ってくる。


 なにこれ。

 なにこれ。

 なんだこれ。

 可愛すぎるだろ。

 どこの子犬だ?


 しかし辺りを見回しても、誰もいない。

 野良犬か?

 と思って首に目を向けると首輪がついていた。

 どうやら飼い犬のようだ。

 だとしたら迷い犬か?

 おそるおそる手を差し伸べると、その子犬は口を開けてカプッと甘噛みしてきた。


「ぬおおおおおっ!!」


 な、なんだ、この子犬は。

 悶え死にさせる気か、このやろう!

 俺はそのまま噛み噛みしてくる子犬をつかまえると、スッと持ち上げた。


 うっわ、もふもふしてる。


 本当にこの世のものかと思えるほど究極に可愛い柴犬の子ども。

 パタパタと小さい尻尾を振る姿がもうたまらんではないか。

 俺は思わず尋ねた。


「お、おい、どうした、お前。迷子か?」

「きゃん!」


 可愛い。


「もしかして、散歩中にはぐれたのか?」

「きゃん!」


 かあいい。


「この辺りの子か?」

「きゃん!」


 きゃわいい。


 この子、何を聞いても「きゃん」としか答えない。

 これは困った、どうしよう。

 何か情報は……と思って首輪のところをよく見てみると、何やら住所らしきものが見えた。

 もしかしたら飼い主の情報かもしれない。


 そう思い、首輪に指を近づけると……。


「かぷっ」


 またもや甘噛みされた。


「ぎゃああああっ!」


 なんだ。

 なんだ。

 なんなんだ。

 たまらないを通り越して、いとおしいではないか。


 まさか、作戦か?

 こうやって愛らしい仕草をして俺を落とそうという作戦なのか?

 そうだ、きっとそうに違いない。

 くっそう、そうはいかんぞ。

 俺はこう見えて、けっこう用心深いのだ。


「かぷかぷ」

「………」

「かぷかぷ」

「………」

「かぷかぷ」

「はい、落ちました! 俺と結婚してください!」


 思わず子犬を抱きしめてそう叫ぶ。

 その直後、ザッという足音が聞こえた。

 顔を向けると、いつの間にか一人の女性がそばに立っていた。


 胸に抱いた子犬が「きゃん」と吠えながら女性に顔を向けてパタパタと尻尾を振っている。

 さらさらとしたロングヘアーに、白いジャージ。

 化粧っ気は全然ないものの、全体的に凛とした感じで、なんとなくかっこいい。


 もしかして、飼い主さん?


 そう聞こうと思ったら、彼女が先に言ってきた。


「お、おはようございます、すみません、うちの犬が……」


 そう言って、手を差し伸べてくる。

 ああ、やっぱり飼い主さん。


 ホッとしたのもつかの間。

 俺の体温が一気に上昇した。


 ヤバい、全然知らない人の目の前で「俺と結婚してください」なんて言っちゃった……。

 聞こえてたかな?

 聞こえてたよね?


「あ、ああ、す、す、すいません! いつの間にかここにいて勝手に抱いてしまってました……」


 慌てふためく俺に、彼女は何事もなかったかのようにやんわりと答えた。


「いえ。散歩してて、気づいたらいなくなってたんです。よかった」


 ほおおぉぉぉ。

 セーーーーフッ!!

 危ないやつと思われなくてよかった。


「ああ、そうなんですか。ここで俺が走り回ってたから、きっと遊んでると思ったんでしょうね。はい、気を付けてください」


 そう言って、胸に抱いた子犬を手渡す。

 ああ、名残惜しい。

 子犬のぬくもりが胸から離れると、一気に寂しい気持ちが押し寄せる。


 と。


 子犬は「クゥン」と一鳴きした。


 か、か、か、かわえええええ!


「ありがとう」と受け取る彼女の目の前で、またしても俺は心の声をつぶやいてしまった。


「ヤバ、超可愛い……」

「え?」

「あ、いや! ななな、なんでもありません!」


 うおおおおい、何言ってんだ!

 初対面の人に向かって超可愛いって……。

 犬ね!

 子犬のことだからね!

 いや、このお姉さんもすっごく美人だけど!

 めっちゃきれいだけども!


 あわあわしていると、目の前で子犬を抱っこしている彼女がつぶいた。


「そ、そうですか……」


 ほらあ!

 気にしてるじゃない。

 なんだか、よそよそしいじゃない!


 う、うん。こういう時は話題をそらそう。

 そうだ、名前。ワンちゃんの名前を聞こう!


「あの、名前なんていうんですか?」


 必死に落ち着き払って彼女の胸に抱かれた子犬を見つめながら尋ねる。


「え、名前ですか? 如月芽衣きさらぎめいと言います」

「あ、はい、あの……ワンちゃんの……」

「へ!? あああああ、犬の、犬のね!? ピスタチオ! ピスタチオって言います!」


 慌てふためく女性。

 天然なのだろうか。


 ……って、ピスタチオって!

 ピスタチオって、なにそれ!

 残念レベルマックスだよ。

 こんなにもふもふで可愛いのに。


「ピスタチオ……。な、なかなか斬新な名前ですね……」


 思わず本音をポツリ。

 もっといい名前、つけてあげようよ……。


「は、はぁ……」


 如月さんと名乗った女性は、気のない返事を返した。

 あ、聞いちゃまずいのかな。

 名前の由来を聞きたかったけれど、俺は黙っておいた。


 如月さんの胸に抱かれる子犬に顔を近づけて、頭を撫でる。


「そっかー、ピスタチオっていうのかー。よろしくね、ピスタちゃん」


 柴犬の子ども、もといピスタちゃんは気持ちよさそうに目を瞑った。


 ふおおおお、可愛すぎるっす!

 これはいかんです、本当にいかんです!

 緊急警報発令中っす!


 ピスタちゃん、超かわええ!


「うああ、ヤバい。めっちゃ可愛い。どうしよう」


 ハアハアしちゃう。

 このままずっとこうしていたい……。


 そう思いながら頭をなでなでしていると、空がだいぶ明るくなっていることに気が付いた。


 ん? と思って時計を見る。


 午前6時15分。


「あ、もうこんな時間! 行かなきゃ!」


 自宅に戻って、シャワー浴びたり朝食食べたりする時間がなくなってしまう!

 行こうとすると、如月さんも時計を見ながら

「あ、私もそろそろ……」

とつぶやいた。


 ああ、胸に抱かれたピスタちゃん。

 会いたい。

 会いたい。

 また、会いたい。


「あの、また会えますか?」


 俺は如月さんに尋ねた。


「へ?!」と変な声を上げる彼女。


 いや、あの、変な意味じゃないから。

 

 慌てて「ピスタちゃんに」と付け加える。

 とたんに、如月さんの顔が赤くなる。


 可愛いな、この人も。


 如月さんは「も、もちろん……!」と了承してくれた。


「あの俺、神無月亮かんなづきりょうっていいます。毎朝この砂浜でランニングしてますから……」


 コクコクとうなずく彼女。

 え!?

 大丈夫!?

 よく見ると、すっごく顔赤いんですけど!

 いや、まあ、しっかり立ってるし、大丈夫か。


 それよりも。

 ピスタちゃんに会わせてくれる約束をしてくれたことが、何よりも嬉しかった。

 むふふ、これから朝のランニングが楽しみだ。


「じゃあ、また会えるの楽しみにしてます、如月さん!」


 俺はそう言って、明るくなった砂浜を全力疾走で駆け抜けていった。



こちらは神無月視点になります。

同じく如月さん視点もございますので、ぜひご覧ください。

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