最終決戦ーその3-
撤退する人間軍を、容赦なく怪物たちが追撃。
グレガンが泣き言を吐くが、流石にルーフェスたちもこれにツッコむ余裕も無く、無言で同意と肯くばかり。
怪物はそれを避けて左右からズーの部隊を挟み撃ちにするつもりだ。
怪物軍は怒涛の勢いで出城に突撃する。
世界中の人間が、呻きと嘆きの声を上げる。
これを、受け容れるしかないのだろうか? と。
暑中お見舞い申し上げます。まだ梅雨の最中ですが、じきに夏真っ盛りとなる中、皆様如何にお過ごしでしょうか?
夏バテにはお気を付けを。一月振りに皆様にまたお会いできまして、今月も感謝感激のしげき丸でございます。
と、準備していた下書き。
何とこの後すぐハードワーク(新ログホラの執筆頑張り過ぎた)が祟り、2か月も遅れ、3か月ぶりの残暑厳しい秋九月になってしまいましたのでした。
誠に申し訳ありませんm(--)m
最終回も目前と、怒涛の展開となっております本作、どうか最後までの御愛顧、宜しくお願い致します。
ご愛顧と申しませば、既にご存知の御方もおられるかと思いますが、『東の外記・しげき丸』のPNで、新ログ・ホライズンも書かさせて頂いておりますので、引き続き『なろう』HP上でご愛顧お願いいたします。
あー、堅苦しかった。
最近緊張感のあるデンジャーな毎日送ってたもんで(注:作家稼業とかが忙しすぎて)、つい、ほどよいおちゃらけ感を忘れてしまいますね。某黄色レンジャー君はやり過ぎですが。ええ、ク◎ツ君(仮名)みたいになっては、やはり人生終わりです。ギャグにも節度が大事です。てめー、アメリカ(仮名)から帰ってくんな!(TT)馬鹿野郎(何が有った?)。
何の事かわかっている人もいるでしょうが、分からない人は賀東先生のフルメタシリーズをお読みください。
更に何の事か御知りになりたい人は、是非、新ログホラを宜しくお願い致します(結局宣伝)。
ではでは、本編をどうぞ。
八枚の翼と大王の旅 ―第28話―
-1-
アフリカ大陸、暗黒の谷。
「シエラさん、そろそろだ!」
一矢が機を告げる。
「わかった! 皆、第一防禦陣地をこれから放棄する! 総員、撤退準備!」
号令に従い、兵士や戦士、魔法使いたちが、後方の第二陣地へ向かって後退を始める。
怪物達は僅かに逡巡する。
これを迂闊に追いかければ、また例の泥沼の呪文の罠に嵌められるのではないか? と。
だが、そもそも逃げる彼等に距離を取らせねば、混戦に巻き込めば、泥沼に自軍を巻き込む訳にはいかず、例の呪文を食らう事も無い。
おそらく、罠と警戒させて、戦力再編や体力回復の時間を稼ぐ策の可能性の方が高いと判断する。
撤退する人間軍を、容赦なく怪物たちが追撃。
鉄柵自体が壊された訳では無いので、敵の勢いが雪崩を打つ、とまで行かない事が救いと言えば救いだった。
-2-
ジュデッカ大陸、ベルゼウス山隠れ里。
「やっと終わったな」
ブランドーが斬徹を一振りし、鞘に納める。血を払う必要は無いのだが、長年染みついた癖だ。
「も、もうヘロヘロっす」
グレガンが泣き言を吐くが、流石にルーフェスたちもこれにツッコむ余裕も無く、無言で同意と肯くばかり。
「生憎そうも言ってられませんよ」
オフィーリアが溜め息と共に告げる。
「通信が入りました。ズーさんの眼前の敵が、前進を開始したそうです」
「まあ、そりゃそうですよねえ。自分が敵でもそうします」
クロブもやれやれと腰を上げる。
「誰にも、死んで欲しくないですよね」
マリエルが瞳に強い意志を輝かせ、笑みを浮かべる。
「ああ、そうだな」
ブランドーも、残りの皆も、瞳を輝かせ笑みを浮かべる。
「しょうがねえなあ」「ま、乗りかかった船だよね」「やりましょうよ」「見せ場でやすねえ」
たとえそれが我が儘でも。
彼等はまた身勝手に走り出す。
-3-
ジュデッカ大陸、開拓地、大王の陣。
怪物軍1万6千5百は、充分に後退してから、再び鋒矢の陣へと陣形を変える。
「大王、この敵の動きは何ですか?」
白くなって物言わぬ塊と化した(惨い)セントゥリウスとキーパを押し退け、サマンドがヴァーリの横にやって来て、子供の旺盛な好奇心のままに訊ねる。
「包囲では埒があかぬ故、力ずくで出城を引き裂く方針に変えたのよ」
「すごいですね! でも、大王はもっとスゴイのでしょう!?」
「うむ。当然である。グスタフよ、今こそフォーメーショングレートわんだふりゃスーパーゴージャスダブルエックスΩよぉぉぉ!!!!」
『はあ、いつものですな。御意』
地上からの、茶飲み話でもしているかの様な、やる気の感じられない返信。
「いつものとは、それくらい息の合った熟練の策なのですね?」
「いや、あれは単に余の『いつもの』厨二ノリに、グスタフが呆れておるだけぞ」
「え?」
「策などは今回の思い付きよ。上手く行くかどうかなど余等と敵を繋ぐ点(天)のみぞ知る。敵さんもあっての物種ぞ」
「ええええ?」
-4-
暗黒の谷。
怪物軍は前進する。
谷の入り口に入りきらなかった個体も、残らず峡谷の中へと侵入した。
「今です!」
物見台の兵士が叫ぶ。
「任せろ! ロレンス、メイシア、やるぞ!」
「は~い」「ハイハイ」
カーツ達は、怪物を倒す威力など無い、ありふれた、ある呪文を唱える。
それは本来防禦用の呪文。
敵の呪文を邪魔する役にしか立たず、しかも怪物は魔法の呪文など一切唱えない。
一見すれば、まったくの無意味な呪文。
だが、その呪文が今回の、第2の切り札だった。
「ヴァースキさんっ!」
「わかった!」
ヴァースキはアンテナの伸びたリモコンスイッチを押す。
それは起爆スイッチ。
だが、マナの満ちた空間では、本来爆薬は爆発しない。
しかし、そこにマナを消散する呪文を唱えればどうなるか?
爆音。
そして、轟音とともに、暗黒の谷の両壁面は崩れ、大量の土砂が怪物たちに向かって降り注ぐ。
-5-
隠れ里。
怪物達はズーの部隊に向かって進軍を始める。
「皆さん、落ち着いて」
ズーは笑って子供をあやすように言い聞かす。
怪物達は紙のように薄い横陣を、ある程度まで近付くと、更にまた二つに分けた。
まっすぐ行けば、例のあの呪文で泥沼に嵌められる。
それは間違いない。
その様に、ズーは魔方陣を描いたのだから。
怪物はそれを避けて左右からズーの部隊を挟み撃ちにするつもりだ。
「大丈夫、落ち着いて」
だが、前準備する時間が無かったのならともかく、時間が有るのなら、それすら想定して、左右の想定進路上にもそれぞれ魔方陣を描くなど、手間さえ惜しまなければ出来ぬはずも無い。
斯くて、左右の怪物達は、またも泥の罠に嵌った。
「ね、大丈夫だったでしょう」
-6-
大王の陣。
怪物軍は怒涛の勢いで出城に突撃する。
「凄まじいです、大王、どうやって跳ね返すのですか!?」
「うむ。サマンド、それはな」
「それは?」
「跳ね返さん。そのまま通す。開けゴマ~」
「ええぇ??」
出城は開き怪物軍を受け流し、文字通り呑み込む。
中央には、例の騎馬隊を収納し、時に兵の逃げ場であった、巨大な空洞。
そして、そこは既に泥沼であった。
それも、特に念入りに描いた魔法陣のお蔭で、とんでもなく深い泥沼であった。
怪物達は、まるで海に飛び込むレミングの群れの様に、次々と奈落に吸い込まれて行く。
合掌。
セントゥリウスとキーパは、いや、他の大人達も、ますます白く成り果てた。
合掌。
-7-
各地で怪物は大きな損害を被った。
だが、彼等はまたも速やかに的確に後退や再編を成し遂げる。
「妙よな」
「何がですか?」
「心が無い」
「?」
ヴァーリの言う様に、怪物に動揺の素振りは全くなく、戦意士気の喪失どころか、微塵の恐怖すら抱いた気配も、まるで無いのだ。
あまつさえ、怪物はその数を、暗黒の谷では283、隠れ里では72、大王の陣でも1万3千に減らしながらも、こう言い放った。
『降伏せよ』
「「「「「??????」」」」」
それは全ての者に、語りかけられた。
相対する者は無論、兵士達のスマホの動画配信によって、ネットでこれを見ていた世界中の人に、通信魔法で戦況を聞いていた、ラ・フォーロ・ファ・ジーナの各国首脳や軍幹部に。
そして、何より、怪物が連れて来ていた、ジャーナリストのカメラによって、世界中のニュースを見ている人々に。
『我々は短期間での勝利は諦める。
だが、それでも我々の勝利は動かない。
何故なら、我々は真の意味で永久に活動し続けられるからだ。不眠不休などその余禄に過ぎない。
沢山の同胞は失われたが、それすらも、君達を倒した後、賢者の石を入手すれば、再び黄泉還らせる事が出来る。
繰り返す。我々は真の意味で不死なのだ。君達に勝ち目などない』
「…………何、だと?」「そんなバカな?」「う、嘘だ?」
世界中の人間が、呻きと嘆きの声を揚げる。
『我々に補給など不用だ。これがどういう意味を持つかわかるはずだ。
君達を永久に包囲し、肉体的に、精神的に、衰弱した処を、的確に散発的に効果的にリスクの低い攻撃を繰り返す。
後はやはり、リスクを避け、防禦に徹すればいい。
わかるはずだ。既に詰んでいると』
「…………うーん」
衝撃の事実にセントゥリウスは倒れた。
バンデル達も泡を吹いて目を白黒させる。
『我々は公正で厳格な支配者、最も良き世界の管理者である。
落伍者、脱落者、犯罪者に容赦はしない。善良な者は安心して暮らせる理想の世界を提供すると約束しよう。
世界の管理者ドラゴンにも、我々が世界の管理者として相応しいと認めさせれば、管理者の座を正式に譲り渡すとの言質を、3千5百年前に既に得ている。
今がその時であり、それは証明されつつある。
降伏せよ。
無駄に苦しむな。我々の支配を受け入れ、揺り籠の世界で永遠に幸福に生きるがいい。
繰り返す。降伏せよ』
聞いている者の多くが、目の前が昏くなった。
反論をしようとは思うのだが、どう反論すればいいのかわからない。何故なら、ある意味、彼らの言う言葉はすべて正しいとも、心のどこかで思うからだった。
これを、受け容れるしかないのだろうか? と。
だが、
「駄目だね」
「アホ臭い」
「知った事か」
一矢は、ヴァーリは、ブランドーは、堂々と異を唱えた。
「幸せなんて、誰にも決められない!
だって、いつ誰が何を幸せに感じて不幸に思うかなんて、その時その人以外の誰にもわからないんだから。意味は、最初からあるんじゃない。意識して味わって、時に過去を思い直して味わい直して、初めて生まれるモノなんだ。
だから、全ての事に、意味はちゃんとあったけれど、予めある意味なんて一つも無いんだ!
それは幸福だって例外じゃない!
誰との出会いを幸福に感じるかなんて、誰にもわからない!
それがたとえ、昨日嫌に感じた奴だろうと、そいつとの今日や明日の出会いだってだ!
誰にも予め決められないんだ!!」
「余は我が儘欲張り気まぐれ故、昨日楽しかった事も今日つまらんと思う事などザラよ。その逆もな。余を幸福にすると言うのなら、まず、余の太鼓持ちから始めてもらわねば困るな」
「たとえ安酒でも、俺が美味いと思う酒は俺が決める。お前等如きが落伍者脱落者犯罪者と思おうと、善良な者とは、俺とマリエルで決める。お前の言う事など知った事か!」
「「「お前等如きの理想の世界とやらの為に諦めるモノを、人を」」」「余が」「「俺が」」「「「諦めてやる義理など一つも無い!!!!!!!!」」」
そして、
「俺は、自分を見捨てたくないよ」「見捨てられたくないよ」「悪い奴でも、見捨てられない友達だっているよ」
人々も、目の前の光を取り戻し始める。
「こいつらに負けたら、俺、見捨てられるかもしんない」「アイツが見捨てられるかもしれねえよ」「そんなのは嫌だ」
「嫌だよう~」
「「「勝たなきゃ、勝たなきゃ駄目なんだ!!!!」」」
なのに、
「………でも、どうやって?」
「「「―――――。」」」
光はまた閉ざされるのか?
『降伏せよ。お前たちの言う事は非合理、非効率的である。我々に管理をゆだねよ。
それが最も賢明な判断だ。
降伏せよ』
「解せぬ」
「何がです?大王」
「奴ら、まるでオルゴールか何かのようぞ。決まった演奏を繰り返すばかりで、心も揺らぎも何もありはせぬ。こ奴ら、本当に生き物か? そう思わぬか? サマンド」
「言われてみれば。疲れを感じぬなど、まさにオルゴールや話に聞く蒸気船の様です」
「であろう?」
『お前らの言う通りだとも』
「「「?????!!」」」
大王達が空を見上げると、6枚の翼を持つ天使長、ドラゴンがいた。
『こ奴らは、厳密に言えば生き物ではない。ある意味、機械であり、過去の亡霊なのだ』
その声は、一矢達にも、ブランドー達にも、地球とラ・フォーロ・ファ・ジーナの全ての人類の耳に響き渡った。
『申し遅れた。我が名は≪傲慢なる大天使長≫。告発者、サタンとも呼ばれる世界の管理者。悪しき魔法に魅入られし者達の地を統べる帝王と呼ぶ者もいる。もっとも、管理に関しては、もっぱら空を飛び回る示威活動だけで十分な効果が出るので、直接の統治などほぼしておらぬに等しい。地球に於いてなどは、お伽話の悪役に過ぎぬしな』
―第29話に続く―
『彼ら怪物達は、正確には≪不死の王≫と呼ばれる機械的な魔法、いや、呪術システムに過ぎん。生命など欠片も持ち合わせてはおらぬ。たとえ死んでも新たに身体を作り直し、何度でも情報をダウンロードすれば幾らでも替えの効く玩具だ』
「頑張れ!」
「負けるな!」
「勝てよ、絶対!」
「「「「負けるなあああああっ!」」」」
以上、次回予告でした。
さて、あれですね。
こうやって書いてみるとあれですよね。今にして思えば、ヴァーリ大王がミッデルシアに攻め込んだのって、ログホラでミナミのフロウデンが、アキバに攻め込んできたようにしか見えませんね(おい)。偶然ですが。
おかしい、今にして思えば、一生懸命織田信長をトッピングしたのに、ヴァーリ大王がクル◎・ウ◎ーバーに見えてき始めたよ。天気屋で出鱈目な漫画星人なとこが特に。エセルリーシャはマ◎姐さんだし。うん、エセル◎ーダ。
何の事かわからない人は、その内新ログホラを読み進めればわかるでしょう。
いえ、企業努力はしましたよ。大王の繰り出す戦術奇策の数々は筆者が考えましたし(当たり前や)、禅の言葉の数々で表現される、男の生き様は、世紀末覇者(聖帝?)っぽくしましたよ。
でも、あの天才長嶋茂雄の生き様の如き、常人には説明不可な出鱈目な漫画星人キャラは、決して消せなかった様な気がしますね(爆)。遊び人だし、ホントに遠山の◎さんの生まれ変わりじゃなかろうか?あの人。うん、冴◎遼。もっこり。
いや、ホントに一部参考にしただけで、色々な男の生き様を混ぜたつもりです。大王、架空の人物だし。
でも実際に日本に居たら迷惑キャラですね。ワイルドな北欧とか広大なアメリカがお似合いですよ。ええ。
何言ってるのか分かんない人は、是非とも新ログ・ホライズンもお読み頂き、まあ、参考にしたんだな、位にお思い下さいね。いえ、フィクションですから、あのままではありません。決して。ええ(言ってて自分で胡散臭い)。
日本に住みたければ、せめて日本人になれ、馬鹿(TT)。
でもあいつきっと、ひでー、俺こそ真の大和男児だぜ見損なうなよー。とか言うのよね。
うん。そう言っちゃうヤンキーいっぱいいる。でも大人になったらちゃんと日本人に落ち着くのよ、普通は。うん。
おかしい。何でこんな愚痴大会になってるんだろう。感動のラスト間際なのに。
いや、この後大王が感動の台詞を吐くのがなんか許せなくなってきて。
何であんな奴に吐かせる事にしたんだろうと思うと、哀しくなってきたんですよ。
まあいいか。当初の予定通り行こう。
長嶋だし。しょうが無いよね。
でも、うっかり王威の剣の名前を、筆者憧れの人ドゥーハンにしたのは、厨二かっこえーと思いながらも、凄く後悔したのでした。うん。そこがやっぱり許せん(結局そこかよ)。マモラとかにしときゃ良かった(マモラに失礼)。
ドゥーハン分析の人だもん。あれ、その線で行くと、俺自身が大王の腰にぶら下がってる剣? いかん、持ち手はやはり女の子がいい。そういや、某魔剣ラノベの猫娘ヒロイン、何かアカ◎キとシエラに似ててナイス。うん。あれ最高。
なんかグダグダである。
どうかお見捨てにならず、来月もお付き合いください。最後まで宜しく。
それじゃあ、まったね~。




