表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
八枚の翼と大王の旅  作者: 豊福しげき丸
27/31

最終決戦 -その2-

 一矢の、ブランドーの、大王の号令によって魔法陣が光り輝き、新魔法が発動する。

 

 クロブとオフィーリアが崩れ落ちる


 精鋭が弱兵を補い、弱兵も奮起して支えるのも、次第に限界が見える。


 梅の実がなり雨を呼ぶ6月となりました。

 今月もまた一月振りに皆様とお会いできまして、感謝感激の豊福しげき丸でございます。

 残りももう、ほんの僅かとなりました。

 となると、作家としては次の作品を書き始めねばならない訳で。

 これだけはやりたくなかった、なかったのに(TДT)。

 ええ、遂にあれです。

 

 ぱんぱかーん。

 本日同日を持ちまして、『小説家になろう』サイトにおきまして、皆様お待ちかねの『新ログ・ホライズン』第1話を、新たな?PN『東の外記・しげき丸』名義を持って、アップしますー!!

 

 まあ、試験版の第一話だけです。不評ならすぐさま打ち切り中止するシビアなこの業界の掟。第2話以降をお送りできるか否かは、まったくもって不明です。続きを御希望の御方は是非コメント等お寄せください。

 第2話のアップはおおよそ100日後となる9月中ごろを予定しております。

 それまでに人気出なければ即打ち切り。逆に早い内からご好評なら、その分早まる予定です。

 悪しからず。

 

 とまあ、すぐさま『新ログ・ホライズン』で検索しようとしたそこのアナタッ! それは個人の自由ですが、是非とも後で、本作『八枚』もお見捨てせず戻ってきてご覧下せえ、おねげえしマスだお代官様ああ!何卒そのコメだけはああ!

 いやほんと、おねがいします。

 そんな訳でこちらの本編も見てね(平身低頭)。



 八枚の翼と大王の旅 ―第27話―

 

 -1-

 

 時は一年近くさかのぼる。

 セントゥリウスとヴァーリがそれぞれ率いた、ミッデルシアとロ-ンガルド、両大陸軍の戦いの直後。

 シエラ達を始め、治癒回復魔法が使える魔術師たちは、それまでの敵味方の区別なく、兵士達の怪我を治すのに大忙しだった。

 魔法の使えないカロやジッタ等は、一矢をはじめ、自力で動けない者を馬や担架で運ぶのに大忙しである。

 そんなあわただしい一日が終わり、日が沈む頃、天幕の中でようやく一矢は目を覚ました。

「「「「一矢!」」」」

「~~~んあ?」

 寝ぼけた返事に、胸をなでおろす者あり、笑う者あり、泣く者あり。

 説教をしだす者もいれば謝り倒す者もいたが、一通り落ち着いた所で、

「ところで、なんで俺は救かったんだ?」

 そう一矢は訊ねた。

「ドラゴンの、天使長様の治癒魔法だ。感謝しろ」

 シエラが涙を拭いながら答える。

「そうかー。ドラゴンってやっぱりすげーんだな」

「人間の魔法では、普通あれだけの傷は無理でーすからねえ」

「アタシでも無理だよ」

 治癒魔法の一番得意なレイチェルが言うのだから、間違いはない。

「うーん。でも、治癒魔法って、地球で言う神の奇跡じゃなくて、こっちじゃ技術なんだろ? 何で、人間には無理なんだ?」

「そうでーすねえ。そう言う理論はミーが得意なのでお教えしましょう。まずはこれを見てくださーい」

 パランタンはそう言って、今は一矢が着る、ヨゼフの形見の鎧を出した。

「―――、傷が治ってる!」

 この鎧もカロの剣によって、一矢の身体同様、裂かれていた筈なのに、である。

「この様に、鎧を治すのも、人の身体を治すのも、本来同じ魔法でーす」


 治癒魔法とは、正確には、『複写』の魔法なのだ。

 傷を負った部分に、傷を負ってない部分の状態を真似させる、複写する事で可能となる。

 鎧ならば、欠けた部分は革や鉄粉をあてがって繕う。

 人間の肉体は、主に患者自身の血液や周りの筋肉、骨から少し材料を拝借し、繕う。

 だから基本、小さな傷は治せても、大きな傷は、患者の体力、そして何より体の材料が足りず、救からない。

 もっと大きな問題は、脳や内臓など、複雑な組織が治せない事だ。

 複雑な構造を治すには、基本、その複雑な構造を完璧に把握し、尚且つ直接肉眼で見えている事が望ましい。

 でなければ、例えば心臓ならば、ポンプの空洞であるべき部分を筋肉で埋めてしまい、やはり死に、脳ならば、計算や思考の為に必要な脳細胞に、記憶細胞を複写してしまい廃人に、と言った具合である。

 肉体の基礎知識として、医学や解剖学が得意なレイチェルでも、一矢の傷は無理だった。

 だが、天使、即ちドラゴンは、人間よりも遥かに大きな脳容積を持ち、あまつさえ、人間には無理な、透視や拡大視の魔法まで使える。

 一矢の流れ落ちた血液まで、丹念に土から分離して集め、元通りにする芸当までできた訳だ。

 

 そこまで聞いて、一矢の脳裏にある考えが閃く。

「―――――っ! 凄い剣が出来るかもしれない!」


 そうして出来上がったのが『斬徹』である。

 簡単に言えば、二段折り返し(それも四層折りで無く、あえてより密度が低く柔らかいZ折)の柔らかいが折れにくい刀身に、十五段折り返しの刀身の分子構造を複写させたのだ。

 十五段折り返しは、言ってみれば剃刀である。

 ひたすらに薄く丹念に叩き延ばしてできた剃刀だ。

 そして、三万数千層の薄い剃刀を張り合わせた、巨大な剃刀なのだ。

 故に、悪く言えば、同じく薄い生地を張り合わせたアップルパイの様に、触っただけで崩れるほど脆い。

(この例えで言えば、二段折り返しは、頑丈なフランスパンである)

 しかし、そこまで薄く丹念に叩き延ばしたが故に、完璧な金属密度と分子配列結晶構造を持つ。

 故に、恐ろしい切れ味を誇る。

 剃刀のそれを、時に上回る程に。

 そうして、頑丈な二段折り返しの刀身に、十五段折り返しの分子構造を複写させた、『斬徹』が生まれたのだ。

 

 話を現在に戻す。

 一矢の考案した新魔法も、やはり、治癒魔法の原理である『複写』を活用したものだった。


 -2-

 

「「「今だ!! あの呪文を放てっ!!!!!」」」


 一矢の、ブランドーの、大王の号令によって魔法陣が光り輝き、新魔法が発動する。

 

 まず、大地の深く、地下水脈から地表まで、魔法によって地層や岩盤が粉々の状態に『複写』され、即席の井戸が出来上がり、水が湧き上がる。

 水の勢いは、魔法によって加速され吸い上げられ、みるみる地表へと。

 更に地表の土も、『複写』によって広範囲に粉々に。

 そして、最後には、土と水は、まさしく底なし沼の泥の状態へと、『複写』された。

 最初にこの魔法の実験が天幕の中で成功した時、一矢とシエラとパランタンとレイチェルは、手を叩き、抱き合って喜んだ。


 そして、実験の時に出来上がった小さな底なし沼が、今度は、暗黒の谷で、開拓地の荒野で、隠れ里の空き地でと、広範囲に渡って発生し―――――


 ――――怪物の群れを呑み込む。

  

 三箇所に於いて、おおよそ怪物の三分の二が、この呪文に捕えられた。

 とは言え、大王達の戦いにおいては、元々怪物は別働隊に戦力を分けていたので、未だ半数以上の一万八千近くの敵が残る。

 隠れ里でも、ズーが引き受ける別働隊の127は健在。

 逆に一矢達の戦いに於いては、魔法を警戒した怪物が四つん這いだったお蔭で、腰や肩どころか頭まですべて丸ごと呑み込まれた。


 そして、この呪文の仕上げが成される。

 怪物たちが充分に身動きできなくなった処で、泥は、より粘度の高い固まった状態へ、『複写』された。

 そこに放たれる『死神の大鎌』。

 暗黒の谷に於いては、その必要も無かった。

 

 -3-

 

 ジュデッカ大陸、隠れ里。

「あ、後は頼みます」

「すみません、わたくしも」

 クロブとオフィーリアが崩れ落ちる。

 大呪文の疲労で限界が来たのだ。

「任せておけ」

 ブランドーが斬徹を構え直す。

「残りの内、20は撫で斬りにしてやる。15は任せたぞ、ザッパ、グレガン、イシュヴァーナ、ルーフェス」

「随分楽ですみやすねえ」

「ら、楽勝だろ」

「声が震えてますよ」

「うるせえ!」

「その意気だ。だが、ズーの方にも100以上残っているのだから、くれぐれも傷一つするなよ」

「はー。変なとこだけマリエルに似なくてもいーのにねえ」

「ですね」

「容赦ねー」

 マリエルはこんな時にも関わらず、堪えきれず笑い出す。

「みんな、大好きですから、怪我しちゃ駄目ですよ!」 


 -4-

 

 アフリカ大陸、暗黒の谷。

「残り、おおよそ600を割っています!」

 即席の見張り塔から、観測役の国連軍兵士が叫ぶ。

「1対3を切った―――」

 ヴァースキが呟く。

「カズヤ………、君と云う男は」

 1対3を切る。それは陣地防禦戦の戦力差において、防御側が、攻撃側よりも有利に傾いた事を意味する。

「勝ち目が出た?」

「勝てる?」

「俺達は勝って生き残れるぞ! 絶対に勝つんだ!」

 国連軍兵士達の顔に輝きが生まれる。

 言葉が通じずとも、アフリカの戦士達も、兵士達の声と顔の輝きから察する。

 もう大丈夫だ。

 俺達はこの怪物に勝てるんだと。

「そうとも、我々は勝てる!」

 その時響いたシエラの声は、戦場の全ての者に明確に理解できた。


 暗黒の谷の防御陣地は、石と鉄骨とワイヤーで築いた、山と谷の形を合わせた斜線陣だ。

 大軍の圧力で押してくる敵は、谷間の部分に押し込まれ、左右から十字槍を衝き込まれ、首を刈られ、または核を貫かれて、次々と倒れて行く。

 だが、山の部分は逆に怪物に囲まれ、高い圧力を受ける事になる。

 その三つの山の頂点の部分で、一矢は、カロは、パランタンは獅子奮迅の戦いを見せる。

 蟻兵戦術でよじ登る怪物の首を、刎ねる、刎ねる、刎ねる。

 パランタンは華麗な二刀と魔法を併せた、三刀流の捌きで。

 カロは大振りの太刀を、まるでブルハンのように剛柔併せて振るいこなし。

 そして一矢は、まるで戦国時代の騎馬武者が馬上でそうする様に、右腕一本で十字槍を縦横に突き振るい、左の小太刀でその大振りの隙を補う。

 魔法使い達も『死神の大鎌』を振るい、また、傷付き後方に運ばれる戦士の怪我を癒す。

 中でも薬物の扱いに長けたエリスロの処置と、レイチェルの治癒魔法は大したものだ。

 やがて、指揮の必要が薄くなったと見たシエラは、歌を歌い始める。

 それは、長い長い闘いと旅の日々を繰り返しながらも、故郷を目指して生き延び、やがて我が家に帰り着く英雄達を謳った、歌物語だった。

 涼やかな歌声が、戦士達の耳に染み入り、心に響く。

 必ず、生きて帰る。生き残るのだと。

 

 それは、シエラの与り知らぬ事であったが、その時、隠れ里でも、マリエルが皆を、ブランドーを励ますため、まったく同じ歌を歌っていた。

 そして、互いの声など聴こえる筈など無いのに、涼やかな声と温かな声が、完璧に重なり響き合っていた。

 

 -5-

 

 ジュデッカ大陸、開拓地、大王の陣。

 怪物軍の主力であった残り八千弱は、まるで何かの実験の様に(実際、実験だったのだろう)、蟻兵戦術で念動魔法で強固な壁と化した盾兵を乗り越えようとし、そこを後方の兵や民間人の若者から、三日月矛を衝き込まれ、ある物はそのまま三日月の刃で首を刈り取られ、ある物は動きを抑えられた所で、魔法や念動魔法の加わった石つぶてで核を貫かれたり、向こうに押し返されたりした。

 やがて、唐突に、一斉に防禦陣への攻撃を止め、一斉に転進し、1万の別働隊へ合流を図る。

 

 空中の鉄箱船。

「―――っ、何と言う鮮やかな引き際か! 大王、これは?」

「どう思う? セントゥリウス」

「おそらく、防禦陣を現在の兵力では突破困難と判断し、出城と防禦陣双方からの魔法攻撃に挟撃される不利を悟り、合流して、まずは防禦陣を相手にせず、出城それ自体を防禦陣からの魔法への壁にして、出城を先に全兵力で叩き潰す戦略に変えたのだと愚行致します」

「まーそんな処よな」

「敵ながら恐るべき冷静沈着、且つ合理的な判断。背筋が凍る思いです。何よりも恐ろしいのは、軍全てがその合理的な判断に、一切の情無く躊躇せず従う、完璧な統制。今後も一切の予断は許されません」

「アッホらしい」

「は?」

「いいか、こんなのは、教科書通りの、それ以外は◎と認めん、くそつまらんいい子ちゃん養成洗脳テストとやらの『模範的』の名を借りた、出題者の自己満足のお●ニー解答よ。クッソ下らんにも程が有る!!」

「は、はあ?」

「そんなもので余の築きし出城を、よもや潰せるなど思うなよぉお!!」

「へ、陛下、出城と言っても、兵だけで、石垣一つ柵一つ築いておりませぬっ!?」

 他の者は二人のやり取りに、目を白黒とさせる。

 幼き王サマンドだけは、眼下のこれまでの、まさしく魔法のような大王の采配を見て、次に何が起きるのかと、目をきらきらと輝かせていた。

 

 怪物たちは、追撃するジッタとカイネルの両騎馬隊に出血を強いられながらも、主力と別働隊の合流を果たし、出城に突撃する距離を稼ぐ為、一度後退する。

 出城の兵力は、騎馬隊が出撃した為、残り8千と少し、

 怪物の兵力は1万8千弱。

 その差2倍以上。

 いまだ、出城と防禦陣二つを各個撃破すれば、充分に勝てる戦力と言えた。

 対する大王軍の、防禦陣の民達に、臨機応変な動きなど期待できようも無い。


 怪物軍は、今度は鶴翼の陣で、出城を呑み込むように突撃する。

 出城の円陣は、一先ずこれを受け止める。

 だが、精鋭が弱兵を補い、弱兵も奮起して支えるのも、次第に限界が見える。

 新兵、老兵、隷兵、農兵。負傷者が次々と出、交代する者、踏み止まる者にも弱気の虫が出る。

「もう駄目だあ」

「俺達じゃ無理だよぉ」

「ハア……、年寄りの冷や水じゃったか」

 そんな時に大王からの魔法による声。

『よう頑張ったのぉ、お主ら』

「「「陛下?」」」

 彼等の瞳に輝きが僅かに戻る。

『よう頑張った。もういい、後ろに逃げよ』

「「「はあ?」」」

『命あっての物種ぞ、早う逃げよ。ほら、後ろは空いておるぞ』

 見ると、確かに、背後に騎馬隊が控えていた場所が、大きくぽっかりと空いている。

「「「う、うわあああああああ!!!」」」

 円陣の各所が櫛の様に内に向かって抜けて行き、その隙間に怪物達が雪崩のように追いかけて行く。

『へ、陛下ああ!?』

 セントゥリウスの悲鳴。

『いよっし、近衛各隊長、及び魔法騎士各隊長!、刈りて塞げ!』

 この時に温存された近衛や魔法騎士の中でも屈指の猛者が、弱兵と怪物の間に割って入り塞き止める。

 近衛隊長の振る大剣は、見事怪物の首を二つ三つ纏めて刎ね、魔法騎士隊長の念動魔法で強化された盾は、怪物の群れの突進を悠々と止める。

『引っかかった引っかかった、引っかかったぁあ!!!』

 ヴァーリが両腕で体を支え両脚を上げ、両足を掌を叩く様にバンバン叩き合わせて子供のようにはしゃぐ。

『よっしゃ、魔法騎士も近衛も、三味線を弾くのをやめ、思う存分やれい!』

「「「承知!」」」

 陣深く細くに入り込んだ怪物を、近衛の部隊が部隊ごと回転する事により、その振るう剣が鋸の歯の様に左右の怪物を切り刻む。

 また別の所では、魔法騎士隊が念動魔法によって掲げた盾で怪物達を挟み込み、圧力で身動きの取れなくなった処を、容易く首を刈る。

 また別の所では、魔法騎士の掲げた盾に押しやられた怪物が、近衛の振るう戦鎚や戦斧に押し潰される、文字通りの金床戦法が繰り広げられる。

 そこそこ戦える兵士達も魔法使いのバックアップを受け、やはり近衛や魔法騎士程では無いにせよ、引き込んだ怪物相手に、それぞれ与えられた戦術で有利に戦って行く。

『げひゃはひゃはひゃひゃひゃはヒャ! やはり逃げる者が演技で無く本心だと、よう引っかかるわい!』

 ……ヴァーリさん、アンタ、今どこからどう見ても悪者やで。

『…………』

 セントゥリウスは白くなっていた。

『ほれ、爺、坊主、チンピラ!』

 ヴァーリが激を飛ばす。

『お主らよう休んだであろう。今こそ美味しい所の頂き時ぞ! 一丁気張ったらんかい!!』

「お?」

「お、」

「「「おおおおぉおおぉお!」」」

 近衛や魔法騎士の隊長たちが、彼等の為に道を開けてやる。

 怪物たちは彼等を見て、また罠かと判断に苦しむ。

 本来弱兵の彼等が、それを見て怯んだと思い込み、調子に乗って斬り込む。

 彼等の剣は、たとえまぐれでも何体かの怪物の首を刎ね、それを見てまた調子づいた者がまた続く。

 弱兵達が、見る間に精兵に変わって行く。

 怪物達は押し返される。

 だが、やはり戦い慣れしていない、または老体の分体力の消耗が激しく、勢いが長続きしない。

 しかし――

『ほれ退けい!』

 ヴァーリの号令で、ホッと一安心とばかりに遠慮なく後ろに下がる。

 怪物は罠と思い、彼等が休むのをそのまま見逃す。

 実は弱兵が頑張る間、また近衛や魔法騎士も手を抜き、半ば休んでいた。

 弱兵が休む間に精鋭は蓄えた体力で戦う。

 弱兵は回復すると調子に乗って前に出、やられそうになるとまた下がる。

 精鋭は彼等の動きを利用して怪物を討ち、また時に休む。

 怪物は何が罠でそうでないかの判断に苦しみ、また全軍で退く事となった。

『どうよ、セントゥリウス。我が築きし出城は?』

『――――――――』

『お願いだから、もうこれ以上いじめないであげてクダサイ』

 白くなったセントゥリウスの後で、やはり白くなっているキーパだった(いと哀れ×2)。

 人は石垣、人は城。

 ってこれ、文字通りの意味じゃ無かったでしょう?信玄さんっ!?

 

 ―第28話に続く―

『我々は公正で厳格な支配者、最も良き世界の管理者である。

 落伍者、脱落者、犯罪者に容赦はしない。善良な者は安心して暮らせる理想の世界を提供すると約束しよう。

 世界の管理者ドラゴンにも、我々が世界の管理者として相応しいと認めさせれば、管理者の座を正式に譲り渡すとの言質を、3千5百年前に既に得ている。

 今がその時であり、それは証明されつつある。

 降伏せよ。

 無駄に苦しむな。我々の支配を受け入れ、揺り籠の世界で永遠に幸福に生きるがいい。

 繰り返す。降伏せよ』


 以上、次回予告でした。

 さて、またもや武術ヲタクコーナー。

 何故か秘伝誌を見ていると、摺り足について良くわからないの声がちらほら。

 えー、多分他の流派の御方は殿中作法や道場練習ばかりで、野外での実用の伝承が途絶えているからだと思われます。

 なんか、本作のFSSでのGTMを例えにした解説で伝わってるだろうと勝手に思い込んでおりましたが、ここで改めて説明をば(単に誰にも読まれていないと言う可能性もあるのですが(苦笑))。

 まず、道場での摺り足の形は、単に摩擦が低すぎる板張りだからそうなるだけです。殿中でもそう。

 野外では、先足を草の上を撫でるくらいの高さに浮かす事が基本となります。そうするには、常に荷重は送り足に乗せておく、中国武術で言う所の虚実分明が、無論前提となります。

 更に石などに足を取られぬよう、甲の角度を『橇の如く』軽く上げると、先足を地に着ける時に、二天一流で言う所の、『踵を強う打つ』になる訳です。

 因みに爪先は板張りでも軽く上げますが、何故そうかは内緒おい。理論でお考えお感じになればわかるはずです。

 まあ、この手の話を昔某ネトゲ上でもしようかと思ったら、持ちキャラの『五輪の書の研究をしている』の設定をスルーされ、淋しい事が有りましたねえ(遠い目)。

 その後のカズ彦(仮名)や、ソウジロウ(仮名)、そして何より柏木咲ハンドルネームさんとの出会いは、まさしく一期一会でした。あ、ついでにままれさんも(ついでかよ)。

 そもそも、それが無ければ本作及び前作を描いてはおりません。

 まさしく武縁ですね。

 その武縁の様は、勿論新ログ・ホライズンでも描かれますので、武術、武道の趣味の御方もどうか本作に引き続きお願いいたします。でも結構ギャグもありなので、そこの所は御寛恕を。

 それでは、新ログ・ホライズン第一話と、来月の本作、次回次話でまたお会い致しましょう。

 まったねー。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ