魔法少女のウォーゲーム⑤
「たっだいまー」
莉音と千代子が職員室から教室へと帰ってくると美春が千代子に飛んできた。
「ちよちよ! 見てください!」
「どいた?」
美春が自分のカバンの中を千代子に見せると。
「す、すみれ!」
「プリヴェート! 千代子」
「どうして、生きてる……のか」
「うーん、電子的には?」
千代子が狼狽してるとマキャファートが口を開いた。
「肉体のデータ化だよ」
「はっ? どういうことちや」
「魂は電脳世界で生きてる」
「現実世界では……」
「……それは」
「………………まぁ、そんなことを期待しちゃあいかんと思うけんど」
「…………それがいいと思うよ」
千代子はやはり生き返ることなんて不可能なのだろうと思い、それ以上何も言わなかった。
「はいっ、みはるん。みはるんのスマホだよ」
「あっありがとうございます。莉音さん」
「うーー。みはるん、かわいい」
莉音が美春を抱きつこうとするが、それをガシッと千代子が莉音の頭を掴み止める。
「それより、敵が来ちゅうがやろう」
「そうそう。莉音、美春、千代子。戦闘が始まる。外に出よう」
「うん、そうだね」
「わかりました」
「わかったちや」
莉音、美春、千代子、マキャファートとデータ化したすみれたちは校舎を出て運動場へと来た。
「貴公ら、すみれ殿を知らぬか?」
運動場には、黒髪をなびきながら、太刀を持ったアイラが屹立していた。
「くっくぅ」
初音川の河川敷に全身を叩きつけられた志穂は目を覚まさす。
「っ!? 何? これは」
志穂は目の前に浮かぶ文字と数字を読む。
「……経験値のかけら……6個?」
莉音は経験値のかけら6個を手に入れた。
「……経験値のかけらって、はっ!?」
志穂は思い出す、マキャファートの言葉、ヴィルの言葉を。
「たしか、『レベルアップには経験値のかけらが必要』で、その『経験値のかけらはちゃんと負けなければならない』」
志穂はスマホから魔法少女アプリのパラメーターアプリをタップしステータスを表示した。
そこには攻撃力、防御力、スピード、攻撃魔力、防御魔力、命中力、回避力、HP、MPとパラメーター(変数)があった。
その欄に経験値の欄もあり、0/6と書かれていた。その下にEnterキーがあり、ここを押せば……。
「経験値のかけらを溜まりレベルアップする。……やるしかないわ」
志穂は決意し、Enterキーをタップした。
その瞬間、ぱあぁと蒼色の粒子が舞い、志穂を包む。
志穂はレベル2からレベル1へと『レベルアップ』した。
「えっ? ちょっと待って2から1へとレベルアップしたの? レベルダウンじゃなくて?」
志穂はマキャファートから聞かされてないがレベル2が最低のレベルである。そこから数字が増えていくのが普通であるが、特別なレベルがある。
レベル255が最高であるがレベル1やレベル0は最適である。
高ければ強いというわけではない。
向いているレベルがあるのだ。
それが志穂にとってレベル1が現在の最適となった。
最適のレベルの魔法少女。それが志穂だ。
「見た目は変わりないわね」
志穂は自分の容姿を見る。ブルーのコスチュームに変わりない。羽など生えてない。
「でも、沸き上がる」
それは、オーラ。
志穂の身体から、刀から蒸気のように沸き上がる蒼いオーラ。
「アイラ・ミカラギ・スタインバーグ。
待ってなさいよ、必ず今度は倒すッ!!」
轟っと志穂は決意を口にする。




