表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
レベル255の魔法少女  作者: パラドックス
第一章 魔法少女たちのロール
8/93

種族値の差

「あ、あの色々と訊きたいことがあるんですが……」

「なんだい?」

「あなたは、一体何なんですか?」

「僕はマキャファート。魔法少女を産み出すもの」

「??」

 美春は小首を傾げる。

「僕の国は悪いヤツラによって侵略されてる。おそらく今この瞬間も」

「えぇ!?それって、まさか戦争!?」

「どうだろうね、戦争と呼べるものかどうか。まぁ、ヤツラによって奪われた領土もある財産も国民も」

 マキャファートは少し寂しそうな顔をした。

「美春、マキャファートに協力してはくれない?」

 志穂が優しい声で言った。

「………そうですね。困っているんですよね。戦争は怖いですけど」

「大丈夫!みはるん!私がいるから!」

 莉音はそう言うとまたしても美春に抱きついた。

「ぅゎ」

「莉音!だからやめなって」

 抱きつく→苦しい→ひっぺ剥がすの勝百合の方程式が完成していた。

「うん、莉音はMPが1844京6744兆0737億0955万1616もあるからね。ずっと回復し続けるから倒れることはないよ」

 マキャファートにとっては、莉音という存在はとても重要である。

「あれ、あんなに回復魔法使ったのに莉音さんのMPが1しか減ってない」

「あー美春気付いたか、それは高レベル者の優遇措置ってやつで……」

(あれっ、莉音さんって……ちょっと距離取られてる?)

「えーー!そうなんですか!?すごいです!」

「志穂ちゃんとは違う反応だ!」

「悪かったわね。ずるいなんて言って」

「しーちゃんはどうなんですか?」

(えっ、志穂ちゃんのことはしーちゃんって呼ぶの?)

「わ、私はレベル低いから。燃費も悪いし」(ってかしーちゃんって呼ぶのね美春は)

「そ、そうなんですか。じゃあ、私はどうなんでしょうか?」

「うーん、私はレベルが低いからHPとMPと経験値しかみえないから。マキャファート、どうなの?」

(あれっ、志穂ちゃん?私も隠しステータス含めていろいろわかるんだけど……)

「美春のレベルは37。HPは2400、MPは3675だね、経験値は、ああ…1/4個ある」

「えっ、経験値が四分の一ってどういうことですか?」

「経験値は数量ではなく個数で表すんだ。ちまちまスライムを(ry

で、経験値のかけらが必要なんだ。

かけらは4つ揃うと経験値が満タンになってレベルがアップする」

「そ、そうなんですか。個数ですか。」

「いや、ちょっと待て。なんで、私がこんなにも差を感じなければならないのよ!HPが112、MPが159まではいい。しかしレベルが35も違うだけでHPの差が2288、MPの差が3516というのはどうなの?

普通に考えては200前後位にならないの?」

「何を言ってるんだい?違うのは当たり前じゃないか」

「えぇ!?そうなの?」

「そうだよ。だって、志穂と美春は『種族』が違うじゃないか」

「種族!?いや、私たち同じ人間!日本人!大和民族!」

「……あのね、アイドルと金持ちを一緒にしないでもらえる?スライムとドラゴンの種族は全然違うだろ。そういうこと」

「いやいや、アイドルは仕事!金持ちはもともと!」

「志穂ちゃん、『金持ちはもともと』ってすごいことをさらっと言えるね」

「うっ、うるさいわね」

「僕からすると努力で手に入れたものだろうが、親から受け継いで貰ったものだろうが、関係ないよ。

どちらにせよ、自分を構成する一条件に過ぎないから。」

「え、えー。でも、」

「種族値ってものがあるんだよ。今の君には見えないだろうけどね」

「種族値!?」

「あと、努力値も」

「努力値!?」

「努力値は、どれだけ何かに努力を振ったかでステータスに影響が出てくる。

美春の場合はアイドルとかだろうね」

 因みに、個体値というものは存在しない。これから出てくることもない。

 それと余談ではあるが、種族値、個体値、努力値は公称ではない。基礎ポイントが公称。

「種族値、努力値の違いから生まれる差。それを不公平だと嘆いては困るよ。この世の現実はもっと不公平だよ。

生まれた国が、時代が、親が、性別が、人種が、違ったらなんて、思ってるだけで無駄だよ。

より良い人生にしようと努力した方が非常に簡単だよ」

「……ぅぅう」

 志穂はぐぅの音もでなかった。

 正論は、人を傷つける。

「あっ、みはるんのロールは……」

「妨害だね」

(えっ、マキャファート?なんで?私がみはるんに言おうとしてたのに。ってかマキャファートのほうが妨害だよ)

「妨害って、なんか嫌です。良いイメージがしません」

「そうかな?僕はこうも考えられると思うよ。

相手の行動を麻痺させる。それは、自分達にとっては有利に働くし、サポートにもなる」

「そ、そうかな?」

「そうだよ」

(まあ、アイドルってやつは人を惑わす。貢いだ金は戻ってこないし、なかには破綻するやつもいる。ほんと、人の生き路を妨害する。大概の人間は気づかないだろうけど)

 マキャファートはマスコットの姿をしているが腹の中はマスコットらしくない。

「あぁ、それとみはるんの属性は電気だね。

因みに、私たちは無属性で今のところみはるんだけ電気属性なの」

「そ、そうなんですか」

 美春は三回目のそうなんですかを言った。

「そして、特異性は『波』だね」

(また、マキャファートに取られた!?)

「と、特異性って何ですか?」

「その属性の特異なところ。

 電気と言っても種類はいっぱいある。

 発電なのか、蓄電なのか、放電なのか。

 美春はおそらく電波が特異なんだと思う」

「そ、そうなんですか」

 四回目。

 美春はいろいろと訊きたいことを訊いた。

 楽しい時間はあっという間に過ぎた。

 ……楽しい。

 美春はマキャファートたちとの会話が楽しいと感じた。

 美春はなかなか学校に行けず同年代の友達がいなかった。ぼっちじゃなくて、孤高だから。孤高。

 だから、美春は自分の思いの丈をぶちまけた。

「あ、あの。私と友達になってくれませんか?」

 美春は顔を朱に染め恥ずかしながらも言葉にした。

「もちろん!(ノ≧▽≦)ノ」

「ぅっゎぁ」

「はいーー、莉音、抱きつくのはよしなさい。」

 またしても、莉音は嬉しくて美春を抱き締めた。そしてまたしても志穂がひっぺ剥がした。

「美春。私も、もちろんよ。また、明日学校でね」

「えっ、学校同じだったんですか?」

「その制服見ればわかるわよ」

 電磁フィールドが解いたあと美春は制服姿に戻っていた。

 志穂は私服だったが、莉音は制服でしたよ。

「ほら、もう今日は遅いからね。また明日」

「……はいっ!また明日ですっ(^^)」

「みはるーん、また明日ね」

 莉音は志穂に襟首を引っ張っられて言った。

 しかし、莉音は相当嬉しかった。みはるんの友達になれて、みはるんの家を特定してと。

 美春は莉音たちを見送ったあと、マキャファートにも挨拶を言おうと振り返ったがもうすでにいなかった。

 今夜の空は昨日と同じく非常に綺麗だ。

 空にも地上にも一際輝くスターがあった。





 一週間後。

「今週の第5位は」

 パタパタパタパタ、ジャン。

「美春さんの『ビリラブ』です」

パチパチパチパチ

「おめでとうございます。第5位ですよ。先週から順位が上がりましたね」

「はいっ、ありがとうございます(〃⌒ー⌒〃)ゞ」



「土吉さん、みはるんなんだか輝いて来ましたね。先週とは違う」

「えぇ、ありがとうございます。私も嬉しい限りです」

 マネージャーは先週、美春から友達ができたと報告を貰った。

 おそらく学校が充実してきたのだろう。

 それが、美春の原動力にもなっているだろう。

 マネージャーは親心か、美春は成長したなぁと感心していた。

 美春、より綺麗になったな。




「~♪」

 マキャファートは街の電器店のテレビを見ていた。

 見ていたテレビ番組は『頂10』

「なるほど、これは電波な歌姫だ」

 マキャファートは何かを確信した。

「いやーそれにしても、電磁波を扱えるってことはX線とかで、人体を透過できないかな。妨害電波とか流してくれないだろうか。傍受でもいい。僕のなんて、ただ魔法が使えるだけの電磁フィールドだし」

 マキャファートはあれこれ述べながら電器店を出た。

「まっ、ヤツラもなんらかの対策はするだろう」

 マキャファートは高く跳躍した。

 建物の屋根屋根を跳びながら。

「もう少し。もう少し、魔法少女が揃えれば」




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ