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レベル255の魔法少女  作者: パラドックス
第二章 第一版世界
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実質8兆円


 志穂は自分のスマホの通話アプリをタップしマキャファートに電話をかけた。

 通話音が8回くらいなっただろうかようやくマキャファートは電話にでる。


「珍しいね。君からかけてくるのは。何だい?」


「率直に言うわ。超越通貨を替えれる場所を教えて欲しいの」


「くくく。そんなの君が知ってどうするんだい?」


「どうするかは、あなた次第よ」


「………………」


「どう?マキャファート」


「どこか落ち合おう」


「じゃあ、天月町の駅前のカフェテリアで」


「わかったよ」


 プツと志穂は電話を切った。

 志穂は超越通貨の両替商の場所を知らない。

 では知っている人物は誰か?

 ヴィルかアイラかマキャファート、もしくわ他の見知らぬ誰かか。

 ヴィルとアイラは一応敵だし、連絡先は知らない。

 ならマキャファートはどうだろうか。

 両替商の場所を知っているかどうかは志穂は知らない。

 ひょっとしたら知らないかもしれない。

 けどラピュータのときマキャファートは強気にヴィル達から不平等過ぎるレートで替えろと言った。

 もしかしたら、今現在の両替商から言われたレートでは割りに合わないから、自分より弱い立場の人間からふんだくろうとしてたのではないだろうか。

 都合のいい解釈だが、今はそれで考えなきゃ前には進まない。


「でも、スーパーカレンシーライセンスが必要なのよね」


 志穂の言う通り、国際通貨を超越通貨に替えたかったらスーパーカレンシーライセンスが必要だ。

 スーパーカレンシーライセンスを手に入れるには聯盟が定めた厳しい基準を聯盟が認めた監査会社から合格の判を貰わなければいけない。

 しかしそれは正規の手順だ。

 もしかしたら、スーパーカレンシーライセンスは裏のマーケットで売られているかもしれない。

 経済・商売の基本、需要と供給だ。

 スーパーカレンシーライセンスが欲しいという需要。

 スーパーカレンシーライセンスを売りますという供給。

 需要と供給が成り立てば商売は成り立つ。

 志穂はおそらくその需要はあると思っている。

 現にマキャファートが欲しいと言っていた。

 いや、違った。

 マキャファートは欲しいのはスーパーカレンシーライセンスではなくて、超越通貨の方だった。

 しかし、もし、これから正規の方法で超越通貨を手に入れようと考えるならスーパーカレンシーライセンスは持っていて損はないはずだ。

 マキャファートは無自覚に間接的にスーパーカレンシーライセンスが欲しいと言っているようなものだ。

 そう志穂は解釈した。


「でも、売っているとは限らない」


 志穂が疑念を抱いているように、裏のマーケットてスーパーカレンシーライセンスが売っているという証拠もない。

 そもそも裏のマーケットが存在するとは限らないし無いとも言える。

 いや、現にマキャファートがスーパーカレンシーライセンスを持っていないのだから裏のマーケットで売ってないのかもしれない。

 マキャファートが裏のマーケットの存在を知らないとは考えにくい。

 志穂にとってマキャファートは狡猾なネズミだという印象がある。


「まぁそれもこれもマキャファートに訊けばわかることよね」


 志穂はあれこれ考えることは止め、マキャファート頼りになるが訊くまで頭をフラットにした。









 志穂はマキャファートと待ち合わせにしてた駅前のカフェテリアに着きアイスコーヒーを飲んでいた。

 アイスコーヒーが半分くらいになるとどこからともなくマキャファートは現れた。


「キャラメルマキアートを頼んでよ」


「!?」


 実に気味の悪い登場の仕方だ。

 飲んでいたアイスコーヒーを吹き出しそうになった志穂は店員を呼び追加としてキャラメルマキアートを頼んだ。


「悪いんだけど、僕が頼んだキャラメルマキアートの代金、君が払ってもらえるかな?この頃金欠で」


「…………別にいいわ」


 志穂はマキャファートの言うことを受け入れたが信じてはなかった。

 この頃金欠とは笑わせる。

 つい最近まで何千万とあるようなことをあの会談で言っていたではないか。


「それで、話なのだけれど……」


「あっ待ってよ。まだキャラメルマキアートが来てない」


「………………」


 志穂は心の中で静かに怒りに震えていた。

 マイペースだな。しかしペースを主導権をとられると相手の思う壺だ。

 案外マキャファートは交渉事には長けているのかもしれない。

 志穂の心の中の怒りが冷めた頃にキャラメルマキアートはやって来た。


「うんうん、これこれ」


 マキャファートは嬉々としてキャラメルマキアートを頂く。


「じゃあ、話をするわよ」


「うん、どうぞ」


「超越通貨を替えれる両替商をあなたは知ってるのかしら?」


「知ってる」


「っ本当!?」


「あぁ。んで、君は超越通貨をいくら替えるのさ。日本円?米ドル?」


「とりあえず日本円4兆円と米ドル200億ドルあるわ」


「くく。実質8兆円じゃないか」


「いいえ、4兆円と200億ドルよ。リスクヘッジね」


 この場合のリスクヘッジは為替変動による資産の損失防止である。

 志穂にとっては超越通貨と国際通貨の為替はまったくわからない。

 もし日本円が暴落したら、4兆円が2兆円にまで目減りしたら大損失で大変だが。米ドルは暴落せずそのままなので、別に100億ドルになるというわけではなく200億ドルのままで無傷ということだ。

 仮に全部日本円にしたら8兆円が4兆円になるということで損失は2倍に酷くなる。

 志穂は念のために日本円と米ドルに分けたのだ。


「下級金貨4枚分かな。1円1スーパー円ならば。まぁ、上級金貨は1000兆円からだからさすがに上級金貨は無理だろうけど」


「東証一部の時価総額でも無理ね」


 ちなみに80年代の東証の時価総額はプラザ合意もあって後半は劇的に上がっている。

 だいたい平均すると262兆5000億円くらい。

 89年になると600兆近くになる。


「ふむ。で、そのぐらいの資金を超越通貨に替えてどうするんだい?」


「スーパーマーケットって知ってるわよね。そこで【お買い物】よ」


「お買い物ねぇ」


「さっいいでしょ。両替商の場所を教えてくれるかしら」


「それはまた今晩ね」


「っ!?いや、ちょっと今教えなさいよ」


 マキャファートはズズッとキャラメルマキアートを飲み干した。


「今晩は予定を空けといてくれ。また連絡する。それと莉音にも言っておいてくれ」


「なんで、莉音が必要なのよ!?」


「スーパーカレンシーライセンスが必要だからさ」


「っ!?」


「それじゃあ、ちゃんと伝えてよ。ちょっと空けといてくれよ」


 そう言ってマキャファートは何処かへ消えていった。


「……莉音が…………スーパーカレンシーライセンスを…………?」


 志穂はスーパーカレンシーライセンスの条件を知らない。もしかして莉音がそれに適してるのかもしれない。いや、すでに莉音がスーパーカレンシーライセンスを……持っている…………のか。


「どういうことなの……」










「もしもし、志穂ちゃん?何?」


 志穂はマキャファートの言われた通り莉音に今晩マキャファートと一緒に合うことを伝えた。

 完全にマキャファートにイニシアチブを取られている。

 それも仕方なく志穂はマキャファートに頼るしかなく今はまだ強く出れない。


「そう……なの。うん、わかった。行くよ。どこに行ったらいい?」


「あぁ、それはマキャファートから連絡来ないとわからないから。まだ何とも」


「そう。うん、わかった」


「ねぇ莉音」


「んっ?何?」


「莉音はスーパーカレンシーライセンスって知ってるかしら?」


「えっ?何それ?」


 志穂は莉音の反応を慎重に確かめる。

 惚けてる雰囲気ではない。

 本当に知らない……?


「おそらく、あとでマキャファートから聞かされるだろうと思ってね」


「そう、なんだ」


「じゃあ、ちょっと天月町の駅前のカフェテリアに集合しない?」


 時刻はもう夕方だ。マキャファートの言う今晩はいつなのかわからない。


「うん。いいよ」


「じゃカフェテリアでね」


 そう言って莉音が通話を切るまで志穂は通話を切らずに待った。


「どうして莉音が必要なのかしら…………」


 志穂はそう呟いて。莉音がカフェテリアに来るまでもう一杯のアイスコーヒーを頼んだ。










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