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レベル255の魔法少女  作者: パラドックス
第二章 第一版世界
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バカとエリート


 マズローの幸福欲求理論というものがある。

 マズローの欲求5段階説に属するものである。

 

 1段階は生理的欲求。

 食欲、睡眠欲、性欲、呼吸、排泄のことだ。

 2段階は安全の欲求。

 無病息災、道徳性の保証、雇用や資源の安定、財産の維持などのことだ。

 3段階は社会的欲求。

 友情、愛情、家族、仲間が欲しいなどの事だ。

 4段階は尊厳の欲求。

 貢献感、他者に認められたいなどのことだ。

 5段階は自己実現の欲求。

 自分がなりたいものへの欲求などのことだ。

 そしてそれらの上に、自己超越がある。

 自分を越えて特定個人や人々を幸せにしたいという欲求のことだ。


 これらの欲求を叶えて人はようやく幸せを感じる。

 生理的欲求を例にあげる。

 食欲<睡眠欲<性欲、この順に幸せを叶えやすい。

 食欲は満腹になってもう動けないっていう風になると幸せを感じる。

 これは非常に簡単だ。誰でも出来るだろう。

 睡眠欲は目覚まし時計なんぞに邪魔されずぐっすりとたっぷりと熟睡出来て快眠ができれば幸せを感じる。

 性欲は相手がいないと無理な場面が多い。一人でも処理はできるが、基本性欲とはセックスのことである。

 セックスは愛欲で、満たされればそれは気持ちが良く幸せを感じる。


 幸せの感じ方には個人差はあれど所詮人なんてこんなものだ。

 3段階までは低次欲求でそれより上は高次欲求である。

 ハッキリと言えば低次はバカ、高次はエリートである。

 バカなんて腹一杯に飯を食って、たっぷりと昼寝をして、パートナーとセックスをして、外は台風のなか家でテレビでも見て、伴侶と子供にキスをして、出世欲のないままの人生を送ればいいんだ。

 そうやって中流層のサラリーマン人生を送ればいい。所詮お前はその程度の人間だ。

 しかし、エリートは違う。

 エリートはキャリアを積んでノンキャリより多く給料を得て、国家的なプログラムにも参加して大成功をして、バカ共を虫ケラのように束ね動かし体力的な労力はなく甘い汁はエリートが啜って、日本を世界を豊かにし、世界貢献をする。

 

 バカとエリートではとても大きな違いがあり差別だなどと不平、不満を漏らすのはいかがなものか?

 そしてバカはエリートに搾取されていることに気付かない。

 軍事兵器とか、悪法とか、不公平なシステムとか、基本的にエリートが考えてエリートが作る。

 ではエリートがいなくなった世界はどうだろうか。

 バカばっかりの世界は最高だろうか。

 バカは何にも考えず、悩まず、困らず。

 エリートがいないから嫉妬もない。

 食う、寝る、オナニーしとけばバカは幸せだ。

 ハッキリ言ってそんな世界はゴミだ。

 だから、エリートは必要だ。

 どの国でも、どの時代でも。

 エリートがバカ共を引っ張り、世界を創造する。

 きっとそれもまた、リアルの一つの真実なのだろう。








「志穂、なんとか話が決まりましたわ」


「本当?」


「ええ、融資ですけど」


「それでも構わないわ。きっとその額に見合うことをする。」


 融資は借金だ。利息があり返さなければならない。

 資金需要者が財政状態、経営の状況、業務の内容、信用情報、担保の価値などの基準を満たしているかどうか内部調査を行い、審査を通過したものに対して資金を貸し付けている。

 エリシアと志穂は旧知の仲だ。

 どうゆう人物か知っている。

 日本ではほとんど行われないがアメリカでは事業評価の専任のプロなどを用いて、担保が一切ない法人、まだ実績がない法人、純粋に事業の成長可能性や資金を投入した場合に将来生むであろう利益を評価して、融資を行っている事が多々ある。


「私たちの傘下の投資銀行ロック・フォードが信用貸しで融資差し上げてあげます。200億ドルあれば十分ですか?念のため400億ドルを用意するよう伝えておきます」


 80年代の円ドル相場はプラザ合意もあって乱高下している。10年分を平均すると198.91967円となっている。よって80年代の円ドル相場を1ドル200円とする。

 それとエリシアはロックフェラー財閥で、元々ロックフェラー投資銀行とフォード投資銀行が合併してロック・フォード投資銀行となった。


「そりゃ、4兆円もあれば簡単に買えるかもしれないけど、ってかそんな額を信用貸ししてくれるのね」


 信用貸しは貸し手が借り手を信用して、担保・保証なしで金銭を貸し付けること。


「ええ、志穂のビジネスなら」


「……言っておくけど、貴女の信じない魔法なのよ」


「核兵器に匹敵するものなのでしょ」


「まぁ、そうだけど」


「それと、条件があります」


「何?言って」


「北米とヨーロッパ全域とソ連全域において、その核魔法?の事業権、使用権をすべてを譲り渡していただきます。志穂はそれ以外の地域で」


「つまり、日本いやアジア全域、南米、アフリカは……」


「そうです」


「……核魔法ではなくてMADボムと言って、まぁ歩く核兵器とも思ったらいいのだけれど。

 MADボムの使用つまり爆発は欧米とソ連の地域では貴女が使用権を持ち、それ以外の地域は私がドンパチと爆破しまくっても構わないと」


「いえ、爆破しまくってはダメです。在日米軍など世界各地にアメリカ軍がいますのでくれぐれも…………です」


「欧米ならまだわかるけど、同盟国である日本や韓国を含むアジアや米州機構やNATOだけどヨーロッパではないトルコも私の範囲になるのだけれど……」


「同盟国は大事です。しかし日本は志穂がとっておいた方が良いでしょう。ですのでそれ以外の地域はよろしくお願いいたします」


「……ソ連は譲れないのね」


「……ソ連の原子力潜水艦のスクリュー音が小さくなりましてね…………」


「日本の優れた技術によって小さくなったんでしょ。まぁ流出してしまったのは仕方ないけど」


「そういうわけです。それで志穂、超越通貨はどこで替えることができるのです?」


「それはまだ言えないけど、大丈夫よ」


「そうですの」


 1スーパー円1円のレートだと8兆スーパー円。

 下級金貨8枚が手に入れられる。

 志穂はスーパードルではなくスーパー円に替えるつもりだ。


「じゃあ確認するけど、ロック・フォード投資銀行天月支店から400億ドル約8兆円の融資」


「そして、欧米とソ連での使用権は我がロックフェラー家が貰います」


「継承システムの購入、すなわちMADボムの購入ね」


「ええ、それでお願いいたします。志穂」


「うん、わかったけど、……MADボム……使うの?貴女の家は軍産複合体というのはわかるのだけれど……」


「志穂、エリートの経営者は経済だけ勉強をすればいいのではありません。政治も社会も軍事も思想も勉強せねばなりません」


「知ってるわ。ビジネス書を読むのはサラリーマン。経営者はビジネス書を執筆するのであって読まない」


「この世界はとても腐っていますわ。

 上位0.000001%の人しか知らないでしょうし、99.999999%の人には死ぬまで関係のないことでしょう」


「悪も正義も、暴虐も倫理道徳も、光も闇も、表も裏も、死も生も、ごちゃ混ぜにしてるのよね。リアルってやつは」


「おそらく、それが世界で、人間でしょう」


「………………」


「………………」


「あはは、なんかしんみりしちゃったわね」


「いえ、別に構いませんわ」


「そうだね」


「………………志穂」


「何?」


「死なないでね」


「エリシアもね」


「…………。では私はこれからニューヨークで国際平和会議がありますので……」


「うん、わかったわ。じゃあ」


「ええ。Take care.」


「Take care of yourself.」






 二人が別れの挨拶をしたあと、ブラウン管のテレビはプツンと言って画面は真っ暗になった。


「強くなきゃ勝てない」


 志穂はひしひしと感じていた。このままではマキャファートに搾取され続ける。

 搾取されないためには強くなきゃいけない。

 武力的な強さは志穂は併せ持ってない。

 しかし資金力の強さは持ってる。

 魔法少女たちに団体交渉権などがあるのかどうかはわからない。

 しかし私たちは奴隷ではないことマキャファートに示さなければならない。

 私たちとマキャファートは対等だ。

 それを一番わからせるには、核つまりMADボムをマキャファートではなく魔法少女たちに権限があると。

 おそらくその方法が良いだろう。


「核と金を持てばマキャファートもそう簡単にはいかないでしょ」


 核、つまりMADボムのこと。しかしMADボムはマキャファートの電磁フィールド下ではないと発動できない。

 依然マキャファートの有利は健在である。


「あとは強力な組織力があればいいんだけど」


 魔法少女たちはラピュータの件で少し仲に罅が入った。

 団結には共通する敵が必要だ。

 しかし五人が利害一致することは一体何だろうか?


「…………はぁ」


 志穂はため息をついた。

 これからのことを思うと憂鬱にならざるおえない。








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