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レベル255の魔法少女  作者: パラドックス
第二章 第一版世界
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志穂の困惑



「青春をしろ。魔法少女たち」




 アイラはそう言い残し、志穂に五人分のラピュータからバルニバービへの軌道エレベーターのチケットを渡した。

 城からラピュータの軌道エレベーターまでは黒いロールスロイスファントムが無料で送ってくれる。

 バルニバービの軌道エレベーターから海港へと無料ハイヤーが送ってくれるので地上も問題ない。

 あとはバルニバービに停泊してある志穂の船に乗ってハワイの別荘に帰るだけだ。


「………何無責任なことを言ってるのよ。あなたは……」


 志穂はアイラに不満をぶつけた。

 アイラは五人の仲を掻き乱した。

 五人の仲に僅かな罅が入った。

 しかも、マキャファートに付く側が三人で多数派だ。志穂とすみれは少数派だ。

 志穂とすみれは今すぐの離反は望んでない。

 そしてこの五人の仲を壊したくない。

 だから志穂は現在の状態を甘んじなければならない。

 志穂にとってはマキャファート嫌な上司だ。

 だけど四人は最高の仲間だ。

 相反する気持ちが渦巻き志穂を苦しめる。


「…………悪かった」


 アイラは志穂だけに聞こえる声で言って、部屋を去った。






「…………よろしいんですか?」

「何がだ?」


「…………MADボムやネズミの件などです」


「彼女たちには申し訳ないけど我々の国益のためでもある」


「…………仲違いがですか」


「彼女たちが魔法少女になったのは不幸だ。できれば元の普通の女子中学生に戻って欲しい」


「…………仮にネズミと離反を決定的にしても、そう簡単に引き下がるヤツではありませんよ」


「おそらく何らかの手を打つだろうが、依然我々は有利だ」


「…………そうですか」


「それより早急にMADボムの廃棄を考えなければならん」


「…………継承システムを購入するにしても継承者や彼女の確保をしなければならないのですが」


「今はまだ法的に拘束はできん。継承者もなんとかネズミが何らかの行動をする前に見つけねばならん。まぁ継承システムの購入はMADボムの廃棄の目的とすれば、通りやすいだろ」


「…………上に通りますかね」


「通るだろ。実質安い金額でMADボムが買えるのだからな」


「…………ネズミ、もしくわ魔法少女たちが先に継承システムを買ったとしたら……?」

「ありえん。ネズミの資金力は未知だがノーライセンスで超越通貨は一つも持ってない。

 彼女たちもノーライセンスで超越通貨を一つも持ってない。それに資金力がそれほどあるとは思え……いや志穂殿のバックに強力な者がいるが、それでもそう簡単にはならん」


「…………では、これで……」


「あぁそうだ。もし今度ネズミを見かけたら、」


「殺せ」


「…………承知いたしました」







 莉音、志穂、美春、千代子、すみれの五人はハワイに戻ってきた。


「ちよちよ、これすっごく大きいですね。ちよちよのお店でもやらないんですか?」


「それは、ロコモコ。いや、やれんことはないけんど、そんなにアメリカンにでこうは出来んぞ」


「そうなんですか。じゃあトロピカルジュースとかどうですか」


「まあ、考えちょく」


「そうそう、みはるんはメロンが好きなんだよ。ねぇ、みはるん」


「あぁ、そのブームは終わりました。今はキウイがナウいらしいので」


「ええΣ(Д゜;/)/ そうなの!?」


「そうだ。スミーは何かちよちよのお店に出して欲しいものはありませんか」


「どういて、その話題になった」


「うーん。やっぱりボルシチ!」


「米ソの食べ物をメニューに入れて、えらい国際的なレストランになるねゃ」


「和洋中米ソ、しーちゃんはあと何がいいと思いますか?」


「タコスとか、かしらね」


「和洋中米ソ墨ですか。いいですね」


「どこがちや。日本、ヨーロッパ、中国、アメリカ、ソ連、メキシコって、何故この中にメキシコがおるがよ」


「えへへ( ̄∇ ̄*)ゞ」


 志穂はこの光景を遠くから眺めていた。

 美春は本当にムードメーカーだ。

 彼女が中心となって話を回してくれる。

 本当にありがたい。

 志穂は鬱屈とした空気にならないか心配だったが杞憂となった。

 しかし、


「私は……これから……」


 志穂は今の状態に困惑していた。

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