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レベル255の魔法少女  作者: パラドックス
第二章 第一版世界
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ラピュータ会談⑨


「下級銀貨100枚を100円、上級銀貨100枚を10万円のレートで両替してくれないか?」


「……ふざけるなよ、ネズミ」



 下級銀貨は今現在のレートは1円1スーパー円となっている。

 通常だと下級銀貨100枚は1億円で上級銀貨100枚は1000億円である。

 それを100万分の1のレートでやろうなんて、ふざけている。

 というより不可能だ。


「デノミじゃないんだぞ……」


 アイラは怒りで拳を震わせていた。


「じゃあ、わかったよ

 下級銀貨100枚を1万円、上級銀貨100枚を1000万円出そう」


 今度は1万分の1のレートで言ってきた。

 10万から1000万になったのはかなりでかい。

 しかしそういう風に見えるだけだ。

 マキャファートのやったことは悪徳商法にある最初に超高額な値段をふっかけて、あえて負けさせて高額な値段まで落としカモにすごく安くなったと思わせる数字のマジックだ。


「ということで上級銅貨100枚で10円でいいよね」


 上級銅貨と下級銅貨は相互互換がある。

 一方通行ではなく、上級銅貨から下級銅貨への両替が可能でありその逆もまた然り。

 上級銅貨1枚は下級銅貨1000枚に替えれる。

 それは別にこの会談でやる必要はなく超越通貨を扱える両替商に行けばいい。


「それと100枚でワンセットだからね」


 つまり99枚以下のバラ売りは受け付けてないということ。

 下級銀貨100枚10セットで10万円。

 つまり上級銀貨1枚は10万円ということ。

 20万円あれば上級銀貨1枚と下級銀貨100枚の二種類が手に入れれる。

 あと10円あれば上級銅貨99枚と下級銅貨1000枚の二種類が手に入れれる。

 20万10円あれば四種類の超越通貨が手に入れれる。

 一番多く発行されている銅貨を超激安で多く手に入れられる。


「それでも、暴利だ」


 アイラの言う通りまだまだ暴利である。

 煙草屋のおばちゃんは煙草一箱売る時の利益は数円と言われる。

 もし一箱でも煙草を万引きしようものなら、損害はとても大きく取り返すまでに煙草百箱売らなければならない。

 100倍の努力で取り返さないといけないのだ。

 しかも今回は100倍どころか1万倍である。

 尋常じゃない程の努力が必要というか、尋常じゃない程の強奪である。


「しかし僕は個人だ。これ以上は難しいよ」


 難しいであって不可能ではない。

 アイラはそうとらえた。

 仮に100分の1のレートだったとして、上級銀貨100枚は10億円である。

 さすがに大企業の社長でも10億単位は考えなければならない。数千万ならポンと出せれるだろうが。

 というよりマキャファートの資産が1000万単位もしくわそれ以上持っているだろうということにアイラは驚いた。


「……受贈税がかかるぞ」


 受贈税は贈与税のことである。


「…………」


 マキャファートは黙りをした。おそらく脱税をするつもりだろうか。


「国税庁が見逃さないぞ」


 超越通貨は国際機関の国税庁がかかわる。

 これはスーパーマーケットで買える程の財力を持つ者の弱体化の目的でもある。


「わかっていると思うが聯盟が超越通貨の流れを管理している。

 絶対に抜け穴はない」


 アイラの言う、聯盟は國際聯盟のこと。第一次世界対戦の後に作られた国際連盟とは違う機関だ。


「そもそも聯盟に秘密裏に替えようとすること自体が間違いだ」


 通常は聯盟の管理下である両替商に両替をするのが筋だ。

 しかしまれに両替商を通さずに両替をする輩がいる。

 そういう輩は資金洗浄、マネーロンダリングの温床になる。

 例えば脱税などで得た汚い金を綺麗な超越通貨に替えそして綺麗な日本円に替える。

 聯盟は両替商を通さずに両替した超越通貨には罰金や労役を科すのではなく受贈税を課す。

 それで弱体化を計っているのだ。


「今はそんなことの話はしてない。さぁ、早くこのレートで替えてくれよ」


 マキャファートは暴利なレートでの両替を催促してきた。


「それは、できない」


 アイラが即行で断った。


「それは残念だね」


 マキャファートは淡々と言う。その言葉には脅しがあった。

 断るならMADボムを爆発させるしかないと。


「そういえばスーパーマーケットで上級金貨や下級金貨を使わないと買えない物がある。

 それを買う研究施設がある。

 金を人工的に作る。

 それはスーパーノヴァでは足りなく、

 ハイパーノヴァでないとダメらしい」


 太陽は現在水素をヘリウムに変える核融合の反応で輝きを放つ。

 超新星爆発を起こす際は、どんどんと核融合を行った物質が、最後に重い鉄になったときに、星の中心めがけて落下するときの衝撃波が星の外側を吹き飛ばす。

 そのとき核融合よりもさらに大きいエネルギーを発生するので鉄以降の元素はそこで作られると言われる。


「もしも核融合を自在にコントロールできるなら金は作れる」


 アイラはマキャファートが何を言い出したのかわからなかった。

 銀貨、銅貨の話をしてたはずだ。何故いきなり金貨の話が出てくるのか。

 マキャファートは銀貨、銅貨で継承システムを買うのではないのか?


「その顔はまるでわかってないようだね」


 マキャファートは不気味な顔をして言った。


「MADボムは核融合でも核分裂でもないからね」


 MADボムはあくまでも魔法で、核爆弾ではない。


「このラピュータは金にはできないだろう」


「「っ!?」」


 アイラとヴィルはすぐさまマキャファートの言うことを察知した。

 実質的に言ったのだ。

 このラピュータ全土をMADボムで吹き飛ばすと。


「おのれ、ネズミぃぃ」


 アイラがぎりぎりと歯ぎしりをする。


「実力行使にでたな」


「何を言うんだい。そんなことまったくしてないよ」


 マキャファートの言う通り、今の段階では実力行使に出てはいない。

 歪曲した言葉で脅しをしたのだ。


「だけど話は平行線だね。出直そうか」


 マキャファートはそう言って席から立った。


「すみれ、一旦出直そ。行くよ」


 マキャファートがすみれにこの場から立ち去ろうと言う。しかし、


「待って、すみれ」


 言い出したのは志穂だった。


「マキャファートの言うことを聞かないで。

 私たちの声を聴いて」


「えっえ。あの」


 すみれは志穂とマキャファートを交互に見いやる。

 どちらに付けばいいのかわからないのだ。


「すみれ、会談は破談だ。行くよ」


 マキャファートは強くそう言った。





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