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レベル255の魔法少女  作者: パラドックス
第一章 魔法少女たちのロール
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生産者に歴史あり

 アイラが去ったあと莉音たちは呆然としていた。

 マキャファートから聞かされていたのは『悪いやつら』しかし、蓋を開けてみればやつらより遥かに巨大な組織である『国家』

「マキャファートこれはどう言うことなの?」

 先に口を開いたのは志穂であった。

「……僕の国はヤツラに侵略されてるんだ。」

 神妙な面持ちでマキャファートは顔を上げる。

「ある日ヤツラは宣誓布告もなしに僕の国に攻撃してきた。

 非戦闘員である一般人を大量に殺した。

 ヤツラの兵器によってね。

 僕の国は直ぐ様対策をとった。

 だけど状況は厳しかった。

 兵器に対して兵器とはいかなかった。

 そこまで兵器を造れる能力はなかった。

 ならばどうするか?

 『兵器には魔法で』ってなったんだ。

 じゃあその魔法はどう調達するか?

 『魔法を扱える魔法少女を産み出そう』

 ……そういうことになったんだ

 だから僕は生まれたそのためだけに」

 マキャファートの言うことににわかに信じられなかった。あまりにも突飛すぎた。

 しかし、

「私は信じるよその話」

 …………莉音だった。

「ちょっと莉音!あんた何言って……」

「だってマキャファートの国はとても困ってるんだよね!

放って置けないよ‼」

「莉音……」

「だからね私は助けたい」

 志穂はその言葉を聞いて悩んだ。

 一度は『もちろん』と承諾したものの相手の巨大さに戦いている。

 マキャファートとアイラどちらを信じるかと言われれば、マキャファートだった。

 アイラの第一印象としては生粋の軍人。それも国家に軍に忠誠を誓っている。

 それに対してマキャファートは被害を受け逃れてきた非戦闘員。

 しかし、話からするとこのマキャファートは魔法少女を産み出すために生まれてきたと言っている。

 いや、このマキャファートは戦争のために生まれてきたのだ。言わば戦争の道具だ。

 果たして戦争の道具の言うことが信じられるだろうか?

 でも、やっぱり莉音の言うことも……

「迷ったらやる」

「えっ?」

「『迷ったらやる』って言葉知ってるよね?」

 『迷ったらやる』その言葉を言い体現したことがある人がいる。志穂の祖父だ。

 志穂の祖父は経営者で、たびたび決断を迫られる。

 何かに迷ったらやるほうを選べ。という意味である。正に勝負ができる男である。

「そうね、わかったわ」

 志穂は迷った。しかし、決めた。

「私も莉音と同じ、協力するわ」

「ありがとう。莉音、志穂」

 マキャファートは安堵の表情をして二人に礼を言った。

「あっそうそう莉音、回復魔法でちゃっちゃとここら一帯もとに戻してよ」

「んっOKわかった」

「えっ?なに、なんでそんな簡単に……えー」

 莉音は志穂を尻目に、回復魔法を行った。

 志穂な眺める先、莉音の手からピンク色の粒子と光が破壊された箇所に飛んでいき、すばやく無音でビデオの逆再生でもしているかのように、破壊される前の姿に戻っていく。

 砕けた路面のアスファルトのジグソーパズルが嵌まっていき、割れたビルの窓ガラスが張り直され、崩れ落ちた鉄塊が持ち上がり、靄のように澱んでいた土煙も消えていく。

 修復が全て終わり、光景は元通りになる。

 時間にすると四半秒という速さ。すごい。

 そして莉音が、告げる。

「はいっおしまい」

 すると空間全体に収縮する光と衝撃が湧き起こった。

 マキャファートが電磁フィールドを閉じたのだ。

「はやっ!?」

 志穂はあっという間の出来事に突っ込んだ。

 二人にとってはあっという間のことだろう。魔法少女なったことは。

 スタダに行く途中の出来事だった。

 そんなこと人生に何回あるだろうか。いやない。ないな。

「んっちょと待て莉音、そのMP」

 志穂に指摘される莉音のMPはたいして変わってなかった。

 その数、1844京6744兆0737億0955万1615!!!

「なんで……」

 志穂は呆然としていた。

 自分に防御魔法、回復魔法、そして、建物にも回復魔法。

 最低でも三回は魔法を使った。

 しかし、減った数はわずか1!?

「あぁそれはね、『高レベルの恩恵』だよ」

 マキャファートは淡々と答えた。

「はっ!?」

「つまりだね、レベルが高ければ高い程MPの最大数値は多くなるし、一つの魔法による消費コストも減るんだ」

「はぁああ!?ちょとそれ、理不尽過ぎない!?私、低威力の魔法に全体MPの73%持ってかれるのにさ。

いいの!?莉音はいいの!?許されるの!?

あと、なんで1しか減ってないの!?」

「消費コストが1より小さい数だからだよ。

0.000000000………とかだろう。

表示されるのは一の位までだから小数点以下の数字は表示されないんだよ。

 レベル255だから許される。

 これが現実!」

「ずるすぎる……」

「ねっねっ、そんなことより志穂ちゃんスタダ!スタダに行こうよ!ってか途中でしょう?さっさ、行こ!私、抹茶フラペチーノね」

「うーん、そうね、私はキャラメルフラペチーノにしようかしら」

「僕はキャラメルマキアートで」

「えっ?あんた、飲むの?飲めるの?」

「失礼な僕だってお腹減るし、喉も乾く。

 因みに好物はキャラメルマキアート」

 そんな、他愛もない話に花を咲かせた二人と一匹。

 空はもうすでに日は暮れ、夜になっていた。

 雲一つない星空の見える空だ。

 その星空の中に一際輝く星があった。

 星の名前はわからない。

 マキャファートだけが静かにその星を眺めている。

「星が赤くて綺麗だ」

 蚊の鳴くような小さな声で言った。

 その言葉は莉音たちの耳には届かない。

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