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レベル255の魔法少女  作者: パラドックス
第二章 第一版世界
34/93

軌道エレベーター

「私はアイラ・ミカラギ・スタインバーグ

 真に国家を愛する者だ」


「ハッ」

 アイラがミリタリーライセンスを入国管理局員に見せた。

 入国管理局員はなんと、敬礼しアイラと莉音、志穂、美春、千代子の五人を通した。

「何よそれ、挨拶なの」

「……」

 アイラは答えなかった。

 アイラたちはバルニバービに入国することができた。

 バルニバービは豊富な磁鉄鉱が採れることで有名だ。

「……バルニバービの人達ですか……」

 美春はバルニバービ人が暗い顔をして行き交い仕事をしてる様子を見て言った。

「……ラピュータから搾取がきつくなってきたんだろう」

「搾取?ですか?」

「……貴公とマキャファートも似たようなものだと私は思うが」

 そう言い残しアイラはバルニバービの軌道エレベーターまでへの準備に取りかかった。

「……あいぽんどうしたんでしょうか?」

「っ!?あいぽん!?みはるん、私のことは?」

「莉音さん」

「あっ、orz そう、なのね」


「首都ラガートの軌道エレベーターに乗る。時刻は45分発のだ」

「ねぇねぇ、あいぽん」

「……貴公、もしかして私のことを言っておるのか?」

「えへへ、そうですよ」

「……」

 アイラは自分があだ名で呼ばれたことはない。このことに少し戸惑いはしたが、

「えへへ(* ̄∇ ̄*)」

「……はぁ。何だ?」

 美春の屈託の笑顔に負けた。

「……千代子に続いて、二人も落とすとは。美春って結構な大物になりそうね」

 志穂はアイラと千代子には聞かれないように小さな声で言った。

「その、ラピュータってどんなところですか?」

「ラピュータの市民は皆、科学者で優れた科学力を持つ国だ」

「へぇーそうなんですか。科学の最先端が見られるんですね」

「……まぁそんなところだろう」

 アイラが返事をすると美春は目をキラキラ輝かせた。

「なぁ、志穂殿。美春殿はああいう性格なのか?自分で作ったキャラではなく」

「ええ、そうよ。美春のは本当に天然よ。

 きっとあの愛くるしい性格や容姿が世間や芸能界に受け入れたんでしょう」

「芸能人なのか?」

「そうよ、それもアイドル」

「ちなみにだが、貴公は美春殿からなんて呼ばれておるのだ?」

「しーちゃん」

「……」

「莉音は、莉音さん。千代子は、ちよちよ。すみれはスミー」

「……」

「何よ?」

「いや、何でもない」


「あぁ、そうだ」

「?」

「マキャファートのこと、どのくらい知ってるの?」

「……あのネズミことか。だがそれは秘密事項だ」

「何よそれ。私を、私たちを信用してないの?」

「秘密事項だ」

「……あ、そ」

「……貴公は資本家と言ったな」

「ええ、そうよ。何?グレートアースゲームの話?」

「格差についてどう思ってる」

「はぁ?いきなり何なの?」

「……スラム街とか見たことはないか?」

「……あるわよ。アメリカに行ったとき。まぁ教育の一環だろうけどね。

 スラムだけではなく、人種差別とかもね」

「……向上心のないものが、スラム……スレイブに堕ちる」

「…………アメリカの、いや世界のリアル…ね」

「常に上へ上へ目指す者は、他を蹴落とし登ろうとする。現状に満足することなく青天井に登されること強いられる。

 そして、強者は更に強者になる。なろうとしている」

「……」

「バルニバービとラピュータは搾取の関係にある。強いものが弱いものから吸い上げる」

「……」

「……ネズミも貴公達から搾取をしている」

「っ!?どういうこと!?」

「本来、ネズミは魔法少女を生産することが仕事だ。それはマルチに増えていく。

 しかし生産することだけを仕事とはしない。

 魔法少女という道具を生産だけではなく扱うこともする。

 道具は多ければ多いほど選択肢も増える。

 そして、ネズミは一つの選択肢をとった」

「……それは何?」

「魔法を自分が扱えること」

「っ!?出来るの?マキャファートに」

「いや、出来んだろう。しかしネズミはいうなれば、魔法を産み出す魔法が使える。

 産み出した魔法も自在に使えるなら……」

「……実質な完璧の魔法使い」

「仮にもあのネズミに継承システムがあるならすでに貴公らの魔法は勝手に継承され、搾取されていだろう」

「……じゃ何?私たちはマキャファートの都合のために魔法少女にならされたの?」

「……それもネズミに訊くんだな」

「…………」

 志穂はギリギリと歯軋りをして怒りを滲ませていた。


「一つ私から貴公らに提案がある」

「何?」

「ネズミとはもう離れろ」

「……離れろって」

「ネズミの指示は無視し、自分達は自分達の道へと進め」

「マキャファートとの離別ってこと」

「そう。ネズミとは縁を切れ。貴公らでネズミを捨てるんだ」

「でも、」

「?」

「でも莉音はおそらく離れないかも」

「……どういうことだ?」

「マキャファートの国が困ってる。あなた達の軍の侵略によって困ってる。

 だから、見過ごせない」

「…………そう、か」

「マキャファートもダメだけど、あなた達の軍もなんとかならないの?」

「無理だ」

「即答ね」

「私は元帥でも大将でもない。私に戦争などを止める事は出来ん。

 そういう終戦の勅令は天子様が出すことだ」

「……そう」

「…………もうすぐ45分だ。行くぞ」

「……」

 志穂はこくっと頷いただけであった。






「わーすごーい」

 莉音が感嘆の音をあげる。

 その先にはラピュータの科学者が科学を結成させた軌道エレベーターがあった。

 とはいっても宇宙にまで届くわけではなく高度6437メートルのラピュータまで。

 6437メートルという高さはアメリカのマッキンリーより少し高くエベレストより2400メートル低い。

「それにしても足元がっしりしてるわね」

 志穂の言う通り軌道エレベーターの足元はがっしりとしていた。

 それは言うなれば六角形の凱旋門に六本の足がついてるものだ。

 その凱旋門の上にはスカートと呼ばれる三角錘のアーチがついていた。

 そしてその上はエレベーターが天高く伸びていた。

「まるで、凱旋門と東京タワーはくっつけた感じです~」

「東京タワーじゃなくエッフェル塔やったら、もう初代通天閣よね」

 志穂と美春が口々に感想を言っていると出発の時刻となった。

「貴公ら、もう行くぞ」


 莉音、志穂、美春、千代子、アイラの五人は軌道エレベーターに乗った。

 エレベーター内は普通のエレベーターと違って座席がありシートベルトをするのであった。

 エレベーター式新幹線とも言える代物であった。

 プルルルと出発のベルが鳴るとエレベーターは次第に上へと参る。

 徐々に加速していき、時速73.8キロを越した。

「うわわわ!すごいですーー」

「……これ、もしかして世界最速じゃないの?日立でも無理よこんなの」

「もしかしたらアダマントでも使ってるかもしれん」

 アイラ以外にはアダマントという鉄鉱石はわからない。

 エレベーターはスピードを上げどんどん加速していく。

 そしてある地点を境にスピードを緩める。

 鈍行になったエレベーターは次第に目的地へ着く準備をした。

 ガタンと音と揺れがすると、アナウンスでラピュータの到着を知らせた。


「貴公ら、着いたぞ」

 アイラがシートベルトを外し最初にラピュータへと降り立った。

 続いて莉音、志穂、美春、千代子とラピュータに降り立った。

 そこにはとても自然豊かで科学技術も豊かな街並みがあった。

「あの城まで行くぞ」

 アイラが指差した城、そこは今もなおマキャファートとすみれとヴィルたちが会談を繰り広げてる。


「貴公らの力を借りたい」

 アイラはそう五人に懇願した。









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