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レベル255の魔法少女  作者: パラドックス
第二章 第一版世界
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ラピュータ会談②

 マキャファートたちは黒服に連れられ金色の大広間にいた。

 大広間には楕円形の長机にいくつのもの高級オフィスチェアが並んでいた。

 マキャファートたちは窓側の席に座りヴィルを待っていた。

「いいかい、すみれ。君はわからないことはわからないと答えるんだよ。たぶんとかできそうとかは絶対に口にしてはいけない」

「なんで?」

「出来ることと出来ないことをハッキリさせる。それが交渉するにあたって良い方法なんだ」

「そうなんだ。わかった」

(まぁ、すみれは駆け引きとか無理だからちゃんと素を出させた方がいいだろ)

 たぶんや出来そうなどと会談で言って、実際出来なかったらそれは嘘になるし信用も失う。

 駆け引きの出来ないすみれにはそれがいいだろうとマキャファートは判断した。

 会談まで時間はある。

 あとは、ヴィルは待つだけだ。







 ヴィルは別室でギリギリまでマキャファートの思惑を考えてた。

「…………政治的か経済的か」

 軍事的が剣なら政治的は経験値で経済的は回復と考えがある。

 経験値が貯まればどんどんと成長する。そして経済的にも成長して回復力が高まり、生産力が高まる。それは軍事力につながり剣をさらなる大剣にする。

「…………金融的とも考えられる」

 金融とは資金を融通することである。

 経済とはまた少し違う。

 金融的であれば弱小国が強国に搾取される。

 搾取され続けることで弱小国は弱小国のまま、強国は超大国にとなる。

「…………為替によることも……」

 マキャファートはいろんな国を渡ってきた。

 強くてニューゲームもよくわかってる。

 もちろん為替のことも。

 例えば海外に資金を預けて、その間に日本円が値上がりすると大変なことになる。

 1ドル100円の時に、1万円をアメリカドルに換えれば100ドルになる。

 この100ドルを金利4.0%のアメリカ銀行に預けたらどうなるか。

 答えは簡単、一年後に4.0%の利息が付いて104ドルになる。

 では1万400円になるかと言われればそうとは限らない。

 その間に日本円が強くなり、1ドル90円になったとするとどうなるか。

 運用した104ドルを日本円に戻せば、なんと9360円。

 一年で1万円が9630円に目減りしてしまうということである。

 いくら他国の利回りが日本よりずっと良いからといって、軽々しく円やドルやユーロを移動させると、悲惨な事態になりかねない。

 個人だと370円の損失になるが、これが銀行や企業などの資金が巨額の所は利益も損失も巨額に跳ね返る。

 為替リスク、円高リスクがあるのだ。

 まあ、例え話であったが似たようなことをマキャファートは提示するかもしれない。


 『資金やデータの引き継ぎによる数字の変更』である。


 引き継ぎを換金と思ってくれればわかりやすい。

 

 そして何より『互換性』である。


 下位互換、上位互換とある。

 PS2はPS1のソフトが出来るという互換性を作った。

 初代DSやDSライトはGBAのソフトが出来るという互換性を作った。

 互換性があるということはPS2やDSは上位互換となったのだ。

 そして不可逆でもある。

 PS1はPS2のソフトは出来ない、GBAはDSのソフトは出来ない。

 はっきり言って下位互換である。

 こいつよりあいつの方が優れてるからあいつにしようぜという風に。

 上位のものと差別化が出来なければそれはもう下位互換であり、ゴミでもある。


 不平等な互換性が生まれればヴィルたちは祖国はマキャファートたちの国に虐げられる。搾取される。

 本当はそんなことを了承してはいけない。

 しかし、マキャファートはすみれというMADボムを持っている。

 このカードが非常に強力でなかなか難しい選択を迫られる。

「…………MADボム……厄介なものを」







 志穂は人口島の別荘の窓から外を眺めていた。

 正直、飛行機でどこかへ飛んでいってしまってはどうしようにもならない。

 追いかけて勝手に飛行機を飛ばすことも出来ず行き先もわからずどうすることも出来なかった。

 志穂が黄昏ているとドアが開いた。

「ねぇ、志穂ちゃんクルーザーだしてもらってもいいかな?」

「えっ、どうするの?」

「ちょっと向こうの別荘に荷物置いてきちゃってそれを取りに。志穂ちゃんはどうする?」

「私はちょっとここにいるわ。三人で行ってきたら」

「……うん、わかった」

 ガチャと莉音は扉を閉めた。少ししてからブルルとクルーザーの音がした。

 志穂はいまだ立ち上がれずにいた。

 自分達は本当にチームで、仲間だったのだろうか。

 確かに最後に入ってきたすみれには既存の仲の良いグループに入るのはきついものがある。

 故になかなか仲に入れず孤立することがある。

 ひょっとしたらそうではないだろうかと志穂は思う。

「はぁ」

 志穂は窓から外を眺めながらため息をついた。

 すると、ガチャとドアの開く音がした。

 志穂はそちらへ向く元気もなく、窓の外を向いたまま言った。

「何?こっちに忘れ物?」

「……そうだな。貴公に言わなければならぬことを忘れていた」

「っ!?」

 志穂はその声に聞き覚えがあった。

 忘れもしないあの日のこと。

 全てが始まったあの日。

 一撃で志穂をひれ伏せた少女。


「私はアイラ・ミカラギ・スタインバーグ

 真に国家を愛する者である」






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