ラピュータ会談①
ヴィルは城から望遠鏡で湖を見た。
マキャファートと一人の魔法少女がいる。
マキャファートたちがラピュータに来れたと確認をした。
ヴィルはマキャファートたちにハイヤーを寄越すようにした。
こちら側が呼んだのだ。
それくらいのことはしよう。
ヴィルはマキャファートたちにハイヤーを頼むようにしたあと直ぐ様アイラに連絡をした。
「…………こちら、ヴィルです。
マキャファートと一人の魔法少女のみです。
はい、残りの四人はわかりません。
はい、はい、了解です」
ガチャとアイラとの通話は切れた。
ヴィルはアイラとの連絡を終えると準備にかかる。
会談の準備だ。
表情には出さないものの水面下ではバトルが繰り広げられるのだ。
それが、会談で交渉で外交だ。
「何?何なの?」
志穂は混乱していた。
おそらくすみれがやったんだろう。
だが、パイロットもなしに飛行機を操縦出来るのは到底不可能だろう。
しかし、可能にした。
それは志穂にもわからない。
ブルルと志穂のスマホが鳴った。
「もしもし、志穂ちゃん!?」
「もしもし、莉音」
「さっきの飛行機、」
「わからないわ。すみれだろうと思うのだけれども。本当にわからない」
「……志穂ちゃん?」
「莉音、そっちはどうなの?」
「えっ、ああこっちは三人ともいるよ」
「そう、じゃあクルーザーをそっちに寄越すからここまで来てこれる?」
「うん、わかったよ」
「そう、じゃあ待ってるわ」
ガチャと莉音との通話が切れた。
「本当に、すみれあなたどうしたのよ?」
「うわーー疲れたーー」
「そうかい」
「マキャファートこれどこまで歩き続けるの?」
「だから、あの城まで……」
「えーー。タクシーとかのないの?」
「ないよ」
「ええええーー」
「はぁ」
マキャファートはすみれには聞こえないようにため息をはいた。
すみれのゆとりっぷりに困惑していた。
しばし、城へ向かう道を歩いてるとブロロと一台の車がやって来た。
車はマキャファートたちの前に止り、ひとりでにガチャとドアを開けた。
その車のサイドにはハイヤーと書いてあった。
「どうぞ、城へとお連れするよう言われております」
車のなかには誰もおらずスピーカーから無機質な声がした。
「ねっ、マキャファート。車、車だよ。乗ろう」
「……うん、そうだね」
マキャファートたちはハイヤーに乗る。すると勝手にドアが閉まりそのまま城へと走った。
「わーー。すごーい」
すみれはハイヤーの窓から見える景色に感動していた。
きれいな緑に町並みそして、科学技術。
ここラピュータは高度な科学技術のある国だ。
現にこの無人ハイヤーも人工知能で動いてる。
そして何より排ガスを出さない。環境にも適している。
「……フン、バルニバービから搾取してるくせに」
マキャファートが言うように、地上での国、バルニバービから鉱石資源などを雲上の国、ラピュータが搾取している。
ラピュータが発展したのは高度な科学技術を持った科学者と、科学技術に答えることの出来る豊富な資源を持つバルニバービから成り立っているのだ。
だが、マキャファートはそれを不快には思わなかった。むしろ当然だと。
支配する側がと支配される側がいる。
帝国と植民地国がある。
連邦国と衛星国がある。
奪うか奪われるか。そんな世界なのだ。
「高度な科学技術で守ろうとしてるつもりかヤツラは……」
マキャファートが車の中に全体に聞こえるようにそう言った。
もしかしたら、ヤツラが盗聴をしているのかもしれないが。
志穂は莉音、美春、千代子の三人を人口島に呼んだ。
「みんな、聞いて。すみれがいなくなった。
おそらくさっきの飛行機のなかにいると思う」
「……なんで、スミーは一人で行ったんでしょうか?」
「それは、わからない。本当に」
「……何処へ行ったがもか?」
「ええ」
「あの質問なんですが、飛行機って一人で操縦できるものなのでしょうか」
「それはないわ。ありえない」
「では、フライトレコーダーとか調べることはできないでしょうか?」
「フライトレコーダーは飛行機の中にあるわ。ブラックボックスの中にね」
「じゃあさ、志穂ちゃん。管制塔は?」
「それが、近くの空港の管制塔に連絡はいれたのだけれど、全く無いの。レーダーに映らなかったの」
「志穂、飛行機はステルス性能があるがか?」
「そんなのないわ。ステルス戦闘機じゃあるまいし、ってかそんな軍事機密に関わるようなこと絶対に民間に渡らないわ」
そもそも勝手に飛行機を飛ばすことは許されない。
空陸両用の車が仮にもあったとしても自由に空は飛べない。
まず空を飛行したいのなら飛行許可がいる。一週間前には許可をとり天候が良ければ飛ぶ。
勝手に飛行機を飛ばせばそれは、ハイジャックかそれとも国籍不明の敵機かと判断される。
敵機と判断されれば最悪撃墜もある。
「すみれ、何で?」
志穂にとってはすみれに飛行機をジャックされたようなもの。
そのジャックする理由がわからない。
志穂が顔を伏せ沈黙した。
「ちょっと外の空気に触れよう」
千代子が機転をきかして言った。
「そうですね」
「うん」
千代子、美春、莉音の三人は志穂を置いて滑走路がある外に出た。
「どうしたらいいんでしょうかね」
「正直、わからん。けんどすみれ抜きで帰国するわけにもいかん」
「志穂ちゃん……」
三人は途方にくれていた。
マキャファートとすみれを乗せたハイヤーは城の門へと着いた。
大きく鋼鉄の門が開くと城の中から黒服が出てきた。
「どうぞ、こちらです」
黒服はマキャファートたちを城のなかへと誘った。
「マ、マキャファート。どうなるの?」
すみれが心配するようにマキャファートに訊いた。
「まっ、なるようになるさ」
マキャファートは淡々と答えた。
おそらくこれから起こる会談は生易しいものではないだろう。
しかし、ここで交渉をせねば次へと進めない。
こちらにはすみれのMADボムという強いカードがある。
強く打ち出せる。
「相手もそれを知ってるだろう」
マキャファートがそう呟くとラピュータ全土に電子が走った。
ラピュータは入道雲で積乱雲で出来ている。
ちなみにラピュータ全土の国土面積は、12万平方キロメートルを越える。
北海道より広い。
「さぁて、セカンドインパクトがなければいいんだけどなぁ」




