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レベル255の魔法少女  作者: パラドックス
第二章 第一版世界
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後悔航空

 すみれはロリータを読み終え、本をパタンと閉じた。

 そして、外の光景を見た。

 莉音は相変わらず美春にちょっかいを出してる、美春はそれを受け流しつつ千代子に寄り添っていた千代子はそれを邪険にはしないにも美春に圧倒され動けないでいた。

 志穂は海を見ながらビーチチェアに座ってトロピカルフルーツジュースを一人で飲んでいた。

 すみれは志穂が一人でいるところを確認するとスマホのGPSアプリを開いた。

 GPSではハワイに矢印を指していた。フリックとピンチで地図を広く俯瞰で見、すみれは確認した。というより実在した。

「これがバルニバービか」

 日本から東に位置しハワイから北へと位置する島国、バルニバービ。

 バルニバービの西にはラグナグがあるがバルニバービの上空もしくわその周辺にはラピュータという文字はなかった。

 マキャファートのいう通り本当にラピュータはあるのか?少し疑問になった。

 しかし、すみれはマキャファートに言われたこともあって特に気にはしなかった。

「ねぇ、志穂。頼みがあるんだけど」

 志穂はサングラスをとってすみれに振り返った。

「何?頼みって?」

「ちょっとさ、人工島に行きたいのね。で、クルーザー出してくれないかな?」

「…………なんで?」

 志穂は怪訝な顔をした。

「いや、せっかく人工島があるのに行かないのは~と思って」

「ここじゃダメなの?」

「まっ、ここもいいんだけど、あっ私クルーザーに乗りたいな。クルーザー出すって言ってたよね?」

「まぁ、言ったけど」

「なら、出してくれないかな、クルーザー」

「うーん」

 志穂は少し考えたが確かにクルーザーでリゾート地に行くと言ってた。その事を履行するならば、いや履行せねばならない皆にそう言ったので。

 すみれの言っていることは思いのほか筋が通っていた。こうも言質をとられると、志穂はやらざるおえない。

 しかし、すみれだけ人工島に行かせるのも何かなと思った。

「皆はどう思ってるの?クルーザー」

「えっ!?」

「一応、皆に向けて言ったかね、聞かなきゃ」

「いや、他の皆はいいって。ほら、あの三人見て」

 志穂はすみれの言う通りに三人を見た。

「ねー、みっはるーん」

「あっそうだ、ねぇ、ちよちよー」

「うぅん、何ちや」

 …………三人仲良くやってた。

 まぁ、別にクルーザーに乗ろうとも思わないだろう。あの仲は。

「…………わかったわ。クルーザーに乗せるわ」

「おおおーー。ありがとう。МИСС志穂」

「……それ、やめて」

 志穂はすみれをクルーザーに乗せ人工島に向かった。

「えっ!?志穂も行くの?」

「まぁね、一人で行かせるわけにもいかないし」

「そっそう」

 クルーザーは波揺れをしながら人工島へ出向した。

「あれ、志穂ちゃんクルーザーに乗ってる!?」

「よく見るとスミーまで乗ってますね」

「何故、あたし達を積んで行かんがやろうか?」



 クルーザーが人工島に着き人工桟橋でクルーザーを係留する。

「じゃあ、私こっちでお昼作ってるから」

「志穂って、料理出来るの!?」

「……何よ、意外と思ったの」

「いや、料理できるって素敵だなって」

「なっ、何よ。それ」

 そう言い残して志穂は台所へと姿を消していった。

 そして、すみれ一人になった。

「さてと、」

 すみれは滑走路へ行き、マキャファートが改造した飛行機を探した。

 二度三度顔を振るがどれが改造した飛行機なのかわからない。

 すみれがあっちこっちへ走っているとどこからともなく声が聞こえた。

「こっちだ、すみれ」

 マキャファートの声だ。

「おっマキャファート」

「あのビジネスジェットだ」

 ビジネスジェットとは小型飛行機のことである。

「あれ、開くよ」

 飛行機の扉をすんなり開けたすみれが訊いた。

「まぁね、事前にいろいろやっといたから」

 マキャファートはニヤリと笑った。

「……」

 すみれは一抹の疑念を抱きながら、ビジネスジェットへ入りコックピットへ向かった。

 コックピットにはいろんなボタンが細々としていた。

 すみれがどのボタンを押せばいいのか迷ってたところにマキャファートは言った。

「操縦桿はそれ、いろいろと配線をいじったから、そのサイドにあるレバーを引いて、そのスイッチをパチッと上にあげれば動く」

「えっでもここ格納庫だよね、どうやって滑走路まで行くの?」

「一応、格納庫から滑走路へまでの道は開けたしね、もうあとは始動して操縦桿を左右に倒して滑走路に出てそのまま飛び立つ」

「そんなこと私にできるかな」

「すみれ、やるしかないよ」

 すみれは意を決して飛行機を動かした。

 ゴゴゴと格納庫から轟音が聞こえる。

 ゆっくりと飛行機は動きながら格納庫から滑走路へと向かう。

 その大きな音に気付いた志穂が窓から顔を出す。

「何?何なの?」

 しかし、飛行機は滑走路へ出てそのままカタパルトに乗り、一気に加速した。

 コーーと音をたてながら飛行機はみるみる加速そして、離陸した。

 飛行機は離陸に成功しあとは自動操縦でラピュータへ向かうのみだった。


「ちょっと、すみれ!すみれっ!!」


 志穂の声は飛行機の騒音によって掻き消された。その声はすみれには届かない。


「あっ、飛行機。志穂ちゃん飛行機を出した」

 莉音は全く状況を知らずにそんな発言をした。

「しかし、なんでまた飛行機を出したんでしょうね。私達には何も言われてないですけど」

「……何か嫌な予感がするねゃ」






 ゴゴゴと飛行機が揺れるなか、すみれは飛びだってしまったことに少し後悔してしまった。

「ねぇ、飛び立ったのはいいけどこれ、どうやって帰るの?」

「大丈夫、ラピュータにも飛行機があるしちゃんと帰れるよ」

「ラピュータには着陸できる滑走路があるの?」

「…………」

「ちょっと黙らないでよ」

「まぁ、着水はできるかな」

「っ!?」

 すみれは絶句した。

 やはり勝手に飛行機で出てきたことに後悔している。




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