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レベル255の魔法少女  作者: パラドックス
第二章 第一版世界
25/93

不安の魔法少女

 莉音達は夏休みに入っていた。

 美春の提案で夏休み皆でどっか行こうとなった。

 それを可能にしたのが資本家の娘の志穂だった。

 志穂の財力で五人をハワイに連れてきた。

 しかしマキャファートは誘ってない。

 にもかかわらずマキャファートはすみれの鞄の中に潜んで勝手にやって来た。

 マキャファートはある考えがあってのことだ。

 果たして莉音達はハワイを満喫出来るのかどうか?

 これが、前回のあらすじ。






「ちよちよー。こっちに来て遊びましょうよー」

「いや、あたしはこっちで砂の高知城を作るき」

 高知城は本丸の建造物が完全に残る唯一の城である。千代子は城だけではなく本丸全てまで作るつもりだろうか。

「ふひひひ、みはるん。なら私と水遊びでも……」

「いや、ちょっと莉音さんの目が血走ってるから遠慮しときます」

「ええーそんなーみはるん」

「はいはい、莉音やめなさい」

「って、何で志穂ちゃんが邪魔するのさー」

「あのー志穂さん、飛行機行きませんか?」

「美春が嫌がってるでしょ」

「もうー(`Δ´)」

「私いますよ。ここにいますよ。すみれいます」

「そうだ、ちよちよー、さくら貝拾いしませんか?」

「いや、えい。今いいところやき」

「何か私いらない子なのかな?はは、……ロシア文学でも読むか」

 そう言い残してすみれは別荘に帰りオーシャンビューのリビングでロッキングチェアに座りナボコフのロリータを読んだ。

「みっはるーん。スイカ割りしよー」

「ちよちよもスイカ割りしませんか?」

「えい、今、天守閣やりゆうき」

「でも、莉音さんが全部食べちゃいますよ」

「別に、いいがやないがやないがやないがや!」

「っえ!?ちよちよ?」

「……いいがやないが」

「そう、ですか。わかりました」

「美春あなたさっきのわかったの」

「『別に私は(ほっといて)いいのでそちらでやっといて下さい』っていう意味じゃないですか?」

「そっ、そうなの」

「そうですよ」

「あ、うん(美春は土佐弁の言葉をマスターしてるのかしら)」



「すみれ、すみれ!」

 すみれがロリータを読んでいるところにマキャファートは小声ですみれを呼んだ。

「んっ?何?」

「何で飛行機諦めちゃうのさ!ちゃんとやってよ」

「いやーたっはっはっは。なんか無理っぽい」

「!!?無理って」

「いやーなんかね、志穂は乗り気じゃないし、千代子は高いとこ苦手だし、おそらく千代子のことを思って美春は残るだろうし、美春が残るなら私も残るって莉音は言いそうだし、なんか無理」

「…………」

 マキャファートは開いた口が塞がらなかった。

 まさかここまで打たれ弱いゆとりだったとは。

 ちなみにまだゆとり教育は始まってない。

「すみれ、なんとかならないの」

「んーー。難しっ!」

「…………」

 マキャファートは今度は閉口した。

「……わかったよ。すみれ」

「んっ?」

「君一人でも何とかするんだ」

「えっ!?ムリムリ(ヾノ・∀・`)」

「違うよ、強行にでるんだよ」

「強行突破!?」

「僕が飛行機の操縦を何とかする。だから君は一人で飛ぶんだ」

「ど、どこへ?」


「ラピュータへ」






 すみれは再びロリータを読み直した。

 話はこうだ、マキャファートが飛行機の操縦の簡略化。

 だけど、飛行機の操縦はすみれ一人で何とかしろと。

 正直言って不安しかない。

「私一人でラピュータへ……」

 すみれは魔法少女といえば五人で一緒だった。

 今まで一人で魔法少女になることはなかった。

 太平洋上の時も千代子と志穂の三人だった。

 だが今回は、一人で魔法少女にならなければならない。

 莉音の回復魔法がない。

 それが、一番の不安要素だ。

 しかし、すみれは覚えてない。

 自分の魔法の攻撃と引き換えにMPの一つを消費、HPの全消費。

 すみれに聞かされている自分の魔法は全体攻撃の爆発。

 そのあと記憶がなくなるので覚えてない。

 よくわからずMADボムをしていたのだ。

 不安だらけの魔法少女のすみれだが、


「くっくっくっ面白くなってきたーーー」


 むしろすみれは楽しんでいた。

 確かに、ロール的に攻撃と回復のいないなかでは不安だがそれはそれで面白そうとすみれは感じた。

 もしかしたらすみれは一人の方が強いのかもしれない。






「押さないでよ。押さないでよ。絶対に押さないでよ」

「早く入りなさいよ!」

 ザポーン。

 莉音のお約束の指示のもと志穂は莉音の背中をおもいっきり押してプールにダイブさせた。

 莉音と志穂はプールで遊んでいる。まぁ、水着姿だからもあってだろう。

 それに対して美春と千代子は砂場で遊んでいる。

「おおおーー。ちよちよすごいです」

「ふふ、まぁ、ね」

 千代子は砂の高知城を作ったと思ったら、本丸どころか天守、御殿、追手門、大高坂山、市役所、県庁、城下町を全て砂で作った。とんでもないクオリティである。

「でも、ちよちよ。満潮になったらこれ……」

「いや、わかっちゅう。それも含めての『砂のお城』」

「はぁーー。ちよちよ、カッコいい」



「………………」

 四人に対してすみれはロリータを読んでいた。

 まぁ、特にやることがないからであった。


 ペラッペラッとページを繰る音がする。

 バシャッバシャッと水飛沫が飛ぶ音がする。

 ザクッザクッと砂を固める音がする。


 そんなの五人とは裏腹にマキャファートは黙々と仕事をしていた。

「たくっ、すみれはここまでしないといけないのか。まったく」

 マキャファートは人工島にある飛行機のコックピットにいた。

 マキャファートの電気信号でラピュータへの航路をGPSにマッピングして、オートパイロットで行けるようにした。

「よし、これでスイッチ一つでラピュータへ行ける」

 なんとか、ここまで辿り着けた。あとは、

「すみれがどうやって皆の目を盗めるかだな」

 実際、飛行機を出すので直ぐ様バレる行為だ。しかし、飛行機を出してしまえばあとはこちら側の思う壺だ。

 マキャファートは人工島までひっそりと泳いできたがすみれはそうはいかない。

 クルーザーで来なければ怪しまれる。


「すみれ一人連れて行くのにめんどくさいなぁ」


 マキャファートは仕事に疲れながらも呟いた。











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