ハワイ経由
天月町の北部には空港がある。
滑走路は四つありA滑走路から一機のジャンボジェット機が離陸した。
「だだ大丈夫かな?志穂ちゃん。ジャンボジェットだよ?墜ちない?」
「……大丈夫よ。墜ちないわよ。機長は航空時間1万8000時間のベテランよ。……あと、気〇いでもないわ」
『機長、何するんです!』は82年2月9日
御巣鷹山は85年8月12日
「わーわーちよちよ見て下さい!地上が丸く見えますよ」
「美春、やめろ」
「えー見ましょうよ。ちよちよ」
「だから、やめろちや!」
「ちよちよ?もしかして高いの苦手?」
「…………」
「……ごめんなさい。ちよちよ」
「いや、……その」
「あーりゃりゃこーりゃりゃ泣ーかした泣ーかした」
「うるさいっ」
千代子の拳圧がぶんっと空気を切りすみれにクリーンヒットした。
すみれは到着するまで気を失ったそうだ。
「……嫌ですよね。無理やり嫌なことをされるのは」
「あっ、違っ」
千代子が泣きそうな美春の前におろおろとしていた。
それを見た莉音が血涙を流しながらそっと小さい声で千代子に耳打ちした。
「そういうときは抱き締めればいいんだよ」
「はっ!?てか、莉音あんた、目が……」
千代子は莉音の表情を突っ込むのは止めて、くるっと美春の方に向いた。
「…………(´・_・`)」
美春はショボーンとしている。
「私じゃ、無理……だか……ら…………うっ」
莉音がどういう表情をしていたかはそっちの方向を向いてない千代子にはわからない。
「…………くっ」
千代子は自分らしくないと思ってた。
こういう事は。
しかし、自分らしさとは何だろうか?
あなたらしさなら勝手に相手が当て嵌めた既成概念だ。
だが、
「……美春」
「……ちよちよ?」
千代子は優しく温かく美春を抱き締めた。
「うぷ。」
美春は千代子の豊満の胸に顔をうずめた。いやうずめられた。
千代子の胸からは息苦しさと鼻孔をくすぐる母性溢れるほわほわとはにゃーんとなる香りがした。
そして千代子の腕は美春の背中を優しく抱く。
シュとした細くもたくましい腕。
美春は背中越しで千代子の腕から溢れる温かさを感じていた。
「そ、そんな顔をするな。美春」
「ち、ちよちよ。く、苦しい」
「わ、わゎ。ごめん」
千代子は美春を解放した。
「ふふふ。ちよちよ。」
「な、何?」
「ふふふ。向こうに着いたら何します?」
「いや、それは向こうに着かんとわからん」
「ふふふ。ふふふ。」
美春は可愛く笑うだけで、それ以上千代子に窓の外を見せることはなかった。
「う、う、う、みはるん。いい子」
可愛く笑う美春、ガラにもないことをしたことに照れる千代子、その二人のやり取りを見て血涙を流す莉音、その光景を見ている志穂は言った。
「……何この茶番劇」
飛行機は天月町を離れムー大陸……太平洋のハワイのホノルル国際空港に着いた。
到着のアナウンスが聞こえると志穂はすみれを起こした。
「すみれー。着いたわよ」
「はっ、どっちに着いたの?ソチ?」
「そっちのリゾート地じゃない。ハワイ、オワフ島よ」
「おーイエス!U!S!A! U!S!A! U!S!A!」
「すみれ、あなたキャラぶれぶれよ。ソ連キャラなのかアメリカキャラなのかどっちかにしてよね」
「うーん魔法少女のコスチュームはソビエトレッドなんだけどね」
「じゃあ、ソ連キャラにしなさい」
「ウラー!タヴァーリシチ!」
意味は、万歳!同志諸君!
空港から出るとリムジンで莉音達を迎えに来た。そのリムジンで志穂のハワイの別荘に来た。
広い別荘からは海が見える。
オーシャンビューだ。
海も見えるしプールもある。
そして、海にはでっかいクルーザーがある。
そのクルーザーで行ける島がある。
正確にいうと人工島。
海を埋め立てそこに人工島を建てた。
さらに人工島の上にはもう一つの別荘がある。
オワフ島の別荘と人工島の別荘を持つ。
それに人工島には滑走路を作った。
どこかの国みたいだがここは、ハワイ。
「莉音ちゃん、すっごいね」
「ハラショー。まるで、軍事施設だ」
「すみれ、ちょっと違和感あるからやめて!」
「この滑走路に飛行機がある!ということはどこかに飛ぶんでコフ」
「…………」
「あっ、ごめんなさい」
「ちよちよー」
「んっ何?」
「ちーよーちーよー」
「だから、何ねゃ!」
「えへへ、呼んでみただけです(〃⌒ー⌒〃)」
「お、おう。そうか……//////」
「本当はあそこに私が……いる……はず……なのに……」
「莉音、目から血が出てるわよ。はい」
「あっ、志穂ちゃんハンカチありがとう」
すみれは鞄の中をまさぐってた。
海に入るための水着を探していた。
「っ!?マキャファート!?」
マキャファートはすみれの鞄の中に入っていた。
いつでもどこでもいる。
「やぁ、すみれ。ちょっと君の鞄の中にいさせてもらったよ」
「……どこにでもいるのね。ポケモンGOみたい」
「ポケモンGO?」
「あぁ、今日落としてきたゲームアプリのこと」
時代設定は80年代だが、なにせスマホを使っているものでスマホに関することは現代になっている。余談であるがパラドックス(この作品の作者)もインスコしてきてそっちで忙しい。
「そう。で、すみれに話があるんだが」
「何?」
「日本から遠く東にバルニバービという島国がある。その島国の上空に『ラピュータ』という空飛ぶ島がある。
そこに僕を連れて行って欲しい」
「えっ!?それって空を飛ばなくちゃいけないよね?どうやって?」
「なんとか志穂に頼んでもらえないか?」
「うーんどうだろ。あんまり危険なことしたくなさそうだしー」
「そこをなんとか」
「うーん。よしっやってみるよ」
「じゃあよろしく。すみれ」
「ポーニョ!」(了解!)
すみれはソビエトレッドのビキニを着ると志穂に向かって歩いていった。
「ねぇ、すみれー。飛行機でちょっと東まで飛ばない?」
「飛ばない」
「ずこーーー。えー行こうぜ!空島まで」
「すみれ、あなたのキャラがよくわかんなくなってきたわ」
「……ごめん」
「まぁ、海で遊んだあと、考えるわ」
「おお!さすが我同志!」
「同志じゃないって!ってか私の企業は共産党には献金はしてないわ。自友党の方よ」
「あぁ、そうなの?まぁ別に私は共産趣味でやってみてるから政治なんてどーでもいいけど」
「あっそ。じゃね」
そう言い残して志穂は海へと去っていった。
それに続いてすみれも海へと行った。
「さて、ラピュータか。
そこが、会談場所か」
マキャファートは虚空の空を見上げる。
「すみれさえいれば、強く出れる」
マキャファートは口に出し確信した。
ヴィルはラピュータの城の内部にいた。
マキャファートからの交渉を破棄し、こちらからの交渉を仕掛けた。
「…………ここは科学技術力の高い国だ。いざとなれば戦争になるが……」
無論、交渉にきたので戦争に来たわけではない。
戦争をなるべく避けるために交渉が行われるのだ。
ヴィルたちも戦争を避けたい。




