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レベル255の魔法少女  作者: パラドックス
第二章 第一版世界
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志穂の気鬱

 曇天の6月になり、志穂の心も曇天だった。

 すみれの魔法が核兵器を超える威力の爆弾とは起こるまでこれっぽっちも思わなかった。

 改めて魔法が魔法少女が恐ろしいものだと感じる。

 あの大爆発事故?以降のマスコミは謎の爆発の話題で一色であった。

 事件の真相を、あれやこれやと文化人たちが討議し、意見を述べていた。


「調査団の調査結果によると、ソ連のツァーリボンバの約二倍の威力があったとされる。

 ツァーリボンバ二世の核実験の可能性も……」


「いや、ありえない。ソ連領土内ならまだしも日本から東へ数百キロの太平洋上に謎の大爆発があった。

 疑うなら、米軍の核実験……」


「いや、それこそありえない。条約によりもう大気圏内での核実験なんて、条約を無視して行った……」


「いや、それは違う。あれは核実験というより経済的な観念でいうと……」


「だけど、大気圏内で核爆発させたんでしょ。そして今度は……」


「だから、ありえない!ソ連の核兵器の二倍だからソ連とは限らない。米軍のかもしれないし、なんなら自衛隊かもしれない」


「それこそ、ありえない!日本は核兵器を保有しません。非核三原則があるでしょうが!」


「いや、勝手に米軍の核兵器を持ち込ませたかもしれん。ライシャワー発言もあるし……」


「お二方、ちょっと待ってください。今回は日本近くの太平洋上に謎の大爆発があったというテーマでして、やれ米軍だのやれソ連だの、そういう陰謀論のようなことではなくてですね…………」


 テレビの討論番組はもはや収集出来てなかった。

 米ソ冷戦下であるもののソ連には陰りが見えてきた頃だ。

 空元気で我が国はこのような最強の核兵器を保有すると言ってもこれ以上一体何になるだろうか。

 

 馬鹿馬鹿しい。


 


志穂は日本に戻る飛行機の中にいた。ビジネスクラスだ。

 志穂は雑誌を読み終わると窓の外に視線を向けてゆっくり休んでいた。

 雲が見える。

 志穂は雲の上の住人になっていた。


 この世界には数千人の頂点がいる。

 人間は平等ではない。

 上位1%の人間が40%の富を支配してる。

 上に行けば行くほどに富は集中していく。

 その数千人の中から更に頂点の数百人がいる。

 ピラミッドの頂点にいる者との違いは『カネ』

 もっと言うとカネの源泉。カネを産み出す利権や立場。そのラインを押さえる。

 株式会社でいうと、従業員の働きによって経営者は潤う。そして経営者の仕事によって株主は潤う。

 支配者がいるのだ。

 人間として生まれた以上、その網から逃れられない。


 かの志穂だって支配者から支配されている。

 志穂の家は創業一族で大富豪と言ってもいい。

 が、大海の中の蛙だ。

 上には上がいる。


 ……結局、そうなのだ。


 魔法を自在に操る魔法少女が偉いんじゃなくて魔法少女を自在に操る上司が偉いんだ。

 粉骨砕身で働くのは小金持ち。

 本当の金持ちは働かずに十生は遊んで暮らせる。

 どんだけ働いても、危険を被るのは現場の人間で、操るだけで高みの見物しているやつがいる。

「おそらくだけど、それがマキャファート」

 志穂はマキャファートを疑っていた。

 マキャファートの言動が嘘臭くなってきた。

 本当に困っているだろうか。

 私たちは駒でマキャファートの掌で踊らされているのではないだろうか。

 志穂は一抹の不安を拭いきれない。





「しーちゃん、しーちゃん」

「ん?何?」

「しーちゃんは休んでいたあいだどこに行ってたんですか?」

「フロリダのディ〇ニーよ。本場のね」

「いーな。いーな。私、仕事で千葉の方には行ったことはあるけど、フロリダも行きたいなぁー」

「や、やめなさいよ。美春」

「ねぇーねぇー、しーちゃん」

「だから、きゃっ」

 美春は志穂に抱きついた。

「いーな、いーな。志穂ちゃん、私も」

 莉音は志穂におねだりをしようと志穂に抱きつこうと見せかけて美春に抱きつこうとした。

 しかし、

 ヒョッイ

 美春はかわした。

 しかし、

 莉音は抱きつこうとした。

 しかし、

 ヒョッイ

 美春はかわした。

 そんなことを教室の隅で、繰り返し繰り返し続けた。

 志穂は別にフロリダのディ〇ニーには行ってはなかった。嘘をついた。

 でも、美春には心配かけまいとのことだった。

 こんな幸せの光景がいつまでも見れたらな。

「…………幸せは……なんだろうね」

「にゃははは、それは血反吐を吐く努力を続けることさ」

 志穂が呟いたことにすみれは反応する。

「……努力?」

「…………世界には色んな国がある。無法地帯な国も。頑張って法治国家になった国も。

 軍や自衛隊や警察が頑張った土台で作られた幸せがある。

つまり、今日を楽しんだものが幸せが訪れるのさーー!」

 ムギュ。

「ひゃあああああ!?」

 すみれは志穂のおっぱいを掴んだ。揉んだ。

「な、ななななな、何すんのよーー!」

「わーはっはっはーー!」

 志穂とすみれは教室を走り回った。

 そんな二組を千代子は遠くで見ていた。

「何しゆうがや。あんたら」




 マキャファートは次の手を打っていた。

 アイラの部隊がどこにあるかも知らないがとりあえず手を打つ。

「力には力。

 交渉しようと思ってもヤツラと釣り合うだけこっちも強くしないと相手にされない。」

 そして、マキャファートは不敵に笑う。


「さて、交渉しようじゃないか」





 

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