表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
召喚世界の血脈  作者: 剪定鋏
新たな賢者が異世界から
2/2

召喚

「…ここは、…どこだ?」

雲一つ無い青空と大木が生い茂る森林、強風が吹き少し肌寒い気候。

確か、あの地面と空の光に包まれた…までは憶えている。─それ以前の記憶が無い。思い出せない。

自分の事だけは解る。だが、この状況が理解できない。理解をしようにも頭が働かない。

体がやけに重い。それに頭が痛い。血が頭から流れているようだ。服には紅い染みが付いている。

起き上がろうとすると足に力が入らない。まるで生まれたての牛や馬のようだ。

近くには青色の鞄が落ちているのが見えた。おそらく自分の鞄だろう。

鞄の中にはタオルが入っていたので頭に巻く。これで血が止まれば良いんだが…。後は…教科書とノートが三冊、筆記用具に水筒とパンが1つ、お菓子が少しあった。

「…上手くいけば助かるかな?体休めたら動いてみとするか」

ただし、何があるか分からない。睡眠はしないようにしなければいけない。

…だが、疲労がピークに達したのだろうか意識が薄れていく。

「駄目だ…もたな…い…や」

視界が真っ黒になった。憶えているのもここまでである。



『…ようやく主と対話が出来るかな。待ち望んでいたよ』

変な空間を漂っていた。

TVで宇宙飛行士が漂う姿のように自分も漂っているようだ。平衡感覚が無い。

なんか気持ちいい感じだね。

『…聞こえているはずだよね、主。ねぇ』

「聞こえるけど、誰なんだ。声だけだから警戒するんだけど…」

その言葉を聞いてか、実体が無いが確実に表情は「うわっ」って顔をしている…オーラをひしひしと感じる。

『…私は聖霊(精霊)と呼ばれている存在だから契約者にしか姿は認識出来ないのさ。だが稀に聖霊(精霊)側から契約したい者が現れる事がある。』

「それが俺って訳?」

『その通りだよ。主は私が初めて契約したいと思った人物さ。過去に何万人が契約したいと私に迫ったか。…権力や戦争に利用しようとした屑ばかりだった。まぁ全てこの世界から消したが。嗚呼、この二千年は退屈だったよ。でも主は違う。この魔力と戦闘能力、そして目的も面白い。是非とも私との契約をしてほしい。私の全てを差し出す』

かなり契約したいと推してくる。そんなに俺って凄いことになっているのかな?

ちょっと怖い。

少し考え込んでから口を開く。

「言ってることはよく判った。契約してやる。俺の目的が判っているならこちら側の説明は必要ないな。後は聖霊側からの説明と、この世界について教えてほしい。詳しくな」

『かしこまった、主よ。私の名前を叫んでくれ。名はゼフィーだ。』

「判った。聖霊ゼフィーとの契約をしよう。我が名は智幸」

名前を叫ぶと体を光が包み込んだ。

『この世界については私の記憶を主に直接送り込もう。…さてここは聖霊の世界、主は主の世界へ。何かと変化はあるがそれはお楽しみに』

聖霊ゼフィーは姿を現して和やかに微笑んだ。

長い黒髪が腰の辺りまでありスタイルのいい美しい女性だ。誰かに似ているような感じがした。

『また後ほど』

また意識が無くなっていった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ