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「ん~そ~だなぁ。あ、俺以外のみんなは結局どうなったんだ?」
「あぁ。君以外は残念ながら地獄行きだね。多かれ少なかれ人を殺してしまっているからね。これも仕組みだから仕方ない。まぁ、あの子は喜んでたんだけどね。「私の子達が皆で来てくれた」って」
少しうつむいていた顔を上げて、苦笑い気味に言う神。
「あれ?お袋は俺と同じで仕事はしたこと無いっつってたような?多少霊感が有るだけで普通の人だったし。何でお袋まで地獄行き?」
「美奈子君はね、目の前で啓太君が殺されちゃってさ。啓太君が愛用してた短刀を使って後追い自殺しちゃったんだよ。これもやっぱり地獄行きなんだよね」
「あぁ、成程。あの二人は息子の前でもイチャイチャしやがる程だったからな。そんなもんか」
そう言い冥福を祈る隼人。
「あぁ、そろそろ時間みたいだ。じゃぁ名残惜しいけどあっちに行っても頑張ってね」
「おう、色々アリガトな。鞘とコート、大事に使わせて貰います」
手を振る神に手を振りかえしていたら、ス~っと視界が暗転していく。
これから行く世界に思いを馳せながら、ワクワクを抑えられない隼人であった。
20時から1時間ごとに閑話3本挟み込みます。